インテリアスタイリスト・石井佳苗さんと考える物語のあるインテリア。 早く買えばよかったと思うはず。汎用性抜群の名品〈バタフライスツール〉のすごさ
あの家具や照明はなぜ人気? SNSで話題のアイテムをピックアップし、インテリアスタイリスト・石井佳苗さんとその魅力を検証。美しさや使いやすさの背景にある物語を読み解きつつ、取り入れたくなるスタイリング術も紹介します。スツール編はTendo(天童木工)のバタフライスツールです。
アイテム別スタイリング
【ソファ編】ligne roset(リーン・ロゼ)のロゼトーゴ(1P)
【イス編】Knoll(ノル)のチェスカチェア
【照明編】Louis Poulsen(ルイスポールセン)のパンテラ
【キャビネット編】Magis(マジス)の360°コンテナ
1つあれば何役も。日本の職人技が生んだ名作。
「ラクに動かせるので、好きな場所に運んで腰掛けたりサイドテーブルにしたり、ソファの前に置いてオットマンにしたり、とフレキシブルに使えます。何より素晴らしいのは、時代を超えた良いデザインだな、技術の結晶だな、と心から思えること」
石井さんがそう話す。戦後のプロダクトデザイン界を切り拓いたデザイナーの柳宗理が、1956年に発表したのが「バタフライスツール」。2枚の合板を金具で繋いだ形が蝶々に似ていたことから、この名が付いたらしい。図面よりも手の感覚を信じてデザインをしていた柳は、紙を切ったり折ったり曲げたり……という手遊びをする中で、この形を思いつく。そして、日本でいち早く「成形合板」の技術に着目していた山形県の家具メーカー〈天童木工〉とともに、3年かけて完成させたのだ。
成形合板とは、厚さ1㎜ほどの薄い板を、1枚ずつ木目が交差するように重ね合わせて接着し、熱を加えて曲げたもの。この技術によって、軽くて頑丈で、かつ美しい3次元の曲面を描くジャパニーズデザインのアイコンが生み出された。
「モダンで機能的ですが、柔らかさがある。眺めているだけで気持ちがほぐれ、インテリアにも優しい雰囲気が生まれます。だからこそ、多くの人に愛され続けてきたんでしょうね」
Tendo(天童木工)バタフライスツールのインテリア実用例
インテリア好きのかたはTendo(天童木工)バタフライスツールをどのように取り入れているのでしょう。愛用している方々の部屋を見せてもらいました。
@yu_at.m さん
「椅子として使うだけではなく、サイドテーブルにしたり、美術品として眺めたりも。普遍的な美しさです」。バタフライスツール(ローズウッド板目)
詳しくはコチラ@yu_at.m
@kukkurakazumy さん
「季節に合わせクッションカバーを替えています。置く場所も時々変えると、眺めも変わり、いいアイデアが浮かびます」。バタフライスツール(メープル板目)
詳しくはコチラ@kukkurakazumy
@so_sato_house さん
「靴を履く際の腰掛け、デスクチェアのオットマンなど、色々な場面で重宝します」。バタフライスツール(ローズウッド板目)、専用クッション(グリーン)
詳しくはコチラ@so_sato_house