カウンターが好き。第3話/西瓜糖 (新宿)
FOOD 2023.02.22
カウンターで飲んだりつまんだりするのが好きだ。一人で行くことが多い。黙って周りの話に耳を傾けるのもいいし、初めて会う人と話してみるのもいい。会社を少し早く出て、カウンターで一杯飲っていると、人生のエアポケットって感じでホッとしたり。建築家、漫画家の座二郎が訪れた店のスケッチとともに「カウンターのあるお店」をご紹介。
新宿ゴールデン街は小さなカウンターだけの店が多く、行くなら一人で、多くとも二人で訪れたいもの。一軒で長っ尻するより、はしごするのが常道だ。が、徘徊するうちにだんだん道に迷いやすくなるのがこの街。このBAR〈西瓜糖〉も何度も来ているはずなのに見あたらず、一本隣の通りだったということも。花園神社の不思議な力がお店の位置を毎朝入れ替えている気がする。
リチャード・ブローティガンの小説「西瓜糖の日々」からこの店の名前はとられている。確かにゴールデン街は作品の中に出てくる幻の集落のようだ。昨晩もこの店に行った。いつものように素敵な照明が灯っていて楽しくビールを二杯飲んだ……と思ったが、あれは何軒目?あるいは全ては幻だったのか。確かなのはそこで描いたこの絵だけだ。
【西瓜糖】
スタッフの親しみやすさからか、若いゲストも多い。
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-6 ゴールデン街五番街
電話:なし
営業時間:日により変動
定休日:不定休
Twitter:@bar_suikato