軽やかで爽やかなレモンのパウンドケーキ|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」 FOOD 2023.03.16

焼き菓子屋〈カサネ〉のオーナー・矢野仁穂さんが、日曜日の朝に食べたい「朝おやつ」をお届けする短期連載。今回のテーマは、レモンのパウンドケーキです。

自分を探したいお年頃です

先日25歳になりまして、野村友里さんの『会いたくて、食べたくて 私が信頼する101の美味しさとその生産者たち』という本を自分へ贈りました。そこには野村さんの好きが真っ直ぐに置いてあって、好きに向き合う強さが眩しくて。

歳を重ねるたびに“これから”をたくさん考えるけれど、辿り着くのはいつも、もっと知りたいの一言。感覚とか思考とか、“知りたい”の対象は多分ずっと人間で、多分、私自身。
いつか私も好きなものをギュッと集めて届けられる場所を作れたらいいなぁなんて思っています。

25歳も素敵な出会いが溢れますように。もっと私を知れますように。そんな願いを込めて、最近で1番好きなものを作ります。

2月好日/晴れ「レモンのパウンドケーキ」

軽やかで爽やかなレモンのパウンドケーキ|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」

レモンのお菓子はキラキラの瀬戸内レモンに出会えるこの時期ならでは。作るたびに今年もレモンの季節がきたなぁとわくわくするお菓子です。
皮を削った瞬間にふわっと香るみずみずしい香り。これこれ〜!と思いながら、思いっきり吸い込んで、にやけるまでがセットです。
皆さんも作る際にはぜひ。一瞬で幸せが満ち溢れます。

軽やかで爽やかなレモンのパウンドケーキ|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」

■材料(6.5×14×4.5cm、1本分) 所要時間50分ほど
レモンの皮…半分
レモンの搾り汁…15g
バター…60g
薄力粉…50g
ベーキングパウダー…小さじ1/4
グラニュー糖…60g
卵…1個
アーモンドパウダー…10g

★アイシングの材料
粉糖…37.5g
グラニュー糖…37.5g
レモンの搾り汁…15g
牛乳…小さじ1/4

★準備物
ボウル2つ
パウンドケーキ型
オーブンシート

【1】まずは下準備。レモンの皮を削ります。よく洗ったレモンを、表面だけ丁寧に。白い部分が入ると苦味が強く出てしまうので、そこだけご注意を。皮を削ったレモンは、お皿に入れてラップをし、レンジで1分ほどチン!果実が柔らかくなったら、果汁を絞ります。

軽やかで爽やかなレモンのパウンドケーキ|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」

【2】ボールにバターを入れて、泡立て器でクリーム状になるまでよく混ぜます。少し固いなぁという時は、ラップをしてレンジで30秒ずつ温めてもOK!バターがよく混ざったところで、オーブンを170度に予熱開始です。

軽やかで爽やかなレモンのパウンドケーキ|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」

【3】バターがよく混ざったら、今日は先に粉物をイン。薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、そのまま泡立て器でぐるぐる混ぜていきます。

【4】別のボウルに、グラニュー糖とレモンの皮、レモンの果汁、卵を入れてよく混ぜます。ドロッと全体が混ざればOK。いい香りに癒されながら、のんびりいきましょう。
【5】3に4を少しずつ入れて、その都度泡立て器でよく混ぜます。

軽やかで爽やかなレモンのパウンドケーキ|矢野仁穂の「日曜日の朝おやつ」

【6】ここでやっとアーモンドパウダーの登場です。ゴムベラに持ち替えて、全体をさっくりと混ぜてください。

【7】型に流し込んだら、予熱済みのオーブンで170度、15分。オーブンに入れる前に、10cmくらいの高さからトントンと落として空気を抜いてあげると、気泡が潰れていい感じに焼けます。

【8】表面が固まってきたら、1度取り出して中央に切り込みを。こうすることで、いい感じに真ん中が割れた焼き上がりになるんです。
【9】再度170度のオーブンで15分。竹串を中央に刺してみて、生地がついてこなければ大成功!追加で焼く際は、焦げないようアルミホイルを被せるのもおすすめです。

【10】最後の仕上げは、アイシング。材料を全て混ぜて、温かいうちにケーキにON。表面が乾いたら完成です。

いざ、朝おやつ!

今月の朝おやつ、いかがでしたでしょうか。生地にもアイシングにもレモンがたっぷり!作り終わるとなんだか少し爽やかな気分になれる、晴れた日曜日にドンピシャの朝おやつです。
ポイントはアイシング。グラニュー糖のジャリジャリ感が大好きなんです。お砂糖をそのまま食べているような、ちょっと悪いことをしている感じがたまらない!
心も体もかる〜くなってきたので、この調子でお部屋を片付けます。

好きなものをたくさん見つけて持って帰れるように、たまには整理整頓、断捨離。皆様も、軽やかな日曜日を!

今月のプチアレンジ…?

今月のプチアレンジ…ではなく、こだわりを少し。
今回のレシピは、先に小麦粉とバターを混ぜる「フラワーバッター法」というものをベースにしています。なんとなく生地のまとまりが安定していて、朝にささっと作るにはこれかなぁと思って。他にもバターとグラニュー糖を先に混ぜる「シュガーバッター法」もあって、同じ分量でも膨らみ方とか目の荒さとかしっとりさとかこれまた変わるんです。
ほら、なんとなく、お菓子作り楽しそうな気がしてきませんか?改めて、奥が深いなぁとうずうず。この連載のおかげで、より焼き菓子の魅力に気がつけている気がします。うれしい!

photo:Wataru Kitao

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