向き合ってみた、妊活のこと。 婦人科医が教える、妊活のためにできる10のこと。

LEARN 2022.01.30

食事や運動など、忙しくなるとついつい自分のことを後回しにして日々を送る。さらにライフプランについては、「まだまだ先のこと」と思いがちだ。今年の4月、不妊治療の保険適用範囲が拡大され、出産に関する環境も変化している。未来の選択のために、一緒に「妊活」について向き合ってみませんか?今回のテーマは、『まずはカラダに「思いやり」を!!』妊活の方法やペースも人によってさまざま。まずは自分の健康が第一、 という意識のもとにできることから始めてみましょう。1月28日(金)発売 Hanako1205号「ときめく!スイーツ大賞」よりお届け。

1.自分のカラダのことを知る。

まずはカラダに「思いやり」を

女性のカラダはとてもデリケート。ストレスを抱えたり不規則な生活を続けると月経が乱れたり、PMS(月経前症候群)の原因にも。妊活のベースには健康的なカラダが必要不可欠なので、自分のカラダのサインを見逃さないようにしたいもの。「忙しいと不調を見落としがちだったり、これくらいなら大丈夫と我慢をしてしまう人が多いんです。日頃から自分のカラダと素直に向き合う習慣を身につけましょう」(松村先生)

2.子宮頸がんワクチンって?

まずはカラダに「思いやり」を

現在、子宮頸がんは年間に約1万人が罹患しているとされ、50歳未満の若い世代の患者数や死亡者数は増加傾向に。子宮頸がんの95%以上はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因といわれており、その予防策がHPVワクチン。強制ではないが、日本では小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象にワクチン接種を実施。20歳以上の女性には2年に1度の頻度で子宮頸がんの検査を受けることが推奨されている。

3.基礎体温を毎日測る。

つけて寝るだけで、就寝中に体内の高温期と低温期のリズムを自動計測する、ヘルスケアデバイス&アプリを活用しても。「わたしの温度」(https://watashino-ondo.toppan-f.co.jp/)
つけて寝るだけで、就寝中に体内の高温期と低温期のリズムを自動計測する、ヘルスケアデバイス&アプリを活用しても。「わたしの温度」(https://watashino-ondo.toppan-f.co.jp/)

「今も昔も変わらず、基礎体温をつけることが大切。妊活のすべてはそこから始まると言っても過言ではありません」と松村先生。生理周期が一定で排卵が正常な場合は、生理開始から14日ほど低温期が続き、排卵後に0.3℃ほど体温が上がる。できたら毎日の体温のグラフ化を。基礎体温は、同じ時間帯(朝、起き上がる前)に測るのがポイント。通常の体温計ではなく小数点以下2桁まで測れる婦人体温計を使用して。

4.BMI値は21~24を目安に。

まずはカラダに「思いやり」を

無理なダイエットや乱れた食生活は排卵トラブルの原因にも。授かりやすいカラダを目指すときは、痩せすぎにも太りすぎにも気をつけたい。目安となるのは、体格を全世界共通の指数であらわしたBMI。体重÷身長÷身長で算出できるので、21~24の標準値のキープを。「食事はたんぱく質や野菜をバランスよく取り入れて。活動量にもよりますが、摂取カロリーは大体1日2,000kcalくらいが目安です」(松村先生)

5.ちょこちょこ運動がおすすめ。

まずはカラダに「思いやり」を

ハードな運動をするよりも、定期的にこまめにカラダを動かすことが妊活には有効。たとえば、一駅ぶん歩いたり、エスカレーターではなく階段を使うという“ちょこちょこ運動”を日常に取り入れて。カラダを動かすことで血流がよくなり、体温が上がるというメリットも。「普段、運動をしない人がジムに通うのは大変ですが、まず1週間で150分、カラダを動かすことを意識。自分にとって負担のない方法を選びましょう」(松村先生)

6.温活は妊活の近道です。

冷えは万病のもとというけれど、逆にカラダを温めることは、代謝を高め、免疫力の向上にもつながるので、妊活時でなくても“温活”を意識したいもの。夏場でもクーラーが効いた場所ではカーディガンを羽織り、オーガニックコットン素材の靴下をはくなど、できるだけカラダを冷やさない工夫を。冷たい飲み物よりホットティーや白湯を飲むとカラダの内側がしっかり温まり、巡りのいいカラダに近づくことができる。また、お気に入りの入浴剤を入れて、ゆっくりとリラックスしながら湯船につかるのもおすすめ。炭酸入浴剤は血行促進にも。手触りのいいストールを常備するなど、メンタルの面でもほっこりと温まるような生活習慣を取り入れると気持ちも上向きに。

7.たんぱく質で体力アップ。

忙しいときは無理に自炊をせず、コンビニに頼る日があっても。サラダチキンやゆで卵など、たんぱく質が多く摂れるヘルシーなものを選びたい。
忙しいときは無理に自炊をせず、コンビニに頼る日があっても。サラダチキンやゆで卵など、たんぱく質が多く摂れるヘルシーなものを選びたい。

最強の妊活食材といわれる魚をはじめ、良質なたんぱく質は月経周期や排卵の乱れのサポートも。肉や卵も野菜と一緒にバランスよく食生活に取り入れよう。「妊活は体力も気力も必要なので、食事の栄養バランスはしっかりと。自炊が理想ではありますが、コンビニでもサラダチキンやゆで卵が売っているので、上手に活用するのもいいです。栄養が偏らないように、無理のない範囲で工夫をしましょう」(松村先生)

8.アルコールは適量をたまに。

まずはカラダに「思いやり」を

妊活中のアルコールは適量をたまに、が理想的。ビールやサワーなどはカラダを冷やす原因にもなるので、妊娠を望むタイミングであれば飲む頻度を減らそう。ちなみにアルコールの適量は女性だと20g以下。ビールはロング缶1本、ワインならグラス1.5~2杯弱、日本酒は1合が目安。空腹で飲まない、食事と一緒に楽しむなど適正飲酒を心がけて。我慢のしすぎはかえってストレスになるので、たまの気分転換には前記を参考に。

9.ビタミンも忘れずに。

まずはカラダに「思いやり」を

妊娠中は、赤ちゃんに器官形成異常などが起こる可能性が高いビタミンAを含む食材の過剰摂取は避けたほうがいいといわれるが、同時に摂取することでカルシウムの吸収を促すビタミンDや、赤ちゃんの神経細胞形成に必要なビタミンB1は積極的に摂りたい栄養素。ビタミンDのほか、食物繊維や鉄分、亜鉛も豊富に含まれるキノコ類は妊活中にも妊娠初期にもおすすめ。鍋料理に取り入れればカラダを温めながら栄養もとれる。

10.葉酸はサプリで摂取を。

まずはカラダに「思いやり」を

妊活中から取り入れたいのが、赤ちゃんの脳や神経の発達に欠かせない葉酸。葉酸が不足すると排卵障害を引き起こす可能性も。食事だけで必要量を摂取することが難しいため、サプリメントで補うのがおすすめ。妊活中から取り入れたいのが、赤ちゃんの脳や神経の発達に欠かせない葉酸。葉酸が不足すると排卵障害を引き起こす可能性も。食事だけで必要量を摂取することが難しいため、サプリメントで補うのがおすすめ。

左・妊活・妊娠中に必要なビタミン・ミネラルをバランスよく配合した葉酸マルチサプリメント。「エレビット」30日分4,500円(バイエル薬品)

中・葉酸、カリウム、鉄などが含まれたなつめを取り入れやすいように、カリッとした食感に。「なつめスナック」20g680円(ニホンドウ漢方ブティック)

右・女性の健康づくりに役立つ葉酸にビタミンB6、B12を配合した「ディアナチュラ葉酸」。1日1粒が目安。60粒入り583円(希望小売価格)(アサヒグループ食品)

■バイエル薬品:https://www.elevit.jp/
■ニホンドウ漢方ブティック:https://www.nihondo-shop.com/
■アサヒグループ食品:https://www.dear-natura.com/

Navigator…松村圭子(まつむら•けいこ)

松村圭子(まつむら•けいこ)先生

婦人科医。東京・世田谷区〈成城松村クリニック〉院長。『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』など、著書や監修本も多数。
■東京都世田谷区砧8-23-3
■03-5727-0878

https://www.seijo-keikoclub.com/

(Hanako1205号掲載/photo : Kenya Abe, Yoshiko Watanabe illustration : Yu Tokumaru text : Keiko Kodera)

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