私達を勇気づけたあの人に「おかげさまで」を伝えたい。 年齢を重ねることが楽しみに!『ジェーン・スーと堀井美香の 「OVER THE SUN」』へ。【Hanako Empower Award】

LEARN 2021.11.05

コロナ禍で友達にも会えず、おいしいものも食べていない。それでも止まらない仕事や家事、体調の変化……。それでもふと顔をあげれば、耳を澄ませば、本を開けば、私たちに勇気をくれるものがたくさんありました。「姿を見ていると元気が出る!」「この作品を毎週楽しみに生きてきた」という人や作品を、Hanako編集部が「おかげさまで! ありがとう!」と勝手に表彰する“Hanako Empower Award”、開幕です。10月28日(木)発売 Hanako1202号「気持ちいい生活の選びかた。」よりお届け。

『ジェーン・スーと堀井美香の 「OVER THE SUN」』へ「年齢を重ねることが楽しみになりました。」

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2020年10月に配信開始してから1周年。読者のメッセージと二人のやりとりは「ご自愛ください」と互いをねぎらい、何事も否定しない。たわいもないおしゃべりに助けられる、まさに“互助会”のような番組の存在に感謝!

リスナーを交えた無駄話に、加齢って悪くないと思える。

二人の会話は歳を重ねていくことを卑下もせず美化もせず正面から認める。衰えも頑張ってきた証として受け止め、時には“認めたくない”自分の気持ちも言葉にして笑い飛ばす。今や二人と同年代の女性はもちろん、老若男女から愛聴される押しも押されもせぬ人気番組となった。

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―1周年おめでとうございます!番組をやっていて良かったなと思うことからお聞かせいただけますか。

ジェーン・スーさん(以下、スー):堀井さんと一緒にやっていた『ジェーン・スー生活は踊る』の金曜日放送が終了してから、一緒におしゃべりする時間がなくなってしまったので、毎週会って話ができるのがうれしいですね。私自身がこの収録時間に助けられています。

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堀井美香さん(以下、堀井):意外な人たちがたくさん聴いてくださっていて驚きますね。20代のADさんから60代の報道畑の先輩まで、「聴いていますよ」と社内でも声をかけられるようになりました。みなさん何かを学ぼうとしているわけではもちろんなくて、「この年代の女性ってこんな話をしているんだ」と、自分が聞いたことのない会話を面白がってくださっているようです。

スー:それには“おばさん”の価値がもともと低く見積もられていた、という事実も隠れていると思うんですけど、だからこそ一部の変わった人に「意外と面白いじゃん」と思ってもらえたのかもしれないですね。

「言わずに我慢してきた話を共有してくれてうれしいよね」
「言わずに我慢してきた話を共有してくれてうれしいよね」

―「“おばさん”という言葉を、自分たちのものとして取り返す」とスーさんが番組でおっしゃっていた言葉に勇気づけられました。

スー:“加齢=恐怖”という刷り込みがあったけれど、私たちが「実際に自分がおばさんになってみたら、そんなに悪くなかったよ」と話をすることで恐怖が和らぐのであればそれは本当にうれしい。生まれた性別にかかわらず、堂々と歳を取れる世の中になればいいなと思いますしね。“加齢した女性の地位の回復”っていうと大袈裟だけど、馬鹿話を続けて結果、そうなったら最高ですよね。そんな楽なレボリューションがあるか、って話だけれど(笑)。

堀井:みなさんが送ってくれるメッセージが本当に面白いですよね。番組を通して視聴者同士の交流が生まれたり……、いつか実際に集まりたいとずっと思っているんですよ。

スー:街場の人たちが一番面白いと証明できて良かったよね。みなさん私たちに何かしてほしいというわけではなく「誰かに言いたかった、聞いてくれてありがとう」という言葉をたくさんいただいています。

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―どんな話も決して否定しないお二人ですが、始める時にそれをルールとして決めたのでしょうか。

堀井:決めたかしら……。

スー:決めていたとしても、もう忘れていますね(笑)。そもそも、アラフィフの私たちは“否定する”フェーズを終えているのだと思います。

堀井:若い時は自分と暮らし方も生き方も違う人と交わることがないと思ってしまったりするけれど、この歳になると、全く違う生き方をしている人とも友達になれる。共通の悩みが生まれるのもまた、加齢のいいところかもしれないですね。

スー:そうそう、だいたいのことは「わかる〜」ってなりますね。友達と集まればテーマも決めずに無駄話するのが当たり前だったけれど、コロナ禍で一度それが叶わなくなってしまった。だからこの番組で、リスナーのみなさんとも一緒にそんな時間を作れたのが良かったです。

【私が勇気づけられたもの】

Su’s Choice/私の“推し”

番組内でも度々登場する「推し」は、その正体こそ公表されていないものの、スーさんの心の支え。「崇め奉っている“推し”が見つかっていなかったら、今頃命絶えていたと思います。『こんなに楽しいことが世の中にあったのか』と思うほど、“推し活”は精神の滋養があり、支柱ですね」

Mika’s Choice/クラシック音楽

クラシック音楽を好む堀井さんは、自身も長年ピアノを習っている。コンサートにも一人で足を運び、美しい音楽に心癒されていたそうだ。「状況が良くなったら、『OVER THE SUN 堀井美香ピアノリサイタル』をやりたいですね。自分で司会をして、自分でピアノを弾きます(笑)」

【Information】『ジェーン・スーと 堀井美香の 「OVER THE SUN」』

毎週金曜日17時に配信されるポッドキャスト番組。ジャパンポッドキャストアワード2020で「ベストパーソナリティ賞」「リスナーズチョイス」をダブル受賞。

Profile

◆ジェーン・スー/コラムニスト、作詞家。東京都生まれ。TBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』パーソナリティ。近著に、テレビ東京系列でドラマ化されたエッセイの文庫版『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮文庫)や、『私がオバさんになったよ』(幻冬舎文庫)など。

◆堀井美香/(ほりい・みか)TBSアナウンサー。秋田県生まれ。著作に『音読教室 現役アナウンサーが教える教科書を読んで言葉を楽しむテクニック』(カンゼン)。『考えすぎちゃんON TV~ワンクールだけの大冒険~』(テレビ東京)ではナレーションを担当し、話題となった。

(Hanako1202号掲載/photo : Naoto Ohkawa, Satoko Imazu hair & make : Satomi Horie illustration : Masami Ushikubotext : Kimiko Yamada , Rio Hirai, Makoto Tozuka, Momoka Oba, Ayako Nozawa edit : Rio Hirai (FIUME Inc.))

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