本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 【京都】洛東の隠れ寺〈真正極楽寺 真如堂〉を参拝|本山順子の迷子のお守り。

LEARN 2022.10.01

モデル・本山順子が訪れた神社仏閣、教会や寺院をご紹介する本連載。第93回は京都の左京区に街詣で。初夏のとある日に閑静な住宅街をサイクリング中、ひょっこり現れた三重塔にひかれ、ふらりと訪れた洛東の隠れ寺〈真正極楽寺 真如堂〉。とても素敵だったので日を改めて再度お邪魔させていただきました。夏の間地獄のような暑さだった京都も、やっと涼しくなって最高の季節です。それでは早速!詣でましょ〜う!

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授与所で目を引かれたのは平安時代の陰陽師である安倍晴明のお札!ご本尊の左に祀られている不動明王像は安倍晴明が家に祀っていたものとされており、安倍晴明が不慮の死に遭った時にその不動明王像が閻魔大王に直談判し、みごと安倍晴明を復活させたといいます。閻魔大王復活金印傳。

本堂を仏間から出て、緑の美しい渡り廊下を抜けたところには「書院・四季殿」があり、こちらでは数々の襖絵と二つの枯山水が楽しめます。こちらは入滅(お釈迦様の最期)をモチーフにした「涅槃の庭」。中央の石組を涅槃に見立てると、後ろにそびえる比叡山や大文字山を含む東山三十六峰も一つの大きな涅槃に見えてくるようです。視線を誘導する山の稜線をなぞるような有機的な生垣も本当に優美。粋な見立てと、暖かな木漏れ日が心を柔らかくほぐして、いつまでも眺めていたくなるような穏やかなお庭です。

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こちらは「随縁の庭」。私たちが想像する枯山水の概念とは大きく違っていませんか?こんなにモダンな枯山水は見たことがありません。時折、吹き抜ける風と共に鳥や蝶々が庭を訪れて、どこからともなく虫の声が聞こえてきます。静かでありながらも、耳を澄ませると自然の会話が聞こえてくるような優美な印象のお庭でした。

本山

洛東の隠れ寺〈真正極楽寺 真如堂〉はいかがでしたか?本堂をぐるりと囲む広いお庭は晩秋になると紅葉の名所としてたくさんの人で賑わうそうですが、私が訪れた日にも庭師さんが時間をかけて丁寧にお庭の手入れをされていました。どんな季節に訪れても季節の移ろいと共に、自分と静かに向き合う時間をそっと与えてくださるような素晴らしいお寺です。それでは皆様も良い参拝を〜!

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