言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第71回~
ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。
(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)
「いわゆる日本人的順応グセ」
最初は面倒だと思っていたことも頑張って習慣化していくと、いつの間にか何も思わずに自然なことだと捉えるようになる。例えば、スーパーのレジ袋。あれが有料化されると聞いたとき、その意義や目的を十分に理解した上でも「ちょっと面倒くさいな…」と思ってしまう自分がいた。エコバッグを持つという習慣がそのときの私にはなかったし、今まで無料だったものが数円であっても有料になることに対して、みみっちくも「ずっとタダだったのに…」と思ってしまうところがあった。自宅ではもらったレジ袋をすぐに捨てることなく取っておいて、ペットボトルやプラスチックを分別するときのゴミ袋にしていたから、それもこれからどうしようかななんて思って、頭では環境問題への意識を高めるために大事なことだと分かっていても戸惑う部分があった。
けれども、今となってはもう何も思わない。買い物に行こうと決めて出かけるときは必ず買い物用のバッグを持つようになったし、小さいバッグで出かけるときは畳めるエコバッグをコートのポケットに入れるようになった(バッグに入らないから)。毎回持ち合わせていたいものの、もちろん忘れてしまうこともある。エコバッグを持っていなくてレジ袋を買わなくてはいけないときは心が痛むようにもなったし、少しの量なら袋に入れずにそのまま持ち歩くようになった。買い物の内容によっては、すこし恥ずかしいけれど。スーパーの作荷台においてある半透明のうすーいポリ袋も必要最低限しかもらわなくなった。レジ袋の有料化が始まって、たった半年である。半年で「おっくうだな」と思うところから当たり前になった。
そんな風に周りを見渡すと、いっせーので義務化されると、最初はブーブー言っていたわりに意外とすんなり世の中になじんでいることが沢山ある。後部座席のシートベルト、子供が自転車に乗るときのヘルメット、義務じゃないけれど時世柄の検温や手指消毒など。みんながやっているからしょうがなく…で始めたけれど、もう身に染みついちゃったなあ~、なんていういわゆる日本人的順応グセ、私は全然嫌いじゃない。
【弘中のひとりごと】
な、な、なんと!この春入社10年目です!!