言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第18回~
ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。2020年最初となる今回は、年明け早々の衝撃的出会いについて。
「かわいいの向こう側」
新年早々「パンドラの箱」を開けてしまった、気がしている。
昨年もこのコラムで書いたように、私はとにかくアイドルが好きで、暇さえあればかわい子ちゃんたちの動画を見ているような人間だ。ステージで踊って歌っている彼女たちを見ると、何もかも吹っ飛んでいくから。嫌なこととか、気にしてることとか。私にとって無くてはならないライフワークでもある。2012年に、ももクロちゃんに出会ったことから始まり、坂道グループ、K-POPまでかわい子ちゃんたち何でもござれ、の俗に言う「DD」(誰でも大好き)。大変ありがたいことに仕事でお会いできる機会もあるし、色んなグループのコンサートにも行かせていただいた。
そんな私が「いや、あそこに行くのはまだ早い」「覗いてみたいが、私ごときが足を踏み入れていいのだろうか」と思っていた聖域がある。それが皆さまご存じ、ハロープロジェクト、略してハロプロ。代表的なグループといえば「モーニング娘。」さん。そう、あの軍団です。今もJ-POP界に脈々と受け継がれるグループアイドル文化の先駆けではないでしょうか(ビギナーなので詳しいことは各自調べてください)。私の肌感覚で言うと、ハロプロは歴史ある老舗、そして名門で、ファンの皆さんも熱くて何年もずっとそのグループを愛して、その変遷とともに人生歩んでいるみたいな、とにかく、ちょっとやそっとじゃ揺るがない帝国みたいなイメージなんです。あくまで個人の想像だけれども、5年以上ファンでないとファンと名乗ってはいけないくらいの、神聖さ。けれども、そんなハロプロさんの毎年恒例の正月コンに年が明けて早々の1月2日、私は足を踏み入れてしまったのだ…。
どうしてもコンサートに行ってみたい、と思ったのは、ある曲との偶然の出会いがきっかけだった。いつものようにコンビニでお茶を選んでいた時、私の耳に飛び込んできた驚くほど澄んだ声とめちゃくちゃ刺さる歌詞。え?なにこの曲?ボーカル誰?と思いながら、いつもならすぐレジに行くところ足を止め、聞こえてきた歌詞を検索エンジンに打ち込んだ。調べるとすぐにヒットしたのが、「Juice=Juice」というハロプロのグループで、『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』という曲だった。今すぐにでもこれを読んでいる皆さんにYouTubeの公式チャンネルで聴いてほしいのだけれど、これがめちゃくちゃ素晴らしい曲で。歌詞もさることながら、歌声に私は完全にやられてしまった。そこからの行動は早かった。とにかくこの曲を聴きまくり、もちろんそのあとほかの曲も聴いて、これは生で聴くよりほかない、とハロプロ好きの友達にコンサートに連れて行ってもらえるよう頼む。そして、ハロプロ正月コンのチケットを手に入れたのだ!ありがとう、友達!
そんなこんなで初めてハロプロさんのコンサートに参戦させてもらったわけだが、期待以上だった。というか、とにかく、どのグループのどの子も、一人残らず歌が上手すぎてたまげた(正月コンには、モーニング娘。,20、アンジュルム、Juice=Juice、こぶしファクトリー、つばきファクトリー、BEYOOOOONDS、ハロプロ研修生の皆さんが出ました)。みんなメインボーカルなのか?と思うくらい、上手い。歌の上手さにも色々あると思うけど、音程が取れて正確に歌えるなんて次元ではなくて、ハロプロの皆さんはとにかく表現力が凄まじい。読者の皆さんも絶対に聞き覚えのあるハロプロの特徴的なアクセント気味な歌い方とか、しゃくりあげる歌い方とか、艶のある歌い方とか。あと、根本的に声が皆さん綺麗。歌だけでもびっくりなのに、ダンスもバキバキに踊ってくるんです…。もうプロ集団過ぎて、開いた口がふさがらないというか。歌って踊る魅せるショーとしての完成度が高過ぎて、帰りしなに全員にお年玉あげたくなりましたよ。高校生はもちろん、研修生に至っては中学生もいるんですよ…。もう新年早々、これじゃいかんなと思いました。あんなに頑張っている皆さんがいるんだから、もっと私も努力しないとって。尊敬です。「かわいいの向こう側」を見せていただきました。
私が体験したあの2時間あまりはほんの序の口で、それをもってこうして語るのはおこがましい限り。けれども、沼にハマる、まさにそんな体験をしてしまった2020年の幕開けだった。とりあえず全グループの楽曲をダウンロードしようと思ったけど、サブスクになくて残念過ぎます。