本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 東京都内にパワースポットが!芝公園〈大本山 増上寺〉で、徳川家の奥深い歴史を学ぶ。
モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。第44回目は芝公園を街詣で。〈神田明神〉→〈日枝神社〉→〈浅草寺〉と詣でたら、行くっきゃないでしょ!ということで、東京での〈江戸城〉の鬼門封じをしている、残り二つのうちの一つである〈増上寺〉に参りました!それでは早速!詣でましょ〜う!
芝公園駅を降りて〈増上寺〉へ向かっていると、なにやら立派な門と仁王像が睨みを効かせていました。なんと、こちらの旧台徳院霊廟惣門とその建物群は戦火で消失する前までは、当時の基準の国宝に指定されていたのだそう。戦火を免れた貴重な建築物なんですね〜!
旧台徳院霊廟惣門から歩くことほんの数分、着きました!浄土宗〈大本山 増上寺〉!こちらは東日本最大級を誇る三解脱門。その大きさたるや!三つの煩悩である「むさぼり、いかり、おろかさ」を解脱する門なのだそう。椎名林檎さんのアルバムのテーマでもありましたよね!『三毒史』!
そして、この山門から見える大殿本堂の威風堂々とした美しいお姿!〈増上寺〉は徳川将軍家墓所もあり、徳川将軍家の菩提寺でもあるんですよ〜。いたるところに徳川家の家紋を見つけました。
珍しいお名前の観音さまがいらっしゃいました。毎年8月3日を「ハサミの日」と定め、つとめを果たし終えたハサミを塚に収め供養をされているのだそう。ハサミに感謝し、技術向上を祈願される学生さんなど、ハサミに関わりのある全ての方々を見守られておられるんですね〜。
〈増上寺〉といえば、なんといっても大殿本堂の向こうにそびえ建つ〈東京タワー〉との時代のコントラスト。「勝運」「仕事運」を祈って参拝される方が多いそう。圧巻の景色です。
大殿の中に入ると、正面にはご本尊の阿弥陀如来が鎮座されています。徳川家康によって〈黒本尊〉と名付けられました。その由来は、人々の悪事災難を一心に受止めたことにより御躰が黒くなったことだと言われています。なんと慈悲深い…。
本堂左手には、浄土宗を開かれた〈法然上人〉がおられます。日本においての称名念仏の元祖であり、「南無阿弥陀仏」と唱えれば、学問・財力関係なく全ての人が、死後は平等に往生できるという教えを説かれました。
「増上寺宝物展示室」では、戦火で焼失した〈台徳院霊廟〉の10分の1スケールの模型が展示されています。なんと、あの〈日光東照宮〉のプロトタイプになった霊廟なんですって!1910年にロンドンで開催された「日英博覧会」のにちに英国王室に寄贈され、ロイヤルコレクションの一つとなった模型が約100年ぶりに里帰りして展示されています。絢爛豪華な装飾や、当時の一流の職人によって作られた技の数々は一見の価値がありますよ〜!
徳川将軍家墓所へゆっくり詣らせていただいたのち、せっかくならと〈東京タワー〉までお散歩してみました。〈スカイツリー〉も好きですが、〈東京タワー〉のこの無骨さが可愛らしくて好きなんですよね〜。
〈江戸城〉の裏鬼門を守る〈増上寺〉。威風堂々とした佇まいに圧倒されつつも、慈悲深く雄大に江戸の世を見守られていたのだなぁ〜と、その懐の深さを感じました。非常に晴々とした気持ちになり、いい一日を過ごさせていただきました!それでは皆様も良いお参りを〜!
【順子の一言コメント】
本堂の裏手には皇女和宮ゆかりの茶室があり、いつか抹茶を一服してみたいものです♪