ハナコラボSDGsレポート ファミリービジネスとしてボウリング場を存続させるための取り組み|〈Krossing inc.〉CEO・KIKI

SUSTAINABLE 2022.12.08

ハナコラボ パートナーの中から、SDGsについて知りたい、学びたいと意欲をもった人が「ハナコラボSDGsレポーターズ」を発足!毎週さまざまなコンテンツをレポートします。今回は、〈Krossing〉CEOとして活躍するKIKIさんが、〈日本ボウリング場協会〉の武田会長に話を伺いました。

いまあるものを大切にしながら次の世代に引き継ぐ。
きれいな海や森林はもちろん、洋服やバッグ、アクセサリーなどの日用品、そして家屋などの建築物も同じ考えができるのではないでしょうか。新しいものを手に入れるのではなく、前の世代から受け継いだものを丁寧に手入れし、その歴史も含め大切に持ち続ける。歴史や思い入れがあるからこそ、よりそのモノの価値が高まるのだと思います。ただし、それを持ち続けるには時に応じ現代版へのアレンジも必要になってきます。
今回は「企業」をどのように次の世代に引き継ぎ、時代によって変化していく必要があるかを考えました。

SDGs KIKIさん

日本の企業は世界的に見ても「長寿企業大国」として知られており、創業年数が100年以上、200年以上の企業数が最も多い国は日本です。国内の100年企業総数はなんと3万3,076社もあり、2位のアメリカ(約2万社)、3位のスウェーデン(約1万4,000社)を大きく引き離しています。そんな100年企業の9割以上が「ファミリービジネス」(同族経営)。〈トヨタ自動車〉や〈パナソニック〉、〈サントリー〉などもファミリービジネスで会社を成長させてきました。
今回ピックアップした業種は、バブル時代に一大ブームを巻き起こした「ボウリング」。日本中の地元の名士がこぞってボウリング場を立ち上げましたが、ブームは約30年で終わり、それに伴いボウリング場の数も減少。それでも「ファミリービジネス」としてボウリング場を継承し続けている企業が日本全国に多くあります。
しかしブームが過ぎ去ったいま、「ファミリービジネス」としてボウリング場経営を継承している世代はどのようにしてボウリング場を存続させていくかに悩まされています。紀元前からあったと言われている「ボウリング」。エジプトのピラミッドの中からボウリングの原型が出てきたと言われています。そんな歴史あるボウリングを取りまとめている〈日本ボウリング場協会〉の武田会長にお話を伺いました。

〈日本ボウリング場協会〉としての現状の課題

SDGs KIKIさん

ボウリングはバブル期にブームだったこともあり、現在のボウリング場はシニアの客層がメインでHanako世代のボウリング離れが課題。「いまのスタイルを崩さない限りは続かない」と言う武田さん。現在の協会としての取り組みとは。

「宮様チャリティーボウリング大会」。
「宮様チャリティーボウリング大会」。

解決策1「ユニバーサルスポーツとしてのボウリング」
障がい者と健常者が一緒になって楽しむ「宮様チャリティーボウリング大会」。そもそもボウリングは誰でもできるスポーツ。子どもからシニアまで一緒に楽しむことができるのはもちろん、障がいがあっても楽しむことができます。〈日本ボウリング場協会〉は、障がいを持つ方がスポーツをするきっかけになるよう、障がい者と健常者が一緒になって参加する大会を毎年主催しています。

解決策2「健康寿命のためのボウリング
バブル時代にボウリングを楽しんでいた現在のシニア世代では、いまでもボウリングブーム真っ盛り!少子高齢化する社会において健康寿命をのばしていく必要がある中で、実はボウリングは最適なスポーツなんです。体の負担が少ないのに適度な運動になり、天候に左右されることもありません。また、ボウリングをきっかけに仲間づくりをすることができるので、新しいコミュニティや交友関係を構築しづらい世代でも食事や旅行に行く仲間をつくることができます。これにより、健康寿命を伸ばしつつシニア世代の孤立化を防ぐことができるため、今後は老人ホームなどと連携していきたいそう。

解決策3.部活としてのボウリング
スポーツ庁の提言により、公立中学校の休日の部活指導を民間に委ねる「地域移行」が来年以降全国で進められる予定となっています。そこで、〈日本ボウリング場協会〉としてはボウリングを部活動の一環として取り入れていきたいと考えています。先述の通り、ボウリングは子供からシニアまで、そして障がいを持っていても楽しむことができるスポーツ。運動があまり得意でなく、別の競技でなかなか活躍できない子どもでも、ボウリングでは才能を発揮することができるという可能性もあります。部活にボウリングを取り入れることで若い世代のボウリング選手の育成にもなりますし、国内の多様な競技力向上にも寄与できます。

ソーシャルメディアでの発信にも力を入れています

これらに加え、Hanako世代に向けてソーシャルメディアを通じて発信するため、〈日本ボウリング場協会〉ではInstagramでの発信を始めました。立ち上がったばかりのボウリングガールたちのためのコミュニティアカウント「Sakura Bowlers」もぜひご覧ください。

今回はボウリング場経営にフォーカスした内容でしたが、先代から受け継いだものを大切にしながら現代版にアレンジして次の世代に引き継ぐことは、SDGsの観点からも非常に重要なのではないでしょうか。まずは身の回りのことから、始めてみませんか。

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