さあ、行くわよ? きゃりーぱみゅぱみゅの 「大人なLADYになるわよコラム」第41回〜『大切な人に「好き」と言えるようになるわよ』〜
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第41回は「お別れ」のお話。
『大切な人に「好き」と言えるようになるわよ』
皆さま、ごきげんよう。最近、死について考えることが増えた、きゃりーぱみゅぱみゅです。
韓国やインドで起きた事故だったり、つい最近までテレビに出ていた方の訃報だったり、最愛のペットが虹の橋を渡った報告だったり…。
そういうニュースやSNSの投稿を見るたびに、昨日まであんなに元気だった人やペットが急死することって、けっこうあるんだとショックを受けます。
だからこそ、自分が会いたい人にはちゃんと会いに行きたいし、好きな人には好きっていう言葉をちゃんと伝えたいとつくづく思う今日この頃です。
振り返れば、きゃりーチームの一員として、ずっとデザインを担当してくれていた“赤兄”が急逝して、早いものでもう1年が経とうとしています。
赤兄のことを私は普段からめちゃくちゃ尊敬していたし、ご本人がいないところで「赤兄ってすごいですよね」と話したりはしてたんですけど、直接その気持ちを赤兄に伝えたことって、たぶんなかったんですよね。
身内としていつも一緒にいるのが当たり前すぎて、一緒に写真を撮ったりしたこともありませんでした。
まさかこんなに早く亡くなってしまうだなんて思ってもいなかったから、ちゃんと尊敬や感謝を伝えることが結局できないままで、それが本当に悔やまれます。自分の気持ちをちゃんと言えたのは、最後に棺の中に入れたお手紙が初めてでした。
こういうことって、これから先もきっとあるんだと思います。だから、大切な人に「好きだ」という気持ちを常日頃から伝えていきたいな…と。
そんな思いがあるからなのか、ライブ中に今まで恥ずかしくてなかなか言えなかった「大好きだよ~!」も、最近はわりと自然に出てくるようになった気がします。
デザイナーとして私を支えてくれた赤兄もそうですし、いつも私を応援してくれているファンのみんなに本当に感謝です。大好きです。
自分が死んだくらいじゃ、何も変わらないのはもちろんわかってるんですけど、「こんな楽しいこともあったよね」と、いつまでも思い出してもらえるような活動をやっていけたらなと思っています。
物事にはいつか必ず終わりがあるんだと意識すると、こうやって感謝の気持ちが湧いてきます。
まだそんなことを1ミリも考えたことがなかった昔の私は「これが私やで!」みたいな感じでステージに立ってましたけど、今はみんなのおかげでステージに立てているし、こうやって元気に生きていられるんだと思っています。そうです、あざす感謝法人です。
“有ることが難しい”と書いて「ありがたい」。
無いのが当たり前なんだから、有る時点でそれには価値があって「有り難い」。
だから命は尊いし、生きることとは「有り難い」と噛みしめる感謝そのものなんだろうと思います。死を意識することと、改めて感謝について考えることって、実は表裏一体なんですね。「ありがたい」という言葉は本当に奥が深いです。
なんだか瀬戸内寂聴先生のお話みたいになってしまいましたw が、まだまだ続けます。
とあるスピ界隈の人の話によると、天国はただただ幸せしかないところらしいです。その人いわく、
「なーに言ってんのよ~! あっちなんて今すぐにでも私行きたいわよ~!」
というくらい、ずっとそこにいたいと誰もが思ってしまうような場所なんだそうです。つまり亡くなった人はみんなハッピーで、もう会えないとメソメソしてるのは地上にまだいる私たちだけ、ということなんですね。
だから、「天国にいるほうが幸せなんだ。そこにずっといたいんだ。いいな~。地上の私たちは毎日毎日『何食べよ?』とかに追われてて忙しいけど、あっちは時間や食べ物の概念もないし、本当にゆっくりできてるのかも…」
こう考えると私はちょっと気持ちが楽になります。
きっと、人やペットとの関係って肉体と肉体じゃなくて、ほんとに魂の話なんですよ。死って怖いし悲しいし、とても寂しいことだけど、魂と魂の関係で考えれば大丈夫なんだと思います。
で、しばらく天国で過ごしたあとは、輪廻転生して生まれ変わるそうです。ただ、それが地球なのか他の星なのかはわからない。その人はあっけらかんとして、こう言ってました。
「私はもう次は地球には生まれてこないわね~。これがラスト地球。次はもうここには来ないから」
まあ、たしかに今は地球がちょっとおかしくなりつつあります。
北朝鮮のミサイルだったり、戦争だったり、コロナだったり、いろんなものの値上げだったり…。地震があるたびに「富士山噴火いつ?」と騒がれたりして、不穏な足音が、ジワリジワリと近づきつつあるのを感じる毎日です。
そんな大きな話じゃなくて私個人のレベルの話であっても、ソロで活動しているから自分がコロナに感染したらすべて台無しになってしまうプレッシャーがめちゃくちゃあって、この3年間ずっと不安を抱えながら生きています。
そこに追い打ちをかけるかのように、SNSに飛び込んでくるショッキングな動画。それを開くと今度は「心の窓口」みたいな連絡先まで出てきて、心がますますざわつきます。
目を閉じると、頭をよぎりだす不安。今日も眠れない夜を過ごすことになりそうです…。
「寝るときに明日がないと思って寝れば安眠できる。起きたときに地球がないと思って寝る」
これは以前、叶恭子さんがおっしゃっていた言葉です。
もはや起きるのが前提ではなくて、まるで死のような寝方ですが、「明日には地球が滅びてるんじゃないか?」みたいな気持ちでいると、楽になってスヤ~ッといけるんだそうです。
本当に不安だらけなこんな時代だからこそ、さっきの死の捉え方や、この恭子さんの言葉みたいに、Hanako読者の皆さんも何か自分がホッとできる考え方や視点をぜひ探してみてください。そうすると、少しは楽になれるかもしれません。
ちなみに私は最近、ちょこちょこ貯金を使うようになりました。もう明日は地球がないだろうと思い切って。今はただただカードの請求が不安です?