肌に一番近いからこそ自分らしく、心地よく。 スタイリスト木村真紀による「ソロソロ、イイモノ。」Theme #7/ノンワイヤー&ノンパデッドのブラ
似合うものは決まってきたし、あふれるほど欲しいわけじゃない。心地がいい、具合がいい、気分がいい、品がいい。いろんな意味でバランスの「イイモノ」に、少しの特別を添えて。
小学校の頃に信じていた牛乳神話。身長が伸びるからと給食では苦手な友達の分もヒーロー気分でゴクゴク飲み、帰宅してからも1リットルは飲むという日々のおかげか、身長は166㎝まで伸び、学生時代は部活で生かせ、社会人になってからも比較的自由に服が楽しめるという恩恵を受けています。その半面あまり育たなかったのが胸。今ではTシャツがカッコよく着られるという理由で愛せるようになったのですが、思春期は女性らしいふくよかな胸に憧れたものです。
初めての下着は周りに遅れながらも置いてかれまいと試したスポーツブラ。体育や部活で胸の揺れを抑える効果もあったスポブラは、私には締め付けの息苦しさしか与えてくれなかったものの、足並みを揃えるようにし続けた中学生時代。少しずつ色気づく高校時代は、下着売り場やファッションビルの専門店で買うようになったのですが、胸を倍増してくれるパッドと締め付けられるワイヤー入りのブラにどうしてもなじめぬまま、大学生を経て、社会人になりました。
胸は大きい方がいいという価値観が根強かった日本。そんな生きづらい環境から解放されたのがパリへと移り住んだ時でした。ノンワイヤー&ノンパデッドのブラが普通で、取り扱っているブランドも多く、デザインのバリエーションがとても豊富。大きく見せるのではなく個々の胸を尊重し、心地よく着用するといったフランス人らしい考えが、これまでの下着観を刷新してくれました。
最近では日本でもノンワイヤー&ノンパデッドのブラが注目され、インポートも、日本メイドのものも選択肢として増えてきました。トップが目立ってしまうことやホールド力が懸念されることが多いのですが、考え抜かれたデザインや良質な素材力でカバーしてくれるので、まだ体験していないという人はぜひ一度試してみてほしいです。
女性の自然な曲線美を生かすこだわりの素材と設計。
プレイフルな色味と女性の自然な曲線美を生かしたデザインが特徴の〈パケ〉。フレンチシックな外見ながら、バストが横に流れにくく、アンダー部分に負担のないストレスフリーな設計で伸縮性が高く、肌触りが軽やかな生地を使用している実力派。トップの透け感が気になるという人に向けてパッドが取り外し可能に。
パリ発!ノンシャランでモードなアンダーウェア。
スタイリストとしても活躍するヤスミンが手がけるランジェリーは、シックなデザインとドイツのコットンやフランスのレースを使用した肌触りの良さが魅力。ヘルムート・ニュートンにインスパイアされたというラインデザインがグラフィカルな「Serena」は新色のベイビーブルーが新鮮。