本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 【京都】義経ゆかりの地!大自然に囲まれた〈総本山 鞍馬寺〉を参拝 LEARN 2022.06.04

モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。第89回は京都の鞍馬山に街詣で。現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で登場する源頼朝の腹違いの弟・源義経“牛若丸”が幼少期に修行したと伝えられている〈鞍馬寺〉にお伺いさせていただきました。以前、この連載でも登場した鎌倉の〈鶴岡八幡宮〉に訪ねて以来ずーっと気になっていたので、念願叶っての参拝です。それでは早速!詣でましょ〜う!

京都市街からバスを乗り継いで向かうこと1時間。青紅葉の新緑に映える真っ赤な灯籠と仁王門がどどんと現れます。秋の紅葉の季節や雪景色もさぞ美しいでしょうね〜!そして〈鞍馬寺〉ではなんと狛犬ではなく“阿吽の虎”さんがいらっしゃるんです。それは御本尊のうちの一尊である毘沙門天のお使いの神獣で、その毘沙門天の御出現がトラの月、トラの日、トラの刻であったことから、特に大事にされているのだそう。表情豊かでかわいらしい!

京都 鞍馬寺

しばらく進むと朽ちた鳥居とお社跡がある一帯が。こちらには鬼一法眼社と魔王の滝があったようです。朽ちてはいるのですが不思議と寂しい感じがしないのはきっとこの場所がきちんと整備されていて、お寺の方々が気に留めていらっしゃっているからなのではと感じました。帰り際には、野生のたぬき(初めて見ました!とってもかわいい!)もお散歩していて、動物たちにとっても憩いの場所のようです。

京都 鞍馬寺

ひゃー!っと素っ頓狂な声をあげてしまうほどの大きな杉の木が3本、その前には素敵な立派な割拝殿がお目見え。真っ直ぐに天を衝くように伸びる御神木の“大杉さん”は京都市天然l記念物に指定されていて、樹齢はなんと800年。

〈由岐神社〉はこの鞍馬の土地に元々いらっしゃった神様で〈鞍馬寺〉の鎮守社。御祭神は大己貴命(大国主命)。そして10月22日には日本三大火祭・京都三大奇祭である「鞍馬の火祭」が行われます。叡山電車の鞍馬駅にはお祭りで実際に使われる大きな松明が展示されていました。この松明に火を灯して街を練り歩く様子は、きっとすごい迫力でしょうね〜!

京都 鞍馬寺

風が気持ちいいこの季節、木漏れ日が美しい、くねくねとしたつづら折り参道を鳥やカエルの声、虫の羽音に耳を傾けて歩くこと15分ほどで中門に辿り着きました。中門の前には先ほどの鬼一法眼社と魔王の滝の鳥居の一部や祠らしいものが大切に保管されていて、なんだかその様子がしっとりと美しく目に映ったのが印象的でした。

京都 鞍馬寺

それからさらに転法輪堂を抜けて15分ほど歩くと本殿金堂に到着です。なんと言ってもこの石畳に刻まれた金剛床が印象的ですよね!御本尊は尊天様。毘沙門天、千手観世音、護法魔王尊の三身を一体として“尊天”と称する唯一無二の大変珍しい御本尊が祀られていらっしゃいます。

さらに本殿金堂の先に進み、奥の院へ。こちらからは一層、自然が深まり瑞々しくも荘厳で、この土地そのものの力が感じ取れるような一帯に足を進めていきます。15分ほど登った山頂の大杉権現社の御神木は倒木し、お社も無くなっていましたが、この土地からの力は存分に感じ取ることができました。

京都 鞍馬寺

5分ほど下り、鳥やカエルの会話が賑やかな不動堂を抜け、さらに下った所に鎮座するのは奥の院魔王殿。その名の通り、魔王尊を祀られています。魔王と聞くとびっくりされるかもしれないのですが、この辺りはまるで朝のように新鮮で清らかな空気が立ちこめており、不思議と何かがピッタリ止まっているように感じるんです。私はこの場所が鞍馬山のおヘソなのかなぁと感じました。

登るにつれて、全く異なる空気を纏う鞍馬山。大自然に包まれてゆっくりと呼吸をし、思い思いに時間を過ごすと、自分の生まれ持った本来の五感を取り戻せるような感覚があります。街の喧騒に疲れたり心がざわつくときは、自分の気持ちにそっと耳を傾けて自然に身を委ねてみることこそがなによりの薬だなぁと感じ、力みなぎる良い参拝となりました。感謝。それでは皆様も良い参拝を〜!

〈総本山 鞍馬寺〉

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