ハナコラボSDGsレポート “生理”の新常識?選択肢を増やし、人生をもっと自由に快適にする超吸収型サニタリーショーツ〈Bé-A〉。
ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった4人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。第18回は、ナチュラルビューティーハンターとして活躍するシナダユイさんが、〈株式会社Bé-A Japan〉の代表取締役CEO・山本未奈子さんを取材。超吸収型サニタリーショーツ〈Bé-A(ベア)〉の魅力について聞いてきました。
知る前と後で考えが全く変わる...これが〈Bé-A〉の「ベア シグネチャー ショーツ」を使った率直な感想。
「ベア シグネチャー ショーツ」とは、5層のテクノロジー構造で一般的に“最も多い”とされる日の平均量(30mL~50mL)の約3倍(約120mL)の液体を吸収し、抗菌・防臭加工で不快な蒸れやニオイもしない超吸収型サニタリーショーツのこと。お腹部分は温もり設計であたたかく、さらに洗濯しやすくて繰り返し使えます。普段のショーツと同じように穿くだけで、漏れの心配など、さまざまな煩わしさから解放されて、まさに商品コンセプト“その日であると、忘れられる1日に”なるのです。慣れてくるとなおさら!
今回は、美容家として確固たる地位を築き、「日本で1番女性を幸せにする会社」をヴィジョンに掲げ、女性の活躍をサポートするために〈株式会社Bé-A Japan〉のフェムテック事業の運営を展開する(憧れの!)山本未奈子さんにお話を伺いました。
望めば変わる。未知のサニタリーショーツ用品ができるまでの道のり。
ーー〈Bé-A〉をつくろうと思った経緯をお聞かせください。
「世の女性はもちろん、個人的にも生理に関しては悩みが尽きないなと思い、独自にアンケートや調査を行ったんです。その結果、日本人の約80%の方が何かしら生理で困っているという回答で。なのに生理に関してはいままでタブーとか、口にしてはいけないという風潮があったため、過去60年、生理用品の選択肢は増えてこなかったんです」(山本さん)
ーー長いこと変わってなかったんですね。
「月経小屋という時代や“穢れ”とされていた時代もあり、脱脂綿という時代を経て、ナプキンとタンポンがいまですよね。そこに生理を快適に過ごせる選択肢を増やしてもいいのではないかという考えが、今回開発に至った経緯なんです」(山本さん)
ーーおそらく現状はナプキンを主に使っている方が大多数かと思いますが、ショーツ自体が液体を吸収するサニタリーショーツという新しい発想はどちらから出てきたのでしょうか。
「3年以上前、〈Bé-A〉のパートナーであり、アメリカ在住の髙橋が『アメリカにこんな素晴らしい商品がある』と持って帰ってきたのが吸水ショーツでした。そこで試したところ、全然吸水量がなく、すぐに漏れてしまったり、洗濯したら劣化してしまったり、耐久性もなくて...。このような商品では、きっと日本人は納得しない。だったら納得できるような商品を自分たちの手で開発しよう!と思ったんです。そこからがとても大変だったんですけど」(山本さん)
ーーどれほど大変だったのでしょうか。
「まず下着メーカーさんにたくさん問い合わせをさせていただきました。工場には『そんなショーツなんて日本人には不衛生と思われて売れるわけないよ』とか、私たちの作りたい商品の理想が高すぎて『そんなものは絶対作れない』など、なかなか受け入れてもらえませんでした。ただ、日本の尿もれショーツの技術は実は世界一だと言われていて。日本の職人技や技術を応用したら理想の吸収力が実現できるのではないかと健闘し続けたところ、その技術をお持ちの工場さんと出会うことができて、一緒に作ってみましょうというお返事をいただきました」(山本さん)
ーー穿く前は同じように疑いの念しか持てなかったので、それが出来上がる前段階の職人さんたちの気持ちや反応も理解できます。想像すら難しいですよね。
「まず吸水ショーツと聞くと1番最初に不衛生ではないかという疑念がありました。他には、1日中穿いていてもムレないの?洗濯は面倒臭くないの?お腹まわりが冷えるのではないか?など、色々な不安や抵抗、疑問が浮かんでくると思います。私たちもまさに1番最初に考えていたことで、それらを解決できる商品を作らないと開発する意味がない!と思ったんです」(山本さん)
ーーなるほど…。おっしゃる通りですね。
「ですので徹底的に妥協はせず、1つ1つの疑問点が解決できるような商品を作るために何度も何度も改良を続けました。すると途中で『やっぱりうちにはハードルが高すぎて作れません』と担当者の方に断られ、なんとかそこを作っていただけないかと、髙橋と2人で頭を下げに行ったり。紆余曲折を経て、2年半かかってやっといまのバージョンが出来上がりました」(山本さん)
ーーそこで圧倒的な吸収力を実現されたのですね!(生理2日目の平均30〜50mLを大幅に超える120mLもの吸水量)
「はい。ただ、私たちはこれが決して最終形とは思っていません。ここからお客様の声と共に改良を重ねていきたいと思っています」(山本さん)
テクノロジーを活用し、画期的な方法で社会や個の課題と向き合う。
ーー商品化ができたあと、クラウドファンディングサイト〈CAMPFIRE〉で目標額の100倍という資金が集まったと話題になりました。なぜそのタイミングでクラウドファンディングを利用したのでしょうか。
「クラウドファンディングは資金を調達したかったのではなく、より多くの方に〈Bé-A〉を知って欲しかったのと、生理という悩みについてもっとみんなが知って、それについて解決できる方法があるのではないかということを広く啓蒙したかったんです。たくさんのご支持をいただいたのは、それだけ多くの方が同じような思いで悩みを抱えていたり、私たちの思いに共感してくださった結果だと思っています」(山本さん)
ーー特にこのご時世、医療従事者の方など自分のタイミングでトイレに行くのが難しい環境で働かれている方にとっては画期的な商品の登場ですよね。
「クラウドファンディングの支援を元に、医療従事者の方には寄贈させていただきました。現在15の医療機関に寄贈させていただいております。また、生理自体の認識がなかなか難しく、ナプキンの交換に悩んでいるとのお声を受け、障がいを抱えるお子様のいる施設などにも今後広げていく予定です」(山本さん)
ーー新しい形の社会貢献ですね。ちなみに超吸収型サニタリーショーツを穿くことがどうSDGsに関係していきますか?
「やはり1番はジェンダー平等ですね。女性が生理になることによる機会損失は計り知れなくて、2万人の方にアンケートをとっただけでも6,800億円あるという風に言われています。生理によって何かを諦めるとか、挑戦できないとかをなるべくなくしていきたいですね」(山本さん)
ーー私も最近になってよく”ジェンダーの平等”を耳にするようになり、意識し始めました。
「生理っていうタブーをタブーじゃなくするという運動や、情報の発信を積極的に行っています。使い捨て用品を使う頻度が減ることで、プラスチックの削減にもつながります」(山本さん)
ーー生理用品はニオイがするため、焼却処分しかないんですよね。
「ナプキンには高分子吸収材を含むたくさんの石油由来の素材が使われていて、それを1人1万枚生涯に消費して燃やしています。世界を見れば、なかには焼却されずに海へ捨てられることもありますし、気候変動や海洋資源への影響面でもよりサステナブルな選択肢だと思っています」(山本さん)
次の世代は生理をもっと快適に過ごしてほしい。
ーー私自身すごく思ったことなんですけど、生理って妊娠をするためのモノなので、妊娠したくなったときに初めて生理のことを意識し始めて過去の無頓着さに後悔しています。もし自分が親になったときに子供にどう伝えるべきか、もっとオープンに生理を語れないかと思っていたところ、子供用のペティートが出て、コレだ!と。話のきっかけになりますよね。
「ありがとうございます。やはり同じように思われている親御さんがとても多くて、自分が経験してきた失敗や想いをさせたくないということで子供に使わせたいというご意向や声をクラウドファンディングのときにたくさんいただいたことがペティートの発売に繋がりました」(山本さん)
ーー支援者の声が反映されたモノづくりやスピード感がなんとも現代的ですが、やはりそういった声が多いんですね。
「吸収型サニタリーショーツというものがいままでなかったので私たちは使う前に抵抗がありましたが、子供たちには最初から選択肢としてあれば当たり前のようにこれが使えると思います」(山本さん)
ーーなるほど。次の世代の常識に。大人用と子供用の違いはなんですか?
「吸収帯部分の色を子供用はグレーにしました、1日目はこれくらい、2日目は多い、3日目で減ってきて褐色も変わっていくとか、そういうことも経験しながら学んで自分自身のことを知ってほしい。私たち大人はもう自分の経血量をわかっているため、視覚的ストレスを減らし、その日であることを忘れられるようあえて黒色にしています」(山本さん)
ーー実際穿いてみると、本当に忘れられるくらい快適ですよね。
「これが当たり前だと思ったら、もうナプキンに戻れないというお声もいただきました。とはいえ、もうナプキンを使うのをやめましょうと言っているのではなく、あくまで選択肢のうちの1つとしてこういうものがあったらいいなと思ってできたもの。貢献できていることが喜ばしいですよね」(山本さん)
ーー〈Bé-A〉がまずは世代を超えて日本で、ゆくゆくは世界中で当たり前の選択肢として広がり、女性の生き方がもっと自由に快適になるといいですね!
「生理を理由に諦めるとか、悩んだりするということがなく、もっと快適な生理期間を過ごしてほしいなという風に思っていますし、もっとオープンに話し合えるように子供たちや次世代に繋げていきたいです。女性1人1人が行動を起こして世界中の女性に広がればすごい数になりますし、そこで次世代の環境保護にも繋がると思うので、これからも伝えていきたいですね」(山本さん)