自分を高める、学びの教科書。 材料はたった3つ!イギリス発祥のお菓子「イートンメス」のレシピ
大好評につき第4弾となるHanakoの「学び」特集。日々の暮らしに寄り添う季節のこと、大自然での過ごし方、心躍る知的好奇心のススメ、直接書き込んだり、型紙として使えたりと、実際に手を動かす練習帳ページも。「趣味の多いおばあちゃんになる!」を裏テーマに、知っているだけで毎日を豊かに、楽しく彩ってくれるような「学び」を集めました。さあ、Hanakoの春期講習が始まります!今回は「イートンメス」のレシピをご紹介。
メレンゲと生クリーム、フルーツソースを合わせるイギリス発祥のお菓子。華やかなのに簡単で、春のおもてなしにぴったり
もったいない気もするけど、“ぐちゃぐちゃ”がおいしい。名前の由来は、イギリスの名門・イートン校。なんでもこちらの生徒がおやつをぐちゃぐちゃにしたとか、犬に踏まれたからとか、とにかく“ぐちゃぐちゃ(メス)”とやんちゃな名のついたデザートだ。でも、〈サムアンドケークス〉の吉田菜々子さんが作るイートンメスはちょっと違う。ガーリーに花を散らし、テーブルで歓声が上がる華やかな一皿だ。
「イギリス留学中の20歳頃、田舎のパブで食べたのが最初。激甘そうな見た目とは裏腹に、甘くなく食べやすかったのが印象的でした」海外のお菓子に魅了され、20代後半でお菓子のデザインを志し、再びイートンメスに出会う。「ロンドンのマーケットでは手のひらサイズのメレンゲが売っていたので、ダブルクリーム(生クリーム)とラズベリーを山盛り買って、友人と宿で作って食べました。甘いメレンゲに無糖のクリームなど、組み合わせが自由なのも楽しくて」ロンドンでは苺の季節から初夏の味として親しまれるが、日本では苺が豊富に、そして手頃になる春、たっぷり作って味わいたいお菓子。「私にとっては、春の味。あとは、疲れたときに恋しい味です(笑)」
メレンゲというと少し難しそうだけれど、材料はたった3つのありふれたものだし、ただ泡立てるだけでテクニックは不要。メレンゲもソースも手軽に市販のものでもOKだが、泡立てたメレンゲの、まるで陶器のような青白いツヤを愛でられるのは作る人の特権でもある。焼き上がったメレンゲを思い切ってクリームやソースとぐちゃぐちゃにして食べれば、未体験のおいしさと舌触り。魅惑的な春の味は「2歳の息子はまだデビューさせていない」というのも、ちょっと納得してしまう。
■用意するもの
イートンメスはメレンゲにホイップクリームとフルーツソース、フルーツなどをかけていただくデザート。市販のメレンゲやフルーツソースでも気軽に作れる。
【苺ソース】
a.苺…250g(約1パック分)
b.てんさい糖…80g
c.レモン汁…10g
苺は調理前にへたを取って2等分にカットしておく。色味やとろみのためのレモン汁はフレッシュなものでも、瓶詰めのものでもOK。「砂糖控えめなので日持ちは1週間ほど」
【メレンゲ(10個)】
d.卵白…100g(約2、3個分)
e.細目グラニュー糖…175g
f.レモン汁…15g
焼く前にオーブンを100度に温めておく。メレンゲはジッパー付き保存袋に入れれば1カ月ほど日持ちするので、お裾分けや作り置き用として多めにできても大丈夫。
■作り方
Step #1 苺に砂糖をからめる。
苺ソースを作る。鍋の中で苺とてんさい糖を混ぜ、1時間以上置く。白砂糖やグラニュー糖でも代用できる。てんさい糖が溶け、苺から水分が出てきたらOK。一晩寝かせてもよい。
Step #2 中火~弱火で煮る。
中火にかけふつふつとしてきたら中火~弱火にし、10分ほど煮てレモン汁を加え、さらに1分ほど煮詰める。焦げないようにしつつ、色がにごるので混ぜすぎないように注意する。
Step #3 苺を攪拌する。
あら熱が取れたらミキサーやハンドブレンダーなどでなめらかにし、清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で冷やす。「攪拌する器具がなければそのままでも、フォークで潰しても」
Step #4 メレンゲを泡立てる。
ボウルに冷えた卵白を入れ、ハンドミキサーでふんわり泡立てたらグラニュー糖を3分の1量ずつ加え、都度泡立てる。レモン汁を入れ、ツノが立ちツヤが出るまで泡立てる。
Step #5 メレンゲを焼く。
天板にクッキングシートを敷き、メレンゲをスプーンで落とす(ふくらむので間隔をあける)。100度に予熱したオーブンで1時間半ほど焼き、庫内で完全に冷ます。
Step #6 ホイップクリームを作る。
生クリームにグラニュー糖を加えて、泡立て器で泡立てる。ヘラからぽてっと落ちてくるくらい、ゆるめにやわらかく。盛り付けるうちにちょうどいい固さに。「甘さは控えめ」
Step #7 盛り付けを楽しむ。
メレンゲ、ホイップクリーム、メレンゲと交互に置いて、スライスしておいた苺やラズベリーを飾り付け、苺ソースをかける。メレンゲやクリームは好みの量で調節してよい。
Step #8 花を散らして完成。
もしエディブルフラワーが手に入れば仕上げに飾ってみるとおもてなし感がアップ。百貨店の野菜・フルーツ売り場や大きめのスーパー、ネットショップでも手に入る。