お店の佇まいがレトロ。 昔懐かしいパン、あります。地元民に長年愛される老舗ベーカリー3選!
都内には数々のベーカリーが軒を連ねています。新しくできたベーカリーもいいけれど、週末は懐かしいパンたちに出会いに行きませんか?どこかホッとする味に満足すること間違いなし。
1.〈ケーキショップ テラサワ〉/浅草
浅草の裏通りにあるテラサワ。尻尾までクリームの入ったチョココロネが有名な店だが、私のお気に入りはミルクパン。
クッキーだが名前は「ミルクパン」。しっとりした生地と甘酸っぱいあんずジャムは、昭和25年の創業当時から変わらぬ味。各130円。
写真を見てびっくりしないでほしい。パンでもないし、ミルククリームでもない。クッキーにあんずジャムがのっている。甘酸っぱさが、ミルク風味のクッキーのおいしさを引き出す。かわいい見た目も私を夢中にさせている。
店主の寺澤長晴さん(写真右)いわく「安心して食べられるものにしたいから、ショートニングは一切使わずバターのみで作っています」。結婚前に、妻・実栄子さん(写真左)へコロネをプレゼントしたというチャーミングな一面も。
サンドイッチやコッペパンサンドのマヨネーズは自家製で、亜麻仁オイルと米油だけで作るというこだわり。
(Hanako1128号掲載/photo:Yoichi Nagano text:Hiroaki Ikeda(essay), Kaori Hareyama)
2.〈しみずやパン店〉/西荻窪
創業48年の老舗。対面式のショーケースがあるのみ。地元の喫茶店が40年以上贔屓にするなど、味に定評がある。
パンが好きで職人を目指したという店主の金原勇三郎さん。妻の幸子さんが亡くなって一時閉店した際には、住民が店先に寄せ書きをして復活を応援するほど愛されている。
コッペパンを1日に何度も焼いては、その都度冷ましてサンドする。タマゴサンドが一番人気。ポテトサラダやカツ、焼きそばサンドも。すべての商品がそろうのは13時くらい 。
(Hanako1128号P42,43掲載/photo:Yoichi Nagano text:Hiroaki Ikeda(essay), Kaori Hareyama)
3.〈ウチキパン〉/横浜
元町を代表する老舗のパン屋。総菜パンやあんパン、食パンと、店頭に並ぶパンはどこか懐かしく心和むものばかり。日本における食パンの元祖といわれているのが、イギリスパンの「イングランド」。
秘伝のホップ種を酵母に使用し、じっくり低温発酵することできめ細かくもっちりとした仕上がりに。トーストするとさくっとした食感が際立ち、その素朴な風味はどんな料理も邪魔することなく引き立てる。130年続く伝統の味、ぜひ一度お試しあれ。
ぷりぷりのえびカツに自家製タルタルを添えて。
(Hanako1163号掲載/photo : Yuko Moriyama text : Etsuko Onodera)