ハナコラボSDGsレポート 自信を持って大切に作る。鹿児島のクラフトチョコレート〈kiitos〉
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足! 毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第40回は、編集者として活躍する藤田華子さんが、障がいを持った方たちの就労支援を目指して活動している 特定非営利活動法人〈Lanka(ランカ)〉が手掛ける、鹿児島県のクラフトチョコレートブランド〈kiitos(キートス)〉を取材しました。
鹿児島のお土産でいただいた、桜島の形をしたチョコレート〈kiitos〉。ピュアなカカオの風味があまりにおいしくて調べてみたら、工場は、海に日本一、近い小学校と呼ばれていた「鹿屋市立菅原小学校」が廃校になり、そこに体験宿泊型施設とした「ユクサおおすみ海の学校」の中にあり。そしてさらに調べると、母体は、 特定非営利活動法人〈Lanka〉さん。障がいのある方が、自分の得意を生かして製造に携わっていました。海、山、空に囲まれた最高のロケーションで一枚一枚大切に作られているチョコレートに込めた想いを、〈kiitos〉代表であり〈Lanka〉施設長でもある大山真司さんに伺いました。
ーー「〈kiitos〉のチョコレートの材料は、カカオ豆ときび砂糖だけでできている」とHPに記載がありました。シンプルだからこそのこだわりを教えてください。
「カカオ豆ときび砂糖、このふたつの原材料だけで各国の豆の美味しさ、面白さ、クセ含めこんなに味が違うものだと感じてもらえたら思います。人気の商品は『ペルー グランヤパテラブランコ』。酸味と甘みのバランスも良く風味が豊かで口にした時の余韻が楽しめます」。
ーー〈kiitos〉は、どんな想いを込めてブランドを立ち上げられたのか、経緯と合わせて教えてください。
「〈kiitos〉はフィンランド語で『ありがとう』という意味を持ちます。カカオ豆などの原材料を生産して良い材料を提供してくれる生産者の皆さん、それらの材料を大事に使ってチョコレートを作る工場の仲間たち、そして、販売していただいているショップさん、チョコレートを食べてくれた全ての皆さんへの感謝の気持ちを、わたしたちのチョコレートの名前にしました。一枚一枚大切につくったチョコレートから、たくさんの『笑顔』が生まれることを願っています。」。
ーー〈kiitos〉の母体は、特定非営利活動法人〈Lanka〉さん。障がいのある方の就労支援を目指して活動しているとのことですが、利用者さんたちはどのような作業をされているのでしょうか?
「通所されているメンバーさんは〈kiitos〉部門の新規パッケージイラスト、カカオ豆の分別、ローストなどすべてのチョコレートの製造や、他には地元のお店の商品のシール貼りなど外注を承っています。
絵が上手な人はパッケージの絵を描いてもらいますし、集中力がある人は、黙々とピンセットでカカオの皮を取り除いてもらうなど、ひとり一人の得意分野に合わせて仕事を行っています。」。
ーー利用者のみなさまは、どのようなやりがいを持って活動されているのでしょう?
「私たちが目指しているのは『鹿児島のチョコレートメーカー』です。障がいのある方がチョコレート製造をしてるわけではなく、それがたまたま障がい者施設だった、それだけのことなんです。利用者の方々は、〈kiitos〉というチョコレートをみんなで作っているんだ、食べてもらったら美味しいと思ってもらえることが、誇りになっていますね」。
ーーまわりの方のリアクションのなかで、心に残っているものはありますか?
「卸先のお店の方との会話の中で、母体が障がい者施設で製造してることに驚かれるとお話を伺います。ハンディキャップがあるから…福祉施設が作っているものだから…と言った妥協は一切していません。私たち、みんながお客さまへ自信を持って手渡しできるビーントゥバーチョコレートを作っていますから、嬉しいリアクションですね」。
ーー今後やってみたいこと、ビジョンなどを教えてください!
「地元・鹿児島の食材で、例えば落花生や生姜の生産者さんとコラボレーションをしてチョコレートを作ってみたいです」。