もっと!京都 和と洋を感じられる、新しいカタチのカフェ〈TORIBA COFFEE KYOTO〉|モデル・本山順子
京都在住のハナコラボ パートナーが、現地に住んでいるからこそわかる、いま行くべき注目スポットを紹介。今回は、モデルの本山順子さんが、着物で訪れたい京都の美しいスポットをお届けします。
銀座から京都へお引越し!〈TORIBA COFFEE KYOTO〉
今回訪れたのは、私と同じく東京からのお引越し組、〈TORIBA COFFEE KYOTO〉さん!銀座から京都へやってくることを知り、オープン前から首をながーくして待っておりました。
素敵な佇まいでお出迎えのこちらは、2022年1月に惜しまれつつ閉店した和菓子の名店〈京華堂〉さんの店舗を活かしたつくり。いまでは京都でもなかなか見かけない黒や赤の筆で書かれた張り紙も雰囲気にとても合っていてとってもツボです。店舗の外側には昔ながらの看板と、トリバさんが新たに取り付けた看板が。どの看板にもドラマがありそうな趣を感じます。
店内には〈京華堂〉時代のショーケースがそのままカウンターとして使用されており、現在の〈TORIBA COFFEE KYOTO〉においてもシンボル的な存在。スピーカーを銀座の店舗から持ち込んでみたところ、なんとカウンター奥の棚にぴったりシンデレラフィットしたのだそう。この日はロックバンド「はっぴいえんど」や細野晴臣さんのレコードがかかっており、時代を繋ぐように優しい響きを奏でてました。
上手に洋風な空気を取り入れた火灯窓の上には古い日本画が飾られており、よくよく眺めてみるとなんだか不思議な絵柄。なんとこちら、元々の日本画に漫画家・ほしよりこさんがうさぎを加筆したものなのだとか。オーナーの鳥羽伸博さんのご縁で実現した、“過去”と“現在”の粋なコラボレーション。楽しげな雰囲気にこちらもにっこりします。
店内を進むと、床には檜のチップが敷かれていて、とってもいい香り〜!大きなテーブルの上には盆栽が置かれており、丁寧な印象。テーブル奥の大きな窓からは小便小僧が顔をのぞかせており、思わずクスリ。細部にまでセンスが行き届いているのに緊張感がなく、どこまでも穏やかで落ち着く雰囲気。鳥羽さんのセンスに脱帽です。
店内の中でもひときわ目を引くオーダーメイドのソファ。こちらに腰掛けていただくコーヒーは“異国の飲み物”を口にしている感じがあり格別です。見上げると2階の床が取り払われた天井には、天袋に並んでシャンデリアが吊るされていますが、不思議と違和感はなく、シャンデリアも元からここにいましたよ?という顔をしてるようにも見え、すっかりなじんでいます。
サンドイッチはすべてヴィーガン。パンも自家製で、お店で焼かれているそう。あまりヴィーガンフードを食べ慣れていない私でも「わぁ!」声が漏れるほどおいしい。この日は欲張ってサンドイッチを2品もいただいちゃいました。マッシュルームと玉ねぎにビネガーの酸味がマッチ!ボリューミーな胡瓜のサンドイッチは“ザクザク”とした食感が楽しい。口いっぱいに頬張ると思わず笑顔がこぼれます。
この日のコーディネートは…?
さてさて、この日のお着物は東京から渡り鳥のツバメのようにいらっしゃった〈TORIBA COFFEE KYOTO〉さんをイメージしたコーディネートに。袷の「燕に柳」は5〜6月にかけて着るに相応しい柄。八掛にもしっかり柄が入っていて贅沢なお着物になっています。帯は店内の各所から感じるオリエンタルな空気を取り入れて「異国の王朝行列」の帯にしてみました。相手に想いを馳せたり、意味を取り入れることもお着物の魅力の一つなのではないかと私は考えています。
帰りに近くの〈京都市京セラ美術館〉へ足を伸ばしてみました。ちょうど特集「魅惑の昭和モダン」が6月18日まで展示されていました。この日はゆっくり鑑賞できる時間がなかったので、また別の機会に伺おうと思います。着物で美術鑑賞も憧れていることの一つなので、そちらもまた別の機会にご紹介できればと思います。
〈平安神宮〉や〈ロームシアター京都〉など、文化度の高い岡崎エリアの新スポット。美術館の足休めや、テイクアウトして、すぐそこで流れる鴨川を眺めながらゆっくりコーヒーをいただくのも乙ですね〜。
古くからの建物を引き継いで、穴が空いていたり崩れていたところは修繕を。店内には建物をいたわる気持ちが満ちていて、鳥羽さんのお人柄を感じとれるように思います。なんだか心までも温まりました。それでは皆様が“もっと!京都”を楽しめますように♪