進化し続けるアップサイクル。 長野県・諏訪市で“アップサイクル”が話題!世界一のリサイクルショップ〈リビルディングセンタージャパン〉の取り組みに注目。
東京から、車や特急で約時間半。日帰り小旅行にもちょうどいい長野県諏訪市で、“アップサイクル”が盛り上がっているらしい。その中心になっている場所がある。古いものを、資源として今の暮らしにマッチさせる。全国から多くの人が訪れる、〈リビルディングセンタージャパン〉。古い建築資材を使った空間デザインやお店の取り組みから、捨てないためのアイデアや、古いものとの付き合い方を学ぼう。
古いものには、物語がある。まるごと引き継いで、次へ。
〈リビルディングセンタージャパン〉のエントランスでは、古材を使ったたくさんのフレームが迎えてくれる。古いガラス戸をパズルのように組み合わせた壁は、ポートランドの〈リビルディングセンター〉を真似て。ポートランドにはないカフェを併設している。
1.食器やインテリア小物を“リユース=再使用”する。
〈リビルディングセンタージャパン〉(通称リビセン)の2階には、印判のお皿などの食器類をはじめ、木箱や引き出しなどの木製品が所狭しと並ぶ。“リユース”は、製品をそのままの形で再使用するため、エネルギーを一切使わない。古いものに慣れない人は、「元の機能やデザインにとらわれずに、これは違った使い方ができるかも?と考えてみて」と代表の東野唯史さん。お皿をアクセサリー置きに、木箱を本棚にするなど使い方は自由だ。
2. “リメイク=再制作”と“リペア=修復”はDIYで。
リニューアルしたばかりの3階は、今では作られていない昭和の型板ガラスやタイルなどのパーツ類から、扉や椅子などの家具までずらりとそろう。家具や建具は、あえてメンテナンスはせずそのまま販売。やすりをかけて塗装を落としたり、ペイントしたり、タイルを貼ったりと、手を加えるおもしろさを提案する。DIYで愛着が増し、より大切にものを使うようになる。「月に1~2回、テーブルやベンチづくりのワークショップも開いています」
3. 歴史と思い出が詰まった資材を“アップサイクル”。
古材は、今では手に入りにくい貴重な木材も多い。「レスキューに行くのは、車で1時間以内の場所が中心。古材や古道具にはレスキューナンバーを付けているので、いつレスキューされたものか、どんな建物で使われていたものかがわかるようになっています。店内にある写真付きファイルを見てみてください」。
背景を知り、単なる古材が「歴史ある酒蔵の一部だった」とわかれば重みが変わる。これも価値を上げる大事なプロセスかもしれない。
〈ReBuilding Center JAPAN〉
1階にはコラボショップも。アップサイクルなど〈リビセン〉と志が似ているブランドやショップのアクセサリー、雑貨を置いているそう。
■長野県諏訪市小和田3-8
■0266-78-8967
■11:00〜18:00 水木休
■19席/禁煙
(Hanako1190号掲載/photo : Norio Kidera (P.50~53), Shinnosuke Yoshimori (P.55~57) styling : Rina Taruyama (P.55~57)
model : Yuki Tanioku (P.55, 56)
text : Motoko Sasaki
edit : Kana Umehara)