お笑い芸人・ヨネダ2000にインタビュー。
HANAKO PEOPLE story#12

LEARN 2023.04.07

日々の記憶や感情、自分を取り巻く物事の中から、気になる3つのキーワードについてインタビュー。パーソナルなストーリーが紡がれます。第12回は、お笑い芸人・ヨネダ2000が登場。

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Theme #1 動物

まずはヨネダ2000の餅をつく方、愛から話したいと思います。私は物心ついたときからたくさんの動物たちと暮らしていました。犬と猫3匹、ハムスターのほかに、金魚やスッポンモドキ……。スッポンモドキはスッポンに似た、豚みたいな鼻を持つ亀の仲間で、とてもかわいいんです。夏にはカブトムシやクワガタも飼っていたし、生き物は本当になんでも好きです。好きが高じてドッグトレーナーの専門学校にも通い、しつけアドバイザーなど犬猫の飼育に関する資格を6つとりました。もともと母が動物好きで、その影響を受けて私も好きになったのですが、一人暮らしの今も猫を1匹飼っています。家に猫がいることが忙しい日々の大きな癒しになっています。その子と出会えたのも母のおかげ。母が偶然、近所に流れている川の窪地で猫が落ちているのを見つけたんです。雪の日だったのでどうしても助けたいと保護をしたそうです。そうしたらその猫が妊娠していることがわかった。川の近くで出産する場所を探していたのかもしれません。保護して1週間で3匹産んで、そのうちの1匹を私が引き取りました。母がすでに、カボス・スダチ・ユズと三兄弟に名前をつけていたので、そのままカボスと呼んでいます。ドッグトレーナーの学校に通っていた、というと犬好きと思われそうですが、私は完全に猫派。犬ももちろん好きですが、

猫のあのマイペースな距離感、まったりとした感じが自分と合うなと思います。

カボスは家に私が帰ってくると“にゃ〜”と鳴きながら出迎えてくれるし、膝の上に乗ってくるし、同じ枕で寝たりもする。かなりの甘えん坊。そこが本当にかわいい!でも、やっぱり猫ですから、たまに私が仕事に行かず、家にずっといたりすると“今日は出かけないで、まだいるんですか?”みたいな顔もします。また逆に、早く帰ってきたりすると“もう帰ってきたんですか?”みたいな顔もする。そういう顔をされるのもなんだか心地いいものです。「たまには早く帰ってくる日もあるんだよ」などと猫と会話している時間がなにより楽しい。芸人になるために家を出て一人暮らしを始めてから数年は、動物がいない暮らしをしてたのですが、カボスを飼うことになって、やはり自分には動物がいる生活の方がいいんだ、大事な存在なんだなと感じています。今はこの子と一緒に幸せになりたいなと日々思っています。

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Theme #2 洋服

次はヨネダ2000の誠が発表します。私が今もっとも気になっているのはファッションです。とはいっても、洋服に詳しいわけではなくて、ただ漠然とイギリス人みたいな服が着たいとずっと思っています。イギリス=かっこいい! と目覚め始めたのは高校生くらいのころ。最初はビートルズの着ている衣装を見てかっこいいなと思いました。昨年のMー1のネタの「ロンドンに行って餅をつく」という発想も、私のイギリス好きから生まれたものです。学生時代は、いわゆるツイードのジャケットなどは値段も高くて手がでないし、どうすればイギリス紳士みたいな服装が自分の顔立ちや首の長さでも似合うようにアレンジできるのかもわからなかった。ただ眺めるだけでしたが、

まず一歩でいいからイギリスと距離を縮めたい、自分に似合うものを見つけたい

と思うようになりました。ひとつ、これが欲しいなと思っていたのは、〈バブアー〉というイギリスのアウトドアウェアブランドのアウター。欲しいなと思っていたら、同じ事務所の先輩コンビ・素敵じゃないかの吉野(晋右)さんが着ていて。めちゃくちゃいいなと思いました。紳士っぽいイギリスに憧れる一方で、革ジャンなどのパンクっぽいイギリスにも憧れているのですが、吉野さんはかっこいい革ジャンを着ていることもある。私の中では全部持ってる人!という印象です。

私の一つのトレードマークになっているマッシュルームカットもビートルズの影響なんです。たまに「イギリス人 髪型」でも検索をしていますが、なかなか自分に似合うものが見つからずに、このマッシュルームカットが定着しています。私の実家は理容室を営んでいるので髪は父に切ってもらっています。父は私に髪を伸ばしてほしいみたいですが、これ以外にしっくりくる髪型がないので、申し訳ないですが、しばらくこれでいきたいと思います。

もともとは古着が好きで、兄に下北沢や高円寺の古着屋さんに連れていってもらっていました。今着ているヨネダ2000の衣装も古着屋さんで偶然見つけたんです。どういう衣装がいいんだろうと悩んでいるときに、今、愛さんが着ているイルカのTシャツを見つけて。愛さんはこれにしようとなって、私はどうしようかなと悩んでいるときに、さっきも登場した(素敵じゃないかの)吉野さんが「それ新衣装?いいね」と声をかけてくれた。私は私服で古着の緑のトレーナーを着ていただけだったんですけど。「それ、衣装でもいい感じだよ」と言ってくださったのがきっかけとなり、そのまま衣装にしちゃおう、となりました。……吉野さんはヨネダ2000のファッションにおけるキーパーソンかもしれません。

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Theme #3 コンビの会話

誠「コンビでの会話は…私が一方的に話しかけています」
愛「私は基本的にスルーしているんです。だって、誠はずっとしゃべっているんですよ。しかも、よくわからないことを。さっきも目黒駅に着いたら“わあ、ここ大宮駅みたい!”って言うから、ちょっとどういう意味かな?と考えたけど、そもそも大宮駅のことがよくわかんないもんな、と思って、考えるのも答えるのもスルーしました」
誠「会話のきっかけになれば、といろんなことを言ってしまうんです。移動中の車でも“目的地に着くまでにすれ違う赤い車の台数を、お互い数えて言い合おうよ”などと提案するんですけど、愛さんは“やらない”ときっぱり断るので……」
愛「だって、やらないでしょう。意味がわからないですよね」
誠「だから私だけ数えて、発表なしで終わりです。心の中で7台でしたな、と思って終わり…」
愛「これに全部付き合っていたら大変なことになりますから。聞くのはネタの話だけです」

「ネタもいきなり始めることが多いです。最初のリアクションが見たいんです」

愛「だから、たいてい笑っちゃいますよね。でも、本当にわからないときは、わからないとはっきり言います」
誠「もちろん大勢を笑わせたいのですが、サイアク愛さんさえ笑ってくれたらいいと思ってやっているところがある。だから2人だけでウケちゃうことも多々あります」
愛「楽屋で2人とも転げ回るくらい笑っていたのに、舞台でやったらめちゃくちゃスベることもあるよね。スベりそうだなってわかってたんですが、でも2人で盛り上がったし、やりたいからやっちゃえって」
誠「案の定スベってしまって、そりゃそうかって楽屋でまた2人で大笑いして。そういうのが楽しいんです」
愛「私たち、共通点はお笑いだけなんですよ。趣味も、好きな音楽や服装も真逆かなと思うくらいに違う。だけど面白いと思うツボは同じ。だから信頼できるというのはありますね」
誠「愛さんが面白いと言ってくれれば大丈夫。それがヨネダ2000のぶれないところです」
愛「だからケンカもしないよね」
誠「ケンカにならない。先日も愛さんの持っていたおからクッキーがおいしそうだから手から奪って逃げたら本気で追いかけてきちゃって…」
愛「そりゃ追いかけるでしょ」
誠「でも、気づいたら2人で手をつないで走って大笑いしていた。結果、クッキーも無事ゲットできてよかったです」

photo : Mariko Kobayashi hair & make : Manami Honda text : Kana Umehara

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