春においしい沖縄食材図鑑|島の魚 (ISLAND FISHES)
豊かな自然に囲まれた沖縄。そこに育つ食材は健やかそのもの。これからご紹介する野菜と魚、あなたはどれだけ知っているだろうか。食材を知ることは沖縄の文化と歴史に自然と触れることである。
島の魚を知れば知るほど、 きっともっと沖縄好きに。
チャンネル登録者数100万人超えのユーチューバー集団「ハイサイ探偵団」。釣りやサバイバル、DIY、料理、観光など、幅広い分野の情報を発信しているのだが、中でも人気の高い釣りセクションを担当するのが遊漁船船長の与那城守幸さんだ。沖縄の海を知り尽くす彼に、魚のガイドをお願いした。
「春を過ぎると産卵期に入る魚が多いので、魚を食べるなら春がいいかもです。沖縄の魚は大味だとか、美しい色の魚はおいしくないと思い込んでいる方も多いかもしれませんが、沖縄の魚、実はおいしいんです。先入観を捨てて、三大高級魚や近海もののマグロにもぜひトライしていただきたい。刺身屋では、街角グルメの揚げたての天ぷらもぜひ」
アカジン(スジアラ)
アカジンミーバイとも呼ばれる。和名はスジアラ。沖縄三大高級魚①。一本釣りか潜って獲るのが一般的。市場では2〜3キロの大きさが中心だが、5キロほどになるものも。刺身、煮付け、天ぷら、あら煮など、応用自在。
マクブ(シロクラベラ)
沖縄三大高級魚②。和名はシロクラベラ。ベラの仲間だ。比較的浅いところに生息していて、貝やエビ、カニ、ウニなど甲殻類を食べるグルメ(!?)。何といっても刺身がおいしい。アラは味噌汁にすると、いいだしが出る。
アカマチ(ハマダイ)
沖縄三大高級魚③。水深300〜400mの深いところで育つ。和名はハマダイ。クセがないので、焼いても煮ても揚げてもおいしい万能魚。おすすめは刺身。姿形が美しいので、お祝いごとやお正月などには姿盛りにすることも。
タマン(ハマフェフキ)
口が尖っていて笛を吹いているように見えるから、和名はハマフエフキ。延縄漁で獲ることも。人気の高い高級魚で、刺身にすることが多いが、カルパッチョや、セビチェなどにも。マース煮やバター焼き、塩焼きにもいい。
シルイユ(シロダイ)
水深50〜100mぐらいの浅瀬にいる白い魚。和名はシロダイ。タイといっても真鯛の面影はないが、上品なお味のやや高級魚。大きいほど味がいいとされる。一本釣りが多い。刺身やバター焼き、マース煮、フライなどに。
シチューマチ(アオダイ)
身質がよく、味わい深い。居酒屋でも登場する手頃な魚。熱を加えても硬くならないので、刺身だけでなく、汁ものや煮付け、塩焼きやポワレにもいい。和名はアオダイ。主に、水深100m以上の深いところに生息している。
グルクン(タカサゴ)
沖縄の魚を知らない人でもこの名を聞いたり食べたりしたことはあるはず。県魚でもあり、安くておいしい食卓の味方。和名はタカサゴ。水分が多いので、じっくり揚げることでさくさくの唐揚げに。塩焼きにも合う。
チヌマン(テングハギ)
チヌとつくがチヌ(クロダイ)の仲間ではない。額のところから前に角が出ているユニークな風貌。天狗の鼻のように見えたのか、和名はテングハギ。独特の臭みがあるが、漁師が好んで食べるそう。ホイル焼きやBBQに。
イラブチャー(ヒブダイ)
ヒブダイ、ナンヨウブダイとも呼ぶ。ブダイの総称でもある。浅いところに生息しているので、夜潜って、眠っている魚を突くという。マクブやチヌマンも寝込みを襲うそう。淡白であっさりしているので、マース煮などに。
アシチン(リュウキュウドロクイ)
コノシロやコハダの親戚にあたる。和名はリュウキュウドロクイ。コノシロのように小骨が多いので、骨切りして刺身に。コリコリした食感が特徴。コハダのように酢〆にしても。また、なめろうのように味噌和えもおいしい。