Hanako女子のお悩みをズバッと解決! 「私がいま死んだら…財産は自分の希望通り相続させられる?」〜食いしん坊弁護士、そうこ先生のお悩み相談室〜
弁護士・菅原草子が、愛してやまない食の話とお役立ち法律情報、Hanako読者からきたお悩みを解決する連載。第29回は財産の相続についてのお悩みと、恵比寿の和食居酒屋〈創和堂〉をご紹介します。
今月のお悩み:「私がいま死んだら…財産は自分の希望通り相続させられる?」(Y.Mさん 経営者)
人っていつ死ぬかわからない。この仕事をしているとよく痛感させられます。さて、みなさんは自分がいなくなる準備、できていますか?いま自分が死んだら、住んでいる家は?仕事は?貯金は?いま身の回りにあるすべてについて、誰が継いでくれるのか、誰のものになるのか、法律的にいうと「相続人」が誰になるかなんてなかなか考えないのではないでしょうか。
「そもそも相続って?自分の相続人は誰になるの?」
人が死んだとき、本人の持っている財産、権利義務が引き継がれることになります。これが相続です。法律上、相続する人は誰になるかというと、例えば…
1.配偶者、子どもがいない場合→親や祖父母、亡くなっていれば兄弟姉妹
2.配偶者または子どものみがいる場合→配偶者または子ども
3.配偶者と子どもがいる場合→配偶者(1/2)、子ども(1/2を等分)。
4.子どもはいなくて、配偶者と親が生きている場合→配偶者(2/3)、親(1/3)
5.子どもはいなくて、配偶者と自分の兄弟姉妹が生きている場合→配偶者(3/4)、兄弟姉妹(1/4)
というように定められています。
「決められた相続しかできないの?」
法律では決められていたとしても、人生かけて築いた財産は、自分が渡したい人に渡したい!と思うのは当然のこと。思いを遂げるにはどうしたらいいでしょうか?
あなたには事実婚のパートナーがいて、両親が存命だとします。あなたが亡くなった場合(1のパターンですね)、法定相続人は両親になりますが、あなたは財産をパートナーに遺したい。そう思うのであれば、「すべての財産をパートナーに遺贈する」という内容の遺言書を残しておくのが1つの方法です。ただし、遺留分侵害額請求という権利があり、両親からパートナーに対し、遺留分の請求がなされる可能性は拭えないところ。また、相続人みんなで協議をすることによって、相続割合を変更できることもあります。残された人の気持ちも大事されているのです。そうすると、生前の思いを100%遂げるのはなかなか難しいかもしれません。回避する方法は、生前に贈与する、保険等を契約して受取人を指定する、あとは遺留分の請求がないことを祈る…など。
とはいえ、法定の相続に待ったをかけるために、残された家族に自分の意思を叶えてもらうために、たとえば遺言を残しておくことには大きな意味がありますし(遺言書の種類や作成については、過去の記事を)、どんな方法をとるべきか備えておくことは大切だと思います。
結論:「来る時に備えて、死後のこと、一度考えてみるといいかもしれません。あなたは誰に何を残したいですか?」
今月の食いしん坊ご飯~和食居酒屋ブームは続くよ編〜
何を食べたい?と聞かれたら、最近はもっぱら和食、魚、と答えています。和食居酒屋マイブームがまだまだ加速中。そんな私の行きたいお店ストックで温めていた恵比寿の〈創和堂〉さんにやっとお邪魔できました。いつの間にかミシュランのビブグルマン2022に選ばれていて、高まる期待。暗めの店内に長いカウンターの雰囲気が良く、絶対おいしいだろうと思わせるお品書きの数々。せっかく来たからにはとあちこち注文(絶対たくさん食べれる友達と行くべき!)。最近お気に入りの、味のあるコクのある白ワインも合わせてもらって、大満足&大満腹でした。“間違いないお店”リスト入りです。