麦からパンができるまでを、宮﨑駿が描く物語。 上映は世界でたった2か所のジブリ映画
宮﨑駿監督作品『パン種とタマゴ姫』

CULTURE 2023.10.05

〈三鷹の森ジブリ美術館〉と〈ジブリパーク〉限定で上映される『パン種とタマゴ姫』。宮﨑監督が主人公に選んだのは、私たちにとって身近な食材だった。

タマゴのお姫様がパン種を連れて逃げ出した!

東京〈三鷹の森ジブリ美術館〉、愛知〈ジブリパーク〉にて順次上映予定。『パン種とタマゴ姫』上映時間11分37秒。原作・脚本・監督は宮﨑駿、音楽は久石譲が手がける。
東京〈三鷹の森ジブリ美術館〉、愛知〈ジブリパーク〉にて順次上映予定。『パン種とタマゴ姫』上映時間11分37秒。原作・脚本・監督は宮﨑駿、音楽は久石譲が手がける。

おむすびころりんすっとんとん。ころころころげてあなの中…〞日本人にとってなじみのある「おむすびころりん」のように、パンを主食にする国々では、丸いおだんごパン、うすべったいパン、細長いかたちのパン…種類やかたちは違えど、パンが逃げ出す話が存在する。

宮﨑駿が原作、脚本、監督を務めた短編映画『パン種とタマゴ姫』も、パンたちの逃走劇だ。
 
ジブリ映画といえば、キャラクターたちがおいしそうに食べる〝ジブリ飯〞が魅力だが、本作の主人公は、命を宿したパンの生地と、割れないタマゴだ。「パンならコロコロところがって逃げるとして、パンになる前のパン種なら、ネバネバ、ぐにゃぐにゃ逃げ出すのかなぁ…、そんなことを考えているうちに、この映画を思いつきました」。そう宮﨑監督は映画のパンフレットで明かしている。2人は老婆バーバヤーガから逃げ出し、村人のうさぎたちがせっせと小麦を収穫する間を駆けぬける。ヨーロッパの田舎村を思わせる映画の舞台は、農民たちが麦を刈り取る様子を描いた画家ピーテル・ブリューゲルの『穀物の収穫』から着想を得ている。わずか11分37秒の作品だが、2万3千枚以上もの作画が描かれ、一定の形状を持たないパン種ならではの自由自在な動きをみせる。
 
いばらの森から畑へ、村へ。

2人はどこへ向かうのか。

物語のあらすじ

ジブリパークと三鷹の森ジブリ美術館で限定上映される宮崎駿監督の「パン種とタマゴ姫」のひとコマ。
ジブリパークと三鷹の森ジブリ美術館で限定上映される宮崎駿監督の「パン種とタマゴ姫」のひとコマ。

いばらの森の奥の水車小屋に暮らすタマゴ姫。老婆・バーバヤーガの下、重労働の日々をおくっていたが、ある夜、パン種をこねていると、パン種に生命が宿る。タマゴ姫とパン種は、バーバヤーガから逃げ出すことにしたが…。

三鷹の森ジブリ美術館

住所:東京都三鷹市下連雀1-1-83
TEL:0570-055777
営業時間:10:00~18:00
定休日:火休(HPにてチェック)
HP:https://www.ghibli-museum.jp/

『パン種とタマゴ姫』は映像展示室「土星座」で上映。上映期間は2023年11月18日~ 12月26日。チケットは日時指定予約制。

ジブリパーク( ジブリの大倉庫)

住所:愛知県長久手市茨ケ廻間乙1533-1愛・地球博記念公園内
TEL:0570-089-154(ジブリパーク営業時間内)
営業時間:10:00(土日祝9:00)~17:00 
定休日:火休
HP:https://ghibli-park.jp/
「映像展示室オリヲン座」で上映。上映期間は2023年10月1日~30日。チケットは日時指定予約制、映画鑑賞は「ジブリの大倉庫」のチケットを購入。  

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