BARをもっと、カジュアルに。 蒲田〈バー若林〉のバーテンダー・若林 祐一さん〜児島麻理子の「TOKYO、会いに行きたいバーテンダー」〜 LEARN 2022.04.11

お酒業界での広報歴12年!児島麻理子が、実力派のバーテンダーをご紹介します。第42回目の登場は、〈バー若林〉の若林 祐一さん。テキーラとメスカルの魅力を蒲田から発信しています。

蒲田 バー若林

“蒲田にスターがいる”というのは少し前から聞いていたウワサ。そして、その人物は「会えなくなった息子が訪ねてくるように、自分の名前をバーに冠している」「首元にはアガベ(テキーラの原材料)のタトゥーがある」らしい。そんな映画の主人公のようなバーテンダーに会いに訪れたのは、初上陸となる蒲田。
蒲田駅の電車の発着音の『蒲田行進曲』に背中を押されながら、駅のロータリーを出て、ほどなくして現れるのが、本日のお店〈バー若林〉です。
「蒲田ってありのままでいられる居心地いい街なんです。お客様も仕事飲みよりはプライベートの飲みで立ち寄られる方が多くて。自分の家のようにリラックスして過ごしてもらえるような空間づくりをしてますね」。
と語るのが、若林さん。ウワサも事実です、と笑う気さくな雰囲気がまた魅力的です。店内の梁やカウンターには、若林さんの故郷の長野の古民家から運れた古木が使われ、植栽やキャンドルが配された空間には、あたたかくて明るい気配が漂います。

蒲田 バー若林

そして、お店の持つ明るさの一つの要因でもあるのが、若林さんがこだわりを持ってそろえているメキシコ産の蒸留酒、テキーラとメスカルにあります。
近年ファンが増えているテキーラとメスカル。どちらも材料はリュウゼツランのひとつであるアガベですが、ブルーアガベのみを使い産地呼称があるテキーラに対し、メスカルはそれぞれの地域の様々なアガベでより自由に作られた蒸留酒。独特のスモーキーさから、飲みづらい印象があるものもありますが、若林さんが注ぐと不思議にまろやかな味わいに感じられてきます。
「テキーラは昔は苦手だったんですが、バーを開く少し前に、100%アガベの香り高いテキーラの世界に出会ってしまって、自分のバーはテキーラで行こうと決めました。その後、メキシコでメスカルに出会い、どんどんハマっていきましたね。メスカルはクセがありますが、アイラウイスキーにも通じる魅力がありますし、個性がある分、その方に合うものが見つけられると思います」。

蒲田 バー若林

お店にそろうテキーラとメスカルはそれぞれ200種類ほど。アメリカではメスカルの専門店が「メスカレリア」と呼ばれてすでにブームとなっていますが、ここはまさに日本のメスカレリア。バックバーに並ぶ鮮やかなメスカルのラベルに目が釘付けになります。
「一気飲みのお酒ではない、いいテキーラやメスカルの魅力を広げたいんです。野菜やフルーツとの相性がいいのでカクテルにもできますし、時間が経つと風味が変わるおもしろさもあるので、ストレートでゆっくりでも楽しめます。テキーラを飲んでるときってみんな明るくなるんですよ。こうした魅力をみなさんに広げたいんですよね」。

蒲田 バー若林

メキシコでは”うれしいときもテキーラ、悲しいときもテキーラ”ということわざがあるほど、人生に寄り添うお酒。若林さんもお客様を励ますときも、また盛り上げるような場面でもテキーラ、メスカルは欠かせないそう。
ちなみに、いつか訪ねてくれることを期待している息子さんは今年20歳。ストーリーの続きは若林さんにどうぞお尋ねください。

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