行きつけの婦人科を見つけよう。|働く女性のための転機の準備 LEARN 2022.11.09

婦人科の医師は女性のカラダのプロ。多くの女性が抱える、女性特有のカラダや心に関する悩みの相談に乗ってくれるから、かかりつけを持っていれば心強い。頼れるドクターと一緒に自分のカラダに向き合い、快適な人生を手に入れよう。

どんな時に婦人科に行けばいいですか?

女性特有のカラダの悩みは、人に言えず自分ひとりで抱え込みがち。でも、もっと気軽に婦人科に行ってほしいと、産婦人科医の宋美玄先生は言う。かかりつけ医の見つけ方や、どんな時に行けばいいかを教えていただいた。

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婦人科は、骨盤の中にある婦人科臓器といわれる、子宮、卵巣、卵管、膣と、デリケートゾーンを診る診療科です。生理の悩みや更年期といった、女性ホルモンの変動に関わるようなものも診ます。産婦人科は、婦人科の診療内容プラス、妊婦さんを診るところ。基本はそんなに分けて考えなくても大丈夫です。よく勘違いされるんですが、乳腺関連は乳腺科や乳腺外科という別の科になります。

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その医療機関や医師が何に力を入れて診療しているのか、診療の理念などを、ホームページで調べましょう。大抵の医療機関のホームページには、専門分野や得意分野が書かれているはずです。自分が婦人科にかかりたい理由に対して、その専門性が高い医師を選ぶといいと思います。女性医師がいいとか、待ち時間が短いとか、自分がこだわっている部分もチェックして選ぶといいですね。

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基本的には、初経がきたら、もしくはHPVワクチンを接種し始める小学校6年生になったら、かかりつけの婦人科を持った方がいいと思います。HPVワクチンは小学校6年生から高校1年生までの間は無料で受けられるので、子宮頸がんを防ぐためにもぜひ接種してもらいたいのですが、そのためにもかかりつけの婦人科を持つのは大事。女性特有のカラダの悩みや疑問、不安などが相談できて安心です。

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子宮頸がんの検診や、クラミジアなどの性感染症やおりものなどの検査は、生理中はできません。それ以外は基本的には大丈夫です。生理痛治療のピルは生理中から飲み始めるので、生理中の方がベター。生理が終わってからだと1周期待つことになります。都合のつく時が吉日なので、あまり気にせず受診してください。

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無症状でも子宮頸がんなどの検診には行くべき。婦人科ドック、避妊や妊活の相談も症状がなくても受診してください。生理が辛い場合は、我慢せず婦人科へ。こんな程度の症状では受診してはいけないのではないかなどと思わず、もっと気軽に行ってください。私のクリニックも皆さん気軽にいらしてますよ。

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肌荒れは、まず皮膚科に行ってください。そこでホルモンに関係していると診断されたら、婦人科を受診します。ただ、生理前や生理中に明らかに肌荒れがひどくなる場合は、生理に伴う月経随伴症状の可能性があるので婦人科に相談しても大丈夫です。デリケートゾーンの皮膚症状の場合も、婦人科に相談ができます。

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35歳という年齢には科学的根拠がありません。子宮頸がん検診は20歳以上で性交渉経験がある人、乳がん検診は40歳からが対象です。がん検診は2年に一度、定期的に受けることが推奨されています。2年だと忘れやすいので、1~2年に一度受けてください。卵巣がんも20代から発症リスクがあるので、定期的な検診をぜひ。不正出血やおりものが増えるなど、いつもと違う症状があればすぐに受診を。

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子供を持つ、持たないにかかわらず、誰でも婦人科のチェックは必要です。Q3でも話しましたが、初経かHPVワクチンを接種し始めるタイミングで、かかりつけ産婦人科医を持ってください。妊娠したいと思った時に初めて産婦人科に行くのではなく、その前から継続してカラダの状態を把握してもらっておくことが大事。妊活の場合、子作りをして1年経っても妊娠しない場合は医師に相談しましょう。

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妊活相談の場合はあった方がいいです。生理不順の場合もです。ただ、今症状が気になるのに記録してからじゃないと受診できないと思う必要はなく、記録がなくても早めに受診することが大事です。期間は2~3カ月分あればよくて、1年以上前のものになると、ちょっと参考にしづらくなります。

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性交渉の後の出血など、生理以外の不正出血がある場合はがんの可能性もあるので受診してください。生理周期は24日から38日が正常範囲ですが、それから大きく外れる場合も受診が必要です。生理痛があれば絶対に受診するべきですね。生理痛を放っておくと、子宮内膜症や卵巣がんなどのリスクが高くなります。生理痛を我慢すると、いいことは何もないことが近年わかってきました。出血量が多過ぎる人も婦人科に相談してください。今は治療方法も増え、生理をコントロールする方法も進化しています。大事な用事と生理が重なったら嫌だなと思うなら、婦人科の受診が必要だと思ってください。性感染症も増えているので、おりもので気になることがあれば受診は必須です。

Navigator…丸の内の森レディースクリニック院長・宋 美玄さん

そん・みひょん/診療95%、メディア露出5%としながら、カリスマ産婦人科医として女性のカラダの悩み、妊娠・出産、女性の性、ヘルスリテラシーの向上などへの啓発活動を行う。

illustration : Maori Sakai text : Riko Saito

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