京都のごちそうをお取り寄せ。 待望のオンラインショップがオープン。京都〈御菓子丸〉が作る和菓子の魅力とは?

FOOD 2021.09.09

ひとくち食べれば、たちまち店の風情を思い出させる、おやつたち。和菓子のバリエーションも増えて、手土産にも使いたい充実ぶり。実はこの一年で老舗や人気店も含め選択肢がぐんと増え、魅力を増した京都のお取り寄せ。和洋そろったおやつから、食卓を豊かにする惣菜や麺、アクセントになる調味料までがそろいます。今回は昨年5月から待望のオンラインショップを始めた〈御菓子丸(おかしまる)〉をご紹介します。

和菓子の新たな扉を開く、刺激をもたらす食のアート。

新たな工房で菓子を作る杉山さん。
新たな工房で菓子を作る杉山さん。

新たな工房を上賀茂に構え、昨年5月から待望のオンラインショップを始めた杉山早陽子(すぎやまさよこ)さん。11月からは生菓子の発送にも挑戦してきた。「干菓子だけでは届けたいと思う味に限界があって。寒い季節の薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)から始めました」と振り返る。

その場でしかできない体験、できたての味わいを大切にする〈御菓子丸〉のお菓子は、これまで発送とは縁遠いものだった。けれど「送ることを前提にした制約、ひとつ加わった条件と向き合うのが面白くて」と杉山さん。折々の素材を使い、旬を切り取る形で作られる、新たな菓子たち。定期的に新作が登場するのは、食べ手にとってもうれしいかぎり。

左から、とうもろこしの皮に包まれた「甘露 玉蜀黍の水羊羹」「鉱物の実」「ほころび 振出」。
左から、とうもろこしの皮に包まれた「甘露 玉蜀黍の水羊羹」「鉱物の実」「ほころび 振出」。

夏の玉蜀黍(とうもろこし)の水羊羹は固そうに見えて、匙(さじ)で掬(すく)えばスープの一歩手前のような柔らかさ。エッジが効いた姿に反して瑞々しい。「ある種の裏切りを感じさせるような、はっと脳を刺激する非日常を届けられたら」。その言葉に期待せずにはいられない。

〈御菓子丸(おかしまる)〉の和菓子

1.輪形(わなり)玄米粉の薯蕷まんじゅう

唐の時代に伝わった菓子の形をモチーフにした薯蕷まんじゅう。ここに紹介する菓子はすべて、これまで通販で販売したもの。販売時期など詳細はHPで。

2.踏青(とうせい)浮島-蕗の薹(ふきのとう)と柑橘果皮の蜜漬

踏青とは古代中国の風習で春の野遊びのこと。小豆のこし餡で蒸し上げた浮島に蕗の薹と柑橘が。口の中から大地の景色が広がる。

3.冴ゆ 柚子の水羊羹

白小豆の餡と柚子で仕上げた冬の水羊羹。冴ゆとはあらゆるものに透き通ったような、凛とした冷たさを感じること。その冷たい空気を菓子に仕立てた。

4.葉まくら 麩の焼き 木ノ芽餡白味噌餡

木ノ芽の香りのする、ふわふわの麩の焼き。こんなまくらに顔を埋めたいと生まれたお菓子。中には山椒を練り込んだ白小豆の餡を。

〈御菓子丸(おかしまる)〉

自然や情景など記憶に残る一瞬を写した和菓子を作り出す〈御菓子丸〉。「甘露 玉蜀黍の水羊羹」4個2,800円は今年7月8月に販売された玉蜀黍の菓子。折々の柑橘類を使った琥珀糖「鉱物の実」6個1,080円、和三盆糖を使った胡麻風味の焼き菓子「ほころび 振出」15粒1,300円は通年の販売。すべて発送日限定。問い合わせはストア内のフォームへ。

https://okashimaru.stores.jp/

(Hanako1200号掲載/photo : Yoshiko Watanabe, Kunihiro Fukumori text : Mako Yamato)

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