広尾で長年愛されるサンドイッチの名店〈ホームワークス〉の人気サンド5選
グルメサンドイッチという言葉がまだなかった時代から老舗の味を守り続ける〈ホームワークス〉。お店の歴史と今も愛されるメニューを紹介します。
〈ホームワークス〉でグルメサンドの“元祖”を訪ねる
大正時代から続く銭湯と、かつては乳牛を飼育するファームがあったという広尾商店街。どこか牧歌的な雰囲気はそのままに、時代の流れとともに変化する街並みを静かに見守り続けてきたのが〈ホームワークス〉だ。周辺にさまざまなジャンルのレストランが集まる美食の街は、ご多分にもれず入れ替わりが激しいが、1985年の創業以来、変わらぬ人気を集めている。
成り立ちを調べていたら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の公開年とオープンした年が同じことが判明。道すがらデロリアンのようなクルマ(クルマのことはまったくわからないので悪しからず)が走行してくるのを横目で眺めながら店に向かうと、そこにいつもと変わらぬ風景があることに安心する。
言わずと知れた、日本で初めてのグルメハンバーガー&サンドイッチレストラン。アメリカに長く暮らした当時の女性オーナーが、ホームパーティで友人たちとキッチンで料理をしたりにぎやかに過ごしたように、アットホームな雰囲気の店をつくりたいと思い立ち、愛娘の「アメリカの本物のハンバーガーを食べたい」という願いに応えるために、ファストフードではなくゆっくりと食事を楽しむレストランを開いたのがはじまりだ。
だいぶ前に初めて店を訪れたとき、お客の半分以上が外国人だったことに驚いたが(なぜか全員、紳士淑女に見える不思議な現象)、異国でも本物の味を求める人にとって、変わらぬ〝手しごと〞は心の癒しなのだとしみじみ。メニューを眺めながら、まずは一番人気のクラブハウスサンドを注文。アメリカではメジャーなサンドイッチだが、ニューヨークの高級カジノで生まれた説や、ゴルフ好きが集まるクラブハウスが発祥という説も。勝手に後者だと思っていたが、トーストは三角形の〝屋根形〞にカットするのが決まりと聞き、やっぱりゴルフクラブ説が有力ではないかと考える。
話は逸れたが〈ホームワークス〉が素晴らしいのは、チェーン店のようにシステムがマニュアル化されているわけではないのに、いつでも味や雰囲気がブレないことだ。折り目正しく真っ当で心がほっとするような温かさがある。創業者が目指した〝Homey(家庭的)〞で〝Hearty(心のこもった)〞で、〝Healthy(健康的)〞なサンドイッチとハンバーガーのレストランには、いまもきちんとその思いが受け継がれているのだ。ふた皿目のハム&チーズを噛み締めると、なぜか頭のなかに、ザ・フォーエイセズの『Mr. Sandman』が流れた。
〈ホームワークス〉の人気メニュー
広尾の老舗グルメサンド店〈ホームワークス〉の人気メニューを紹介します。
1. クラブハウス
スライスターキーブレストとハム、ベーコンにフレッシュなトマトやシャキシャキ食感のレタスとオールスター勢揃いで、人気はつねにトップ。“まとめ役”のタルタルも上品。2,040円。
2. ハム& チーズ
王道にして永久定番。グリルハムとチーズ、レタス、トマトのシンプルさで世代を問わず人気。コクのあるチェダーチーズかクリーミーなグリュイエールのいずれかを選ぶことができる。1,440円。
3. ルーベン
胡椒をきかせたビーフパストラミと酸味がマイルドなザワークラウト、クセの少ないスイスチーズがたっぷりのサンドイッチ。見た目はボリューミーでも飽きのこない味でたちまち完食。2,040円。
4. ホットテリヤキチキン
自家製のテリヤキソースとタルタルの配合バランスも完璧。子どもでも食べられるスパイシーさがヤミツキに。味のパンチはあるけれどヘルシーなのもファンが多い理由。1,560円。
5. チキンサラダ
ビジュアルはサンドイッチというよりもトースト&サラダ。チキンブレストときゅうり、セロリでヘルシーながら食べごたえは十分。カレー粉とレーズンの合わせ技もクセになる。1,440円。
Homework's
住所:東京都渋谷区広尾5-1-20 七星舎ビル1F
TEL:03-3444-4560
営業時間:11:00~16:30LO(金土~19:30LO)
定休日:月休
席数:32席
広尾店と麻布十番店ではデリバリーも(配達エリアは要問い合わせ)。