信じるものは救われる! 仏像大使・みうらじゅんの仏像IKEMEN4
仏像マイスターのみうらじゅんさんが『Hanako』読者の気分をアゲる「イケメン仏像ベスト4」を選んでくれました。仏関連の著作は『見仏記』(いとうせいこう氏との共著)、『マイ仏教』『アウトドア般若心経』など。興福寺「阿修羅ファンクラブ」の会長でもあります。
「仏像は願いを叶えるためだけに作られたのではなく、人間の煩悩を戒める存在でもある」
阿修羅像 [奈良・興福寺]
何をおいても奈良・興福寺の阿修羅像でしょうね、No.1は。三面あるお顔、どの角度から見てもイケてますから。そのボディも手足が長くてシュッとしておられる。阿修羅は仏教を守る八部衆の一人。クライアントは光明皇后。女性ですから、きっと平安時代のいちばんイケてる人をモデルにしたのではないかと思いますね。
帝釈天半跏像 [京都・東寺]
2番目は、京都・東寺の帝釈天じゃないですか、やっぱ。空海が作った立体曼荼羅21体の一つ。時代時代で「カッコ良さ」の基準は違うと思いますが、ツートップは時代を超越したイケメンですよね。
十一面観音菩薩立像 [奈良・聖林寺]
3番目は、奈良・聖林寺の十一面観音。この方は「ザ・仏」のお顔だけど、とても神秘的でもあります。というのも、平安時代に神仏習合が進み、インド伝来の仏に日本の神様がミックスされるようになったからなんです。だから日本人にもなじみのあるイケメンと言えるでしょう。
四天王立像 [奈良・東大寺]
そして、奈良・東大寺戒壇堂の四天王像。広目天、多聞天、持国天、増長天で、如来菩薩を守っておられるのですが、特にここの四天王はみな眉間にシワを寄せていて渋い。僕にとって「4人はアイドル」。ビートルズと並んで、小学校4年生の頃からずっとアイドルなんです。
仏像は何も願いを叶えるためだけに作られたのではなく、人間の煩悩を戒める存在でもあるってことでね。いい歳になっても僕なんてまだ煩悩だらけですから、仏像を目の前にすると、すいません、って気持ちに今でもなるんですよ(笑)。