〈ハナコラボ×KAI〉本当に欲しい刃物開発プロジェクト#5 再びメンバー大集合。現物の3D見本を参考に 最終ブラッシュアップ
ハナコラボと貝印のメンバーによる刃物プロジェクトも今回で最終回。
これまで得たヒントをもとに、“これぞ!”という一本へ。
料理、ブランディング、デザインのプロたちからヒントをもらい、欲しい刃物の方向性が決定。〝繊細な食材が切れる使い勝手のいいキッチンバサミ〞をキーワードに、貝印デザイン部の大塚さんが試作品を4パターン作成。メンバーにお披露目!
プチトマトはもちろん お肉まで切れたら最高
大塚:今日は3Dプリンターで作った試作品をみなさんにお見せしますね。4案ありますが、大きく違うところはハンドルのデザイン。すべてに共通しているのは、素材がオールステンレスになる予定だということ。また、サイズは通常のキッチンバサミよりも小さく、刃渡りも短めです。あとは洗いやすさを考えて、分解式にしています。
光永:わぁ、どれも素敵ですね!
細川:小さくて刃渡りも短めだと、どんなメリットがあるのでしょう?
大塚:崩れやすい小さな食材を切るなど、細かい作業がしやすいんです。料理の仕上げに使う食材、たとえばプチトマトやハーブなどが切れるとうれしい、という希望があったので。あとは、あまり収納場所を取らない、という利点もあります。
光永:うーん、迷いますが、第一印象ではB-3が気になりました。親指側のハンドルが小さいので、指にフィットしそう。それに分解して洗った時も、左右非対称だから迷わず一発ではめられる気がします。
藤野:確かに、はめる時に左右がわからなくなるのはストレスですよね。その意見は目から鱗です。
木皿:左右非対称のデザインではなかったとしても、左右をわかりやすくするために、何かマークをつけておくのもいいかもしれませんね。それが貝印とハナコのコラボアイテムだとわかるようなロゴだったら、より特別感が出ると思います。
細川:私はAがいいなって思いました。ハンドルの丸い形がかわいい。
大塚:Aのハンドルは、日本古来のハサミをモチーフにしているんです。
細川:そう聞くと、ますます魅力的。
東:私もAかな。でも、B-1とB-2も迷います。2つは少し似ていますが、大きな違いはどこですか?
大塚:B-1は昔ながらの洋バサミに近い形ですが、使っている時に小指を挟まないように、左右のハンドルの間隔を少し広めに取りました。B-2は、ハンドルの幅が少し短いタイプ。刃先からハンドルまでがのびやかで、作業姿がきれいに見えます。
東:B-2のコンセプト、素敵です。
大塚:サイズ感も2パターン用意しました。手のひらくらいのフルサイズと、それより小さめがありますが、いかがでしょう?
細川:ハサミ自体は小さいほうが場所を取らないし小回りも利いていいと思うんですが、刃渡りは長くしてほしい。ほうれん草とか嵩のあるものを切る時に、刃が広がって、押さえながら切れることが大事なので。
光永:私も刃渡りは長いほうがいい。
大塚:ちなみに、どんなものまで切れるといいですか?現状、プチトマトやハーブ、キュウリなどは問題なく切れる構造ですが。
東:私はまな板が汚れなくて済むように、鶏肉が切れたらうれしいです。
細川:私も。鶏肉についている皮がズレずに切れたら最高!
置台もセットにして 至れり尽くせり。
大塚:承知しました(笑)。ちなみに、ラバー製の小さな置台も作ってみました。この上に平置きして刃先を浮かせれば、作業中も清潔です。
細川:これ、欲しい!
東:私も。料理中、こういうのが欲しいなって思っていたんです。欲を言うと、マグネット式になっていたら安定して置けるからよりいいかも。
立田:マグネットになっていたら包丁にもつけられるので、ハサミ以外にも使えて便利そうですね。
細川:私は、キッチンバサミをツールスタンドに立てると刃先が傷みそうで、少し抵抗があったんです。だから置台ごとマグネットで冷蔵庫につけられたら、刃先を傷めることなく、収納場所も取らないので一石二鳥かなって思います。
大塚:みなさん、貴重なご意見ありがとうございます。半年後くらいに、今日の内容をもとにしたベストな一本が発表できるかと。
木皿:その結果はハナコ本誌やウェブ、SNSなどでお知らせします。クラウドファンディングにかけて、達成したら商品化しますので、楽しみにしていてくださいね!
刃物作りからその歴史が始まり、今年で創業112年という老舗メーカーキッチンツールも多数作っていて、大ヒット商品「SELECT100 T型ピーラー」など、機能的にもデザイン的にも優れた商品や、「トング付きキッチンハサミ」といったアイデア商品など、幅広く展開。
また、クラウドファンディングで商品化した「サカナイフ」の開発・製造にも協力した。
問い合わせ先/貝印 お客様相談室:0120-016-410