加賀谷 香(左)かがや・かおり/コンテンポラリーダンサー。加賀谷香Dance-SHAN主宰。振付家としても活躍しており、近作に、ミュージカル『FACTORY GIRLS』など。
柚希礼音(中)ゆずき・れおん/ダンスの実力で宝塚歌劇団入団当初から注目され、2009年より6年にわたり星組トップスターとして活躍。近作に舞台『COLOR』などがある。
黒田育世(右)くろだ・いくよ/振付家、ダンサー。自ら主宰するBATIKの公演のほか、国内外で活躍。振付家としてNODA・MAPなどの演劇作品にも参加している。
波と暮らしてアイキャッチ

話題の作品がふたたび。
黒田育世振付の『波と暮らして』 稽古場トーク。 LEARN 2023.03.20

日本を代表するコンテンポラリーダンサー・黒田育世さん。美しく躍動的なだけでなく、切なさや熱情、ときに痛々しいほどの激しさを交えた身体表現は、観客の心を直接揺さぶるようなエネルギーに満ちている。その黒田さんの過去の名作が、新たな才能を得て再演に。波と画家の男の出会いと別れを描いた短編小説に着想を得た『波と暮らして』は、元宝塚歌劇団の柚希礼音さんが〝ある男〟を、〝波〟を黒田作品経験者であるダンサーの加賀谷香さんが踊る。

「ひとつひとつの動きすべてにストーリーや想いがある」

黒田育世(以下、黒田) 昨日、作品のヤマ場のシーンを稽古したんですが…すごく幸せでした。美しいフォルムで踊れる方はたくさんいらっしゃいますが、ちえさん(柚希さんの愛称)の踊りにすごく奥行きを感じたんです。作品の背景と、それ以上に、数々の舞台で責任を背負ってきた方の精神力とか筋力というのかな。それはなかなか巡り合えない美しさなので、本当に感動しました。

柚希礼音(以下、柚希) 私自身も、自分の人生の中でも、なかなかないすごいことに挑戦している気がしているんですよ。コンテンポラリーダンスは過去に少しだけやったことがあったんですが、まだまだ体の使い方と心の流れとがフィットしていかないことも多いんですよね。黒田さんは、それがなぜうまくいかないのかまで追求して、丁寧に教えてくださる。毎日発見や学びがあるし、やればやるほど、これはすごい作品だなって感じることも多いです。

加賀谷香(以下、加賀谷) 育世さんは純粋にダンスを踊ることを大事にしてくださる方なんですよね。そういう環境で一緒にやれて嬉しいです。

黒田 私もカオさん(加賀谷さんの愛称)とやらせていただくと、自分の作品ながら教わることが多いんですよ。準備魔の私が去年の夏から何度も何度も作品を反芻しながら考えてきたことの、その先の回答を、いつも見せてくださるんですよ。

加賀谷 全然無自覚(笑)。

黒田 そう。ふたりとも無自覚にできているからすごいんですよね。

柚希 今回の私の役は、これまで男性のダンサーが踊ってきたじゃないですか。そこはどうしたって男役の踊りとは違うから、カオさんがやりづらいんじゃないかと心配で…。

加賀谷 全然。1ミリも感じてないですよ。それより私、ちえさんと踊って驚いたのが、あまりの壁のなさ。ダンサー同士でも、とくにデュオ作品の場合、最初は相手と互いを探り合うところから始まるんだけど、それが全然なくて、最初から開いてきてくれる。みんながちえさんを慕う理由はこれかって思ったな。

柚希 振り付けで何度もお世話になったカオさんが相手だからだと思います。あと、黒田さんの振り付けって、ひとつひとつの動きすべてにストーリーや想いがあるじゃないですか。普段、歌や芝居や映像や字幕とかに頼っているものを、体の動きひとつで表現するってすごいです。

黒田 (笑)。あんなしっちゃかめっちゃかに見える振り付けだけど、じつはメッセージまみれなんですよね。

柚希 だからなんとなくで踊っていると、すぐに気づかれちゃう。

加賀谷 でもそこがちゃんと入れば、あとは向かえばいいだけだから。

黒田 『波と暮らして』はすごく物語性豊かで、見ると愛し合うことを思い出したり憧れたりできる作品なので、映画を見るような気分で楽しんでいただけたらと思います。

加賀谷 香(左)かがや・かおり/コンテンポラリーダンサー。加賀谷香Dance-SHAN主宰。振付家としても活躍しており、近作に、ミュージカル『FACTORY GIRLS』など。
柚希礼音(中)ゆずき・れおん/ダンスの実力で宝塚歌劇団入団当初から注目され、2009年より6年にわたり星組トップスターとして活躍。近作に舞台『COLOR』などがある。
黒田育世(右)くろだ・いくよ/振付家、ダンサー。自ら主宰するBATIKの公演のほか、国内外で活躍。振付家としてNODA・MAPなどの演劇作品にも参加している。
加賀谷 香(左)かがや・かおり/コンテンポラリーダンサー。加賀谷香Dance-SHAN主宰。振付家としても活躍しており、近作に、ミュージカル『FACTORY GIRLS』など。
柚希礼音(中)ゆずき・れおん/ダンスの実力で宝塚歌劇団入団当初から注目され、2009年より6年にわたり星組トップスターとして活躍。近作に舞台『COLOR』などがある。
黒田育世(右)くろだ・いくよ/振付家、ダンサー。自ら主宰するBATIKの公演のほか、国内外で活躍。振付家としてNODA・MAPなどの演劇作品にも参加している。

黒田育世 再演譚 vol.2 『波と暮らして』/『ラストパイ』
2本同時上演

波と暮らして

3月22日(水)~26日(日)、Bunkamuraシアターコクーンにて。
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
TEL:03-3477-9999(Bunkamuraチケットセンター、10:00~19:00) 
料金:S席9,500円、A席7,000円、コクーンシート5,500円 
出演:『波と暮らして』柚希礼音、加賀谷香 『ラストパイ』織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.) 
大阪公演あり。

柚希さん衣装:Tシャツ10,670円、オールインワン46,200円(共にADIDAS BY STELLA McCARTNEY|アディダスお客様窓口 0570-033-033)photo : Mariko Tosa styling : Noriko Goto (no.23) hair & make : Makiko Hayashi text : Lisa Mochizuki

Videos

Pick Up

夏の風物詩、鵜飼鑑賞を〈星のや京都〉専用の屋形舟「翡翠」で。三味線の生演奏が流れる、1日1組だけの雅な「プライベート鵜飼鑑賞舟」は9月23日まで。忘れられない、 ふたりだけの 夏のバカンス。〈星のや京都〉東京を拠点にする料理家と京都を拠点にするアーティスト、ふたりは数年来の友人。はじめてのふたり旅、選んだ場所は、京都の奥座敷・嵐山。喧騒から離れ、ひっそりとした地で、季節を味わい、いつもとは異なる会話とともに過ごす。TRAVEL 2023.08.31 PR
SP用トップ画像ハナコラボ パートナーが楽しむ、とっておきのホテルステイ実現の理由とは。これからの旅にはホテル提携のクレジットカードがお得! 〈ヒルトン小田原リゾート&スパ〉編。久しぶりに行動制限なしで外出を楽しめる今年は、旅行へのモチベーションが高まっている人も多いのでは。旅で使うお金や日常生活の支払いを一つのクレカにまとめると、ポイントや特典がついてお得に。貯めたポイントを次の旅行でも使えたりするから、クレカ選びは大切。今、旅行好きでコスパや特典重視の人たちにおすすめしたいのは、とっておきのホテルステイを驚くほどお得に実現できてしまうカード。 中でも注目すべきは「ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード」。料金の上がりがちな週末に世界中のヒルトングループのホテルに一泊無料で宿泊ができる「ウィークエンド無料宿泊特典」などがあり、年会費の元があっという間に取れてしまうと評判です。そこで、旅行好きのハナコラボ パートナーの二人がこのカードを体験してみました。毎日の決済やヒルトンでの滞在などでカードを利用しポイントを貯めている様子や、どんな特典を楽しんだかをリポートします(抽選で100名さまにAmazonギフトコードカード500円分が当たる読者アンケートを実施中。回答は記事の最後から) (PR/ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス®・カード)LEARN 2023.08.31 PR
ヘアメイクアップアーティスト・草葉妙子さん 〈+CEL〉ランドセル〈+CEL〉インタビューvol.3 (後編) ヘアメイクアップアーティスト・草場妙子さんが受け継ぎたいメイクアイテムのケアの仕方。ランドセルブランド〈+CEL〉と子どもたちへ受け継ぎたいものについて話を聞くインタビュー企画。シリーズ3回目に話を伺ったのはヘアメイクアップアーティストの草場妙子さん。前編で受け継ぎたいものとしてあげてくれた「メイクアイテムのケアの仕方」について、どんなことを知っておくといいのか、教えてもらう。そして〈+CEL〉のランドセルもチェック。普段、使用するメイク道具も試供品はほとんど使わず、必ず店頭でみてから購入して選んでいるという草場さん。もの選びにこだわりを持つプロの視点、そして6年間の小学生ママ経験者として、〈+CEL〉のランドセルはどう評価する?MAMA 2023.08.17 PR
ヘアメイクアップアーティスト・草葉妙子さん〈+CEL〉インタビューvol.3 (前編) ヘアメイクアップアーティスト・草場妙子さんがみつけた、 子育てと仕事のちょうどいいバランスの取れる場所。日常使いできるナチュラルなメイクと、メイクをすることのシンプルな喜びを教えてくれる、ヘアメイクアップアーティストの草場妙子さん。彼女でなくては、と指名する女優やモデルも数多い。日々撮影を抱え、スケジュールに追われる中でも新しいコスメアイテムの探求にも余念がない(その様子は彼女のインスタグラムでもおなじみ)。仕事にいつも真摯に取り組む一方で、草場さんは家族を愛するひとりの母でもある。 ランドセルブランド〈+CEL〉と一緒に“子どもに受け継ぎたいもの”を訊くインタビュー企画。今回は、今、中学1年生だという娘さんに草場さんが受け継ぎたいものについて、そして草場さんの子育てに対する今の気持ちを訊く。MAMA 2023.08.12 PR