おとちゃんどうだった? 第1回 ひょいひょい、って感じでよじ登れるおもちゃを、インコのおとちゃんにあげてみました。
手作りのおもちゃをインコのおとちゃんに贈り、その反応を飼い主でありカメラマンでもある村東剛さんから教えてもらうというこの企画。今回のおもちゃは、あのスポーツがテーマです。果たしておとちゃんは、おもちゃを気に入ってくれたのか?
5月のこと。
私は長めの沖縄出張に来ていました。
沖縄の自然は美しい。
人は優しく、街もゆったりとして、時を忘れるようです。
東京も、会社も、はるか海の向こう。
いやあ、沖縄はいいとこだなあ。
ん?なんだあれは。
海の向こうから、太陽かな?
いや、違う。おとちゃんだ!!
と、いつもそんな状況になって、いよいよ私はおとちゃんのおもちゃ作りにとりかかります。
決して、忘れているわけではありません。おとちゃんのおもちゃ作りは楽しい。
ただ、Hanako本誌での連載は16回目に突入。おもちゃのアイディアに悩むことも増えてきました。
しかも今回は出張先。アウェーです。
タコスなど食べながら考えるも、アイディアは浮かばず。
そういえば村東さんが、「スポーツネタとかもいいんじゃない?」と言っていたなあ、と思い出します。
アイディアが浮かばないままホテルに戻り、夜はインターネットでインコの動画を研究(ほぼ趣味)。
動画の中には、垂直に貼られたロープや壁を、くちばしと脚を使って器用によじ登って遊ぶインコさんたちの姿がありました。
そこで、私はこうひらめいたのです。
壁をよじ登るのが得意
→壁をよじ登るスポーツが得意
→ボルダリングが得意
「おとちゃんはボルダリングが得意だし大好きに違いない」
次の日の仕事おわり、私は材料を調達するため、百円ショップへと向かいました。
(こういう横に長いショッピングセンター、地元を思い出します、好き)
調達した材料は、色付きの紙粘土と、白いバインダー、接着剤。ホテルの部屋で作業開始。
紙粘土をこねて、みようみまねでボルダリングのとっかかり(ホールドというらしい)をつくり、
たくさんならべて接着剤でバインダーに貼り付け、
しばらく乾かす。
(さわらないで下さい、はホテルの方へのメッセージ)
そうして1日後、
命名「ボルダリング」の完成です。
我ながら、けっこういい。それっぽい。
ひょいひょい、って感じで登ってくれることを想像しつつ、発送。
おとちゃんどうだった?
後日、村東さんから、おとちゃんの写真とともに、おもちゃで遊んだ報告が。
以下の写真は、撮影・村東剛さんです。
あ、おとちゃん。私がつくった壁の前に立ってます。
見てる見てる。興味は持ってくれたのかしら。
どこから登るべきか、考えているのかな。
登って登って!ひょいひょいって。
えっ
翔んだ。
そして着地。(ちゃっかり頂上に)
たしかに、そりゃそうだ……。
なぜ気づかなかった、私。
次こそ、おとちゃんに心から気に入ってもらえるものを作ります。
〈村東剛さん・プロフィール〉
むらひがし・ごう/おとちゃんの飼い主であり、関西在住のカメラマン。写真集『インコのおとちゃん』が好評発売中。おとちゃんの近況は、ブログ『おとちゃんノート』でチェック。