今度はどの美術館へ?アートのいろは 「日本・スウェーデン外交 関係樹立150周年記念 カール・ラーション スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家」展へ。
ラジオ番組で美術展を紹介するうちに美術館巡りの面白さに目覚めたというDJAIKO62さんがおすすめする、今見ておくべきアートとは?。コラム連載7回目は、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「カール・ラーション展」をご紹介。「こんなお家に住んでみたい!」と思わずテンションの上がる素敵なインテリア、そして絵画を存分に堪能してください。
スウェーデンの素敵なインテリアに深い影響を与えたカール&カーリン・ラーション。
北欧といえばおしゃれなインテリアがまず思い浮かびますよね。無駄がなくシンプル、実用的であることやセンスも必要とされます。そのお手本ともなったのがラーション一家の暮らしです。スウェーデン・ストックホルム出身のカール・ラーションは美術学校を出た後、挿絵画家としてキャリアをスタート。その後フランス留学時にその後の作風にも大きく影響することとなる妻・カーリンと出会い、国立美術館やオペラ座の壁画まで手掛ける、国を代表する画家となりました。
上の写真は今展開催にあたり、彼らが過ごしたリッラ・ヒュットネースの居間をイメージして現代版にアレンジ、「IKEA」の家具をコーディネートした空間です。実は「IKEA」のホームファニッシングの原点はカール・ラーションの暮らしがルーツとなっているんです。
もしもパリに行ってなかったら。
パリ留学時には妻カーリンだけではなく、日本美術との出会いもありました。特に浮世絵には強く魅了されたそう。
ポスターにもなっている作品で、画面の手前・真ん中に大きくアザレアが配置され、モデルとなった妻カーリンはその隙間からのぞくように描かれています。カーリンの作業部屋の明るい雰囲気をアザレアに託し強調した、浮世絵にならった手法です。
描かれた時のエピソードとして伝わる話をする「カール&カーリン・ラーション家族会」会長のOskar Nordström Skans(オスカー・ヌードストローム・スカンズ)さん。右奥の子供が「絵に描かれるなら」ときれいにベッドメイキングをするも、「いつも通りがいい」と元のようにぐちゃぐちゃにされてしまったそう。
丁寧な暮らし。
ストックホルムから電車で約2時間、スンドボーン村に今も記念館として残るラーションの家〈リッラ・ヒュットネース(小さな精錬小屋)〉。夫妻がリメイクした18世紀の骨董椅子、そしてカーリンデザインのクッション。布部分は複製で、オリジナルはケース内に展示されています。
こちらが本来椅子にはられていたオリジナル、北斎漫画に影響されたとされるカエルの姿もかわいい!
日本の家紋や落款をモチーフにしたという「テーブルクロス・家紋風の模様」(左)はとてもユニーク!写真右「スンドボーン・ブランケット」は一目見ただけでネイティブ・アメリカンのアートからインスピレーションを受けたのがわかりますよね。
ギフトショップもかわいいものがいっぱい!今の生活、部屋に一つ取り入れるところから真似してみたいスウェーデンの暮らしですね。
【「日本・スウェーデン外交関係樹立150周年記念 カール・ラーション スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家」展 開催概要】
■会期:2018年9月22日(土)~12月24日(月・休)
■休館日:月曜日(ただし9月24日、10月1日、8日、12月24日は開館)
■開催時間:10:00〜18:00(ただし、10月3日(水)、26日(金)、12月18日(火)~23日(日曜は19時まで)※入館は閉館の30分前まで
■会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
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