【急須を選ぶ。】大事にしたくなる、はじめての茶道具。
急須に湯呑み、そして茶こしや茶さじ…。とっておきを吟味するのも楽しいもの。日本茶インストラクター・市川雅恵さんの解説で、道具の数々をコーディネートとともに紹介します。
茶道具の主役である急須は、素材で持ち味が変わる。「炻器や陶器などの土ものは、淹れるたびに少しずつお茶の成分を吸着し、味わいが育つのも楽しみ。急須の一大産地である常滑焼は初心者にもおすすめです。ガラス製なら茶葉が開く様子やお茶の色を見て楽しんだり、香りの強いお茶を淹れる時にも使えます。また急須の持ち手や形は、使いやすさや好きを基準に選んでかまいません」(市川雅恵さん)
常滑焼の急須を中心に、風合いを育てる道具。
目の細かい陶茶こし、切れのいい注ぎ口など、名産地・常滑の技術が詰まった急須は「最初の茶道具」に最適。貫入が美しい模様を描く湯呑み、作家ものの保存容器やトレーなど、どれも使うほどに風合いが増していく。
冷茶も淹れられる"次世代急須"に注目!
独自のドリップ式でお茶を抽出するニュータイプ。茶葉の個性を引き出したクリアな味わいと、お茶が少しずつサーバーに落ちていく様子が「癒される」と評判。シンプルなカップ&ソーサ―、真鍮の缶、山桜のトレーと合わせて。
相棒として迎えたい急須いろいろ。
1.凛として存在感大。
焼き締めや白磁を中心に作陶する境知子さんの宝瓶は、なめらかな肌と優美な姿が目を引く。口径が広く、洗いやすいのもうれしい。入子茶器 白練 120㎖ 10,890円(南景製陶園)
2.持ちやすい横手タイプ。
オーソドックスな横手の常滑焼。使うほどにお茶の香りを蓄え、無釉の肌がつややかになる。磁器の急須より保温性が高いのも特徴。茶海 ガラス(持ち手なし)150㎖ 1,980円、ステンレス茶こし880円(共に遊茶 TEL:03-5464-8088)
3.急須代わりになるセット。
茶海と茶こしは急須代わりとしても重宝する。土ものの急須は日本茶に、ハーブティーなど香りのあるお茶はこちらにと、使い分けても。「東屋」丸急須 横手 180㎖ 6,160円(ギャラリーやまほん)
4.これひとつで2人分。
宝瓶に大小の碗がおさまる入れ子の茶器。高温で焼き締めて匂い移りを防ぎ、お茶の色が見えるように碗の内側に乳白の釉薬を施した。白釉 宝瓶 200㎖ 16,500円(コホロ 二子玉川店 TEL:03-5717-9401)
Navigator…日本茶インストラクター 市川雅恵
いちかわ・まさえ/日本茶と茶器を販売するオンラインストア〈チャイチワークス〉を運営し、日本茶ワークショップも開催。著書に『私を整えるお茶の時間』(ギャラクシーブックス)。