本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 【京都】浄土宗の総本山〈知恩院〉を参拝。方丈庭園の美しい景色に心打たれる!

LEARN 2021.03.06

モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。第68回目は京都市東山区を街詣で。前々回訪れた〈清水寺〉から歩くこと30分。浄土宗の総本山である〈知恩院(ちおんいん)〉にお邪魔して参りました!総本山とは一つの宗派を統括する、いわば大元のお寺。連載で総本山を訪れるのは初めて。それでは早速!詣でましょ〜う!

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東大路通に面した総門をくぐり、ゆるい坂道を上った先には国宝である威風堂々の三門が見えてまいります。なんと現存する日本寺院の三門の中で最大の二階二重門なのだとか。そのため日本三大門の一つに数えられることもあるそうですよ〜!

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京都の人々からは“ちよいんさん”と親しみを込めて呼ばれている〈知恩院〉。浄土宗の宗祖である法然上人が後半生を過ごし、没されたゆかりの地に建てられました。浄土宗徒であった徳川家康が寺地を拡大し、1633年に火災にあいますが、〈清水寺〉の再建も行った徳川家光のもと直ちに再建がすすめられます。

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国宝の本堂(御影堂)には法然上人が祀られており、お堂の中からは絶えず住職さんがお経を読まれる声が聞こえていました。また、お堂の瓦屋根の中央には積みかけの2枚の瓦が。意味は「満つれば欠くる世の習い」ーこの世は全て無常であり、完成すればあとは崩れていくばかりーお堂はまだ未完成であることを示すために、あえてこのようにされているのだとか。

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〈知恩院〉の境内は上段、中段、下段に分かれており、上段が開創当初の寺域になっています。そこには〈知恩院〉最古の建築物で、法然上人が最期の時を過ごされた勢至堂が。静寂に包まれた穏やかな時間が流れています。

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〈知恩院〉境内の中でもっとも高い位置に建っている御廟には法然上人のご遺骨がご奉安されています。また写真に写すことはできなかったのですが、平成の大修理の際に欄間などの彩色の復元や金箔押しが施され、表情豊かな龍や可愛らしい麒麟が華麗にお堂を彩っていました。そして一帯に漂う空気感からこのお堂が非常に大切にされていることが伝わってきます。

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勢至堂のさらに奥に進み墓地を抜けた所には千姫の墓と濡髪大明神が。ここにはとあるお話が伝わっています。〈知恩院〉の僧であった霊巌上人の枕元にすすり泣く童子が現れました。童子は御影堂の地に昔から住んでいた白狐で、御影堂が建設されたため住む所をなくしてしまいました。哀れに思った霊巌上人が寝ぐらを作ってやり、のちに濡髪童子と名付け、祠にお祀りしたのだそう。童子はお礼に〈知恩院〉を火災から守ることを誓ったそうです。濡髪で枕元で泣かれるのは勘弁して欲しいですが、なんともいいお話ですね〜。

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京都市指定名勝である方丈庭園にもお邪魔して参りました。ちょうど黄昏時に庭園を歩いていたのですが、言葉で言い表すのが野暮なほどの美しさ。池の水面はグラデーションに煌めき、木々の呼吸が聞こえてきそうなほどに緑が生き生きしているんです。みなさまも是非、〈知恩院〉へ訪ねられる際は方丈庭園にも足を運んでみてくださいね♪

境内にはご紹介できなかった箇所も多々ありますが、さすが浄土宗の総本山といたく感動いたしました。とんでもなく広い境内を隅々まで散策させていただいたのですが、疲れるどころか、逆に本当にたくさんの元気をいただきました。〈知恩院〉には“忘れ傘”などの七不思議も伝わっており、そういった視点で参拝されてみても楽しみが増しますよ〜!それでは皆様も良い参拝を〜!

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