初めてとは思えない居心地の良さが魅力。 昼はヘルシーな定食屋、夜は居酒屋へ変貌。ローカルが集まる人気店、鎌倉・大町〈オイチイチ〉へ。
FOOD 2019.05.24
観光客が少ない大町エリア。地元の古い商店がぽつぽつ並び、ここで暮らす人々のリアルな息づかいが感じられます。そんな場所に、店を構えて7年目になる〈オイチイチ〉。この店は、鎌倉らしさにあふれていんです。
昼は、体にやさしい定食とお弁当を。
妻・いくよさんが担当する昼の部は、定食屋さん。
明るい店内で、健康的なランチをいただける。
夜は、お酒と共にお惣菜をつまむ。
やがて陽が暮れ、夫の暁さんが店に立つ夜の部は、雰囲気が一転。薄暗い照明のなか、まったりした音楽と引き込まれるトークに、つい、時間を忘れて杯を重ねてしまう。
どこか懐かしく、気持ちがゆるむ空気感…そんな居心地が良い理由とは?
初めてでも、どこか懐かしく、気持ちがゆるむ空気感。居心地の良さの秘密とは?「ボロボロの建物を自分たちでリノベーション。ハンガーも友人の手作りで、一枚板のカウンターは材木屋さんにもらったもの」と暁さん。つまり店内には、二人の居間に招かれたような穏やかな時間が流れている。「休みが多い」のも〈オイチイチ〉の秘密。暁さんは移動式映画祭の運営チームの一員で、長く店を閉めることも。今年も会期に合わせ、5月末まで休業予定だ。「1年の半分くらいしか営業してなくて、時間もまちまちです」と笑う暁さん。ほかの仕事を含めて、鎌倉での日々の生活を楽しんでいる様子が伝わってくる。
二人の魅力に引き寄せられるように、昼も夜も、カウンターには今日も誰かがやってくる。近隣の人々や、地元の同年代の店主にクリエイター。そして、ここでまた新しい出会いが生まれ、人と人がつながっていく。鎌倉のローカルな人付き合いの輪の中心に、〈オイチイチ〉がある。
(Hanako1172号掲載/photo : Ryosuke Nakagawa(Uber) text : Yuka Ito)