おいしく食べて、支援につなげる。 名物グルメ、名スポットが盛りだくさんの愛媛県・南予地域へ。
国内屈指のみかんの生産地として知られる、愛媛県。由緒ある建築物やフォトジェニックなスポットなど、見どころを多く有する場所でもあります。また、その土地ならではの食材を使った、絶品グルメも目白押し!このように魅力あふれる愛媛県ですが、昨年7月に発生した豪雨により、人的被害や土砂災害などに見舞われました。とくに大きな被害があった愛媛県西南部・南予地域(西予市、大洲市、宇和島市)では、今も復旧・復興活動が行われています。本記事では、南予地域の名スポットと絶品グルメをフィーチャーするとともに、被害に負けず、頑張る人たちの取り組みもご紹介します。
マイナスイオンに包まれながら、夏の風物詩「流しそうめん」を。
東京都から愛媛県までは、飛行機でおよそ1時間16分。おしゃべりしたり、眠ったりしているうちに、あっという間に到着します。
松山空港に到着した直後、ユニークなスカイショップを発見。おもにフレッシュジュースを扱う〈Orange BAR〉です。こちらでは、“蛇口”からみかんジュースを注ぐという、憧れの体験が楽しめます。
すっきりとした甘みとほどよい酸味が楽しめるみかんジュース。フライト後のブレイクタイムのお供に、ぴったりです!
この日向かったのは、松山空港から車で1時間半ほどの場所に位置する西予市。聞くところによると、西予市宇和町には、夏の風物詩のひとつ「流しそうめん」と地域名物の魚「アマゴ」を堪能できる、とっておきのスポットがあるのだとか。
たどり着いたのは、うっそうと茂る木々に囲まれた〈名水亭〉。この日はしとしとと雨が降っており、より趣が感じられました。近くには、「全国名水百選」に選出された「観音水」があるため、せせらぎが耳に心地よく響きます。
店内には、石造りのレーンが設けられており、次々とそうめんが流れてきます。〈名水亭〉を管理する、明間寿会の兵頭竹美さんによると、流しそうめんに使われている水は、「観音水」を濾過したものなのだそう。「『観音水』は、弱アルカリ性の上質な水。古くから生活用水や農業用水として使われていましたが、今でも、わざわざ水を汲みにくる方が大勢いますよ」
なめらかな口当たりの水とコシのあるそうめんは、もちろん相性ぴったり。つるんとした喉ごしに、病みつきになってしまうはず!
こちらは、地域名物のアマゴを塩焼きにしたもの。〈名水亭〉の目の前で、夏休み期間はほぼ毎日、それ以外は土日限定で販売されています。
〈名水亭〉のほど近くにある養殖場〈丸太山魚〉にて、観音水で完全養殖されたアマゴなため、安心して丸ごと食べられるのが特徴です。また、串から外さず、ガブリとかぶりつくのが、通の食べ方なのだとか。
〈名水百選・観音水 名水亭〉
■愛媛県西予市宇和町明間3478
■0894-67-0013
■4月27日〜9月10日の期間に営業
■10:00〜17:00
親子2代にわたり、アマゴの養殖場〈丸太山魚〉を営む、佐藤治平さん。昨年7月7日、集中豪雨に伴う土砂災害に見舞われ、アマゴのいけすが埋め立てられてしまったそう。さらには、「観音水」からの水が止まったため、およそ8割ものアマゴが死んでしまったと、話してくれました。
しかし、クラウドファンディングや助成金の申請などをとおし、徐々に設備を復旧させ、運営の再開に至ったそう。「金銭的補助を受けるのを心苦しく感じたこともありましたが、今では、助けていただいた方にとても感謝しています。今後、もともといけすがあった場所に釣り堀や囲炉裏など、誰もが楽しめる設備を作る予定です」
〈丸太山魚 アマゴ養殖場〉
■愛媛県西予市宇和町明間3469-1
貴重で美しい、歴史的建造物は必見!
西予市には、江戸〜昭和初期の商家が残る「卯之町の町並み」があります。白壁や格子といった、古き時代の建築様式が残ることから、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されているのだとか。
卯之町には、旧宇和町小学校の校舎を活用した〈宇和米博物館〉も。現在はリノベーションされ、一部がコワーキングスペースや会議室などとして、使われています。また、こちらの見ものは、109mもの長さを誇る、廊下です。
ここでは、「Z-1」と名づけられた雑巾がけのタイムレースにチャレンジできます。中腰というやや負担がかかる姿勢で雑巾がけをするのは、想像以上に辛いもの。しかし、ゴールした後は、達成感が感じられ気分爽快! 最大2名で同時に体験ができるため、お友達や恋人とタイムを競ってみては?
〈宇和米博物館〉
■愛媛県西予市宇和町卯之町2-24
■0894-62-6517
■公式サイト
また、南予地域の一番北側にある大洲市には、伝統的な建築様式「懸造り」が用いられた〈少彦名神社参籠殿〉があります。〈少彦名神社参籠殿〉は、 日本神話の神である「少彦名命」の終焉とされる地を崇敬するため、建築されたもの。
2016年に、「ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞」の最優秀賞を受賞し、2017年には、「大洲市有形文化財」に指定されました。
2014年に、米国を拠点に歴史的建造物などの保存活動を行う「ワールド・モニメント 財団」や地元有志により再建されているため、内観は真新しい印象です。
〈少彦名神社参籠殿〉
■愛媛県大洲市菅田町大竹乙937-2
■終日。土・日・祝祭日(10:00〜16:00)は、ボランティアガイドあり
川沿いで、ゆったりステイとご当地グルメを。
宿泊先としておすすめなのが、同じ大洲市内にある〈鹿野川荘〉。目の前に鹿野川を望むという絶好のロケーションにあり、豊かな自然を感じながら、ゆったりと過ごすことができます。
また、〈鹿野川荘〉も、昨年7月の豪雨により浸水被害などを受けた施設。しかし、その直後から地域住民の避難所として施設を開放しただけでなく、8月上旬からは被災した方への食事の配送サービスを開始したそう。
〈鹿野川荘〉のもう一つの自慢が、各種グルメ。新鮮な「あまごの刺身」をはじめとする、愛媛ならではの料理を堪能できます。
豚ばら肉と栗をご飯にのせた、ご当地グルメの「とんくりまぶし」。はじめはそのまま味わい、途中から特製だしをかけていただくのが、おすすめの食べ方なのだそう。
ちなみにこちらの「とんくりまぶし」は、〈鹿野川荘〉の料理長が開発したもの。2013年に開催された、大洲ならではの食材や食文化を生かした料理がそろう「O級グルメコンテスト」にて、三つ星を獲得したのだとか。
ぜひ「利き酒セット」も試してみて。「利き酒セット」をオーダーすると、愛媛県の地酒「風の里」や「石槌」をはじめとする、5種類のレアな日本酒を味わえます。
清潔感たっぷりで、広々としたスイートルームも、3〜4名で予約すれば、1人15,000円前後で利用できます。ふかふかとした絨毯や寝心地抜群のベッドが、セレブ気分を盛り上げてくれますよ。
〈大洲市交流促進センター鹿野川荘〉
■愛媛県大洲市肱川町宇和川588-1
■0893-34-2000
■公式サイト
翌朝は、近隣にある〈道の駅清流の里ひじかわ〉で、お土産をゲットするのをお忘れなく。ここでは、江戸時代から親しまれている名菓「志ぐれ」をはじめとする、特産物を購入できます。