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シーズン到来の牡蠣を本場・広島流に堪能しませんか? はしご酒ならぬ「はしご牡蠣」を体験!広島で牡蠣グルメを味わい尽くす旅。【前編】
広島県といえば、全国でも生産量1位を誇る牡蠣の産地。今回は、10月からシーズンを迎え、美味しくなった牡蠣グルメが味わえるおすすめのスポットをご紹介します。「はしご酒」のように何軒もお店をめぐる「はしご牡蠣」体験のほか、映画のロケ地で有名な「鞆の浦」や美しい街並みを残す安芸の小京都「竹原」など、広島に行くなら訪れるべき話題の観光地も合わせてめぐります!
『崖の上のポニョ』の舞台となった、ノスタルジックな海辺の町「鞆の浦」。
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岡山県との県境にある、広島県福山市にある昔ながらの街並みが残る港町「鞆の浦(とものうら)」。実は、ジブリ映画『崖の上のポニョ』の舞台となった街で宮崎駿監督も滞在されていたとのことで注目を集め、訪れる観光客も多いのだとか。
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映画の中で登場する、『ひまわりの家』という老人ホームのモデルとなった〈鞆の浦さくらホーム〉。こちらは江戸時代に建てられた商家を改装して使用されているそうです。
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細い通りや坂道が多くて、昔から使われてきたという趣を感じさせます。鞆の浦の中には、270年前からの江戸時代の街並みを残す重要文化財となっている通りも。
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1690年ごろ創建されたという、歴史のある〈福禅寺〉の客殿「対潮楼」。ここから瀬戸内海の島々を望む景観は美しいパノラマビューで、窓枠を額縁に見立てればまるで一幅の絵のよう。
かつてここを訪れた朝鮮通信使が「日東第一形勝(対馬から江戸までの間で一番美しい景勝地)」と称賛したとされ、2017年ユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。
〈福禅寺 対潮楼〉
■広島県福山市鞆町鞆2
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海を見守るように建つ鞆の浦のシンボル「常夜灯」は、1859年に建てられた灯台でフォトジェニックスポットの1つ。この付近にはおしゃれなカフェや観光施設もあるので、鞆の浦に来たら立ち寄りたい場所。
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常夜灯のすぐそばにある、古民家カフェ〈鞆の浦 a cafe〉。オーガニックの自家農園の食材を使ったランチや「瀬戸内レモン」を使ったドリンク、瀬戸内のロースターによるオリジナルのエスプレッソなどが楽しめます。
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秋限定のまだ若い大三島産グリーンレモンを使った、「瀬戸内グリーンレモンスカッシュ」(550円)。グレープフルーツのようなフルーティーな味わいのレモン果汁を、炭酸で割ってさっぱりと。
〈鞆の浦 a cafe〉
■広島県福山市鞆町鞆844-3
〈和食処 登喜将〉で、たこのフルコースランチを堪能!
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広島県の南部にあり瀬戸内海に面した三原市は、瀬戸内でも有数のマダコの産地。三原の海域は潮の流れが早いためタコが流されないよう踏ん張るためよく引き締まり、食べた時にプリプリとした歯ごたえがあるのが特徴なのだとか。
こちらは店内にある生簀にいる、生きたたこを使ったたこ料理が味わえる、〈和食処 登喜将〉。
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ランチでいただいたのは、こちらの「たこお手軽コース」(2,900円)。刺身から煮物、天ぷら、鍋、釜飯とたこ料理6品が堪能できます。
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たこのお刺身は、醤油と梅肉醤油の2種から選べます。
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さばきたてで新鮮なたこの身は、シコシコとした弾力があって口に含むと甘味を感じます。
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釜飯にもたこが満載!しっかりとした食感がたまりません。
〈和食処 登喜将〉
■広島県三原市城町3-2-7
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三原はたこの名産地だけあって、街中を歩いていてもこんな風に可愛らしいたこのモニュメントがあちこちで見られます。
〈えびす家本店〉名物のたこの食感が不思議な「たこもみじ」。
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広島の銘菓に「もみじまんじゅう」がありますが、三原駅近くにあるお菓子屋〈えびす家本店〉では少し変わった味のもみじまんじゅうが名物だそう。
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こちら、なんと中にたこが入った「たこもみじ」(100円)。クリームチーズの餡の中にひと口大のたこが入っています。味付けは甘くは無いので、お酒と一緒に食べても合いそうな一品でした。
〈えびす家本店〉
■広島県三原市城町1-8-2
“安芸の小京都”とも呼ばれるしっとりと風情のある街並みが続く、「竹原」を散策。
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続いて、三原市の隣にある竹原市へ。瀬戸内海に面していて江戸時代には製塩業で栄え、当時の趣をそのまま残した街並みは「町並み保存地区」として観光名所となっています。
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創業150余年の老舗〈藤井酒造〉。江戸時代末期に建てられた酒蔵の一角を改造した〈酒蔵交流館〉では、お酒でけでなく器や雑貨の販売や試飲コーナーも設けられています。
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米と米麹のみで昔ながらの製法で醸造している、〈藤井酒造〉の日本酒。小蔵ながら高品質な酒蔵として全国的にも知られ、食事と相性の良い食中酒にこだわってきました。
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今回は、酒造りを行なっている酒蔵の中も見学させていただきました。左側の樽は、江戸時代から使われているものだとか。年季を感じます。
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酒蔵見学の後は、作られたお酒の試飲も。〈藤井酒蔵〉で作られているのは純米酒が7割で、今流行りの大吟醸のような華やかさは無いですがしっかりとお米の奥行きや広がりが感じられました。
〈藤井酒蔵株式会社 酒蔵交流館〉
■広島県竹原市本町3-4-14
いよいよお楽しみの「はしご牡蠣」を体験!
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牡蠣グルメを扱った店舗がひしめく広島県。さまざまな牡蠣料理をつまみながら街のいろんな名物店を回る、広島ならではの食べ歩き「はしご牡蠣」。広島駅から徒歩圏内で古くからのお店と新しいお店が混在する「エキニシ」と、地元民も集う雰囲気たっぷりのせんべろエリア「横川商店街」という、広島県の2大牡蠣グルメエリアで実施されています。
『広島はしご牡蠣 歩き方ガイドBOOK』なるものもあり、いろんな牡蠣グルメのお店が載っていて見ているだけでワクワク!
広島風お好み焼きの上に、牡蠣がてんこ盛り!「はしご牡蠣」1軒目〈広島赤焼 えん〉。
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今回は「エキニシ」エリアで「はしご牡蠣」を体験することに。1軒目に訪れたのは、広島名物を中心に60種以上のメニューが揃う人気鉄板焼き屋〈広島赤焼 えん〉。
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まずは、広島の地ビール「宮島ビール」(621円)と「瀬戸田レモン」を使った「瀬戸田レモンハイ」(538円)で乾杯!やっぱり広島県のレモンは、とってもフルーティーな味わいで、レモンハイもおいしい。
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目の前の鉄板で、店員さんが巧みな手さばきでお好み焼きを焼き上げてくれます。大阪風と違って生地が薄いですね。
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完成したお好み焼きの上に、鉄板で炒めた牡蠣をどっさり載せて「マシマシ牡蠣」(2,315円)が完成。1つのお好み焼きの上になんと牡蠣が10個以上も載っていて、まさに牡蠣のてんこ盛り!
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ソースが控えめな味付けで、牡蠣そのものの旨みがしっかり味わえました。鉄板の上で炒めた牡蠣はぷりっぷりの食感。お好み焼きを食べているのか牡蠣を食べているのか分からくなるほど牡蠣がたっぷり入った、贅沢な一品でした。
〈広島赤焼 えん 駅西本店〉
■広島県広島市南区大須賀町13-19
世界のビールを合わせて牡蠣グルメが味わえる、「はしご酒」2軒目〈EATORY〉。
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「はしご牡蠣」2軒目は、世界中のビールが牡蠣グルメとともに味わえる〈EATORY(アトリ)〉。「エキニシ」エリアの中にあり、先程のお店からは歩いて2〜3分の近さです。
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手前左から「広島県産牡蠣の天ぷら」(1個・150円)、「牡蠣グラタン」(880円)、「広島県産牡蠣のアヒージョ」(780円)。
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実はこちらのお店は世界中を旅したオーナーが作ったというだけあって、世界31ヵ国52種類ものビールが味わえるんです。世界最強と言われるアルコール度数14度のオーストリアの「サミクラウス」という珍しい銘柄のビールも。
〈EATORY(アトリ)〉
■広島県広島市南区大須賀町11-8
冷凍レモンとトマト入りの「究極のレモンサワー」で〆!「はしご酒」3軒目〈広島らーめん たかひろ〉。
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3軒目は、2軒目と同じ並びにある〈広島らーめん たかひろ〉へ。こちらは「カキラーメン」が味わえるお店なのですが、残念ながら取材時はまだ牡蠣がシーズンでないため提供されておらず(今年は12月ぐらいから提供されるそう)、代わりに「究極のレモンサワー」(600円)をいただきました。
冷凍された広島産レモンとトマトが入り、レモンの酸味とトマトの甘酸っぱさがたまらない1杯。1杯目はレモンとトマトを残して、「追いサワー」(400円)するのがおすすめの飲み方だそう。冷凍のレモンとトマトがだんだん溶けてきて、違った味わいを楽しめます。
〈広島らーめん たかひろ〉
■広島県広島市南区大須賀町12-6
「はしご牡蠣」で名物の牡蠣を食べ歩きしたり、昔ながらの街並みが残る「鞆の浦」や「竹原」の散策や地元産レモンを使ったドリンクや古くから残る酒蔵で試飲など、見どころもグルメも盛りだくさんの広島県。後半では、獲れたての新鮮な牡蠣を味わう「牡蠣の水揚げ体験」や海と坂の街「尾道」散策、レモンの島「生口島」の観光スポットなどをご紹介します!
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