世界で活躍する振付家であり、ダンサー。 s**t kingzがダンス界のパイオニアたる理由。

LEARN 2022.09.10

世界的ダンスパフォーマンスユニットで、錚々たるアーティストの振付も担当するs**t kingz(以下、シッキン)。4人のダンススキルと表現力を存分に堪能できるのがオリジナルの舞台。2020年に予定されていたツアー『HELLO ROOMIES!!』が、延期を経て満を持してこの9月から始まることに。メンバーから、kazukiさん、Oguriさんのお二人にお話を聞いた。

Oguri(以下、O) 2年前に延期が決まった時は、残念だったものの、全く凹まなかったんです。生配信とか、できることにすぐ目が向いた。とはいえ、今は「やっとツアーができる」という喜びが大きいです。

kazuki(以下、k) そうだね。特に4人での舞台は、シッキンの活動の中でも特別なものなので。

O 今回のツアーのコンセプトを考える時に、まず僕らの強みである
〝ダンスでストーリーを繋ぐ楽しい舞台〟を、ひと言で伝える言葉として〝踊る喜劇〟というアイデアが出ました。それだけじゃ弱いってことで、〝超〟をつけようと。シッキンは〝超〟とか〝スーパー〟とか、中学生っぽいワードが大好き(笑)。

k ダンスの概念を〝超える〟という意味にも捉えてもらえそうです。

O 大変な世の中で、ストレスを感じて溜まっていく、心のゴミにフォーカスしました。観た後、自分の心のゴミと前向きに向き合えそうと感じてもらえたらうれしいですね。

2018年に上演された舞台『The Library』は全国7都市30公演で約2万5千人を動員。図書館を駆け巡る4人のダンスに、笑いの連続。
2018年に上演された舞台『The Library』は全国7都市30公演で約2万5千人を動員。図書館を駆け巡る4人のダンスに、笑いの連続。

―シッキン全員での舞台も素晴らしいですが、4人それぞれの活動も年々幅広くなっていますよね。

k そうですね。僕にとっては、コロナ下に始めたYouTube『カズキのタネ』がそのひとつ。ダンスやダンサーの魅力をライトに伝えられる大切な場になってきました。

O kazukiの初速の速さや熱中度って尋常じゃないんですよ。失敗した時に考えればいいやみたいな。

k めっちゃ失敗してそう!

O 見習いたいって意味だから(笑)。

k Oguriは外部舞台に出るようになったよね。観に行かせてもらった時に、ダンサーとしてではなく、歌とお芝居と殺陣で勝負しているところが誇らしかったです。

kazuki(カズキ)/近年の振付担当曲に、木村拓哉の『I’ll be there』やBE:FIRSTの『S
cream』。「ステージを作る楽しさを改めて感じています」
kazuki(カズキ)/近年の振付担当曲に、木村拓哉の『I’ll be there』やBE:FIRSTの『S
cream』。「ステージを作る楽しさを改めて感じています」

―ところで、皆さんのお仕事を見ると、必ず〝初めて見た振り〟に驚かされます。新しいものを生み出そう、という意識はありますか?

O いわゆる〝バズる〟ダンスを求められることが増えましたね。でも、新しさだけを求めると逆に自由な発想ができないんです。

k 流行の動きってパワーはあるけど、見た瞬間に「あの曲のあの振り」ってわかっちゃって、作品全体として新しくなくなるので、避けます。

O 流行を避けるためにも、ちゃんと情報はキャッチします。映画やお芝居など、ダンス以外のソースからインプットした上で、音楽を聴いた時の体の反応に託したいですね。

k それにしても、時代が変わりましたね。アーティストにとってのダンスの位置づけがすごく大事になってきました。それはうれしいことなんですが、僕ら自身が、振付師としてもダンサーとしても、よりクオリティを高めていかないと!

Oguri(オグリ)/三代目J SOUL BROTHERSから清原果耶、宝塚まで幅広く振付を手掛ける。2021年、映画『孤狼の血 LEVEL2』に出演。近年は役者業も。
Oguri(オグリ)/三代目J SOUL BROTHERSから清原果耶、宝塚まで幅広く振付を手掛ける。2021年、映画『孤狼の血 LEVEL2』に出演。近年は役者業も。

s**t kingzのここがすごい!

・米最大のダンスコンテストを制覇。
2010年、『BODY ROCK』に初出場して日本人として初優勝。ディフェンディングチャンピオンとして出場した翌年、2年連続優勝という偉業を成し遂げ、s**t kingzの名前が国内外に知れ渡ることに。

・国内外の名だたるアーティストの振付を担当。
BLACK PINK、木村拓哉、東方神起、三浦大知、King & Prince、Snow Man、BE:FIRSTなど、350曲以上を振付。「デビュー曲含め約40曲やったDa-iCEのレコ大受賞は感慨深かったです」(Oguri)。

・4人それぞれが個々のフィールドで活躍。
shojiさんは『半沢直樹』や『エール』、Oguriさんも『音楽劇「クラウディア」Produced by 地球ゴージャス』などに出演。NOPPOさんはイラストレーター、kazukiさんはYouTuberとしても活動中。

舞台『HELLO ROOMIES!!!』

DMA-写真-2022-03-26

コンセプトソング『心躍らせて feat.上野大樹』とテーマソング『TRASH TALK feat.Novel Core』はMV配信中。9/14~19東京・新国立劇場中劇場、11/10~13大阪・森ノ宮ピロティホール、11/18~20愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール。

s**t kingz

DMA-4shot

シットキングス/2007年、shoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人で結成したパフォーマンスチーム。2008年、MTV授賞式でマライア・キャリーのバックダンサーを務める。2020年、全曲オリジナル楽曲のダンス映像アルバム『FLYING FIRST PENGUIN』を発表。2021年には、バックダンサーではなく単独で『ミュージックステーション』に出演するなど、新たな道を拓き続ける。

text : Sakiko Koizumi

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