全国の日本酒が集まる〈日本の酒情報館〉で開催 ペアリングの愉しみも!「夏の日本酒勉強会」をハナコラボが体験
ハナコラボ パートナーのためのイベント「ハナコラボミーティング」。今回は、虎ノ門〈日本の酒情報館〉にて日本酒の勉強会を開催。おすすめの夏酒やチーズとのペアリングなど、盛りだくさんの内容にハナコラボは大満足!当日の模様を余すことなくお届けします。
伊藤さん×今田さんのスペシャルトークショー
前半は、伊藤さんと今田さんに夏酒の魅力を語ってもらいます。そもそも「夏酒」とは、夏に飲むとおいしいお酒を総称して言う言葉で、定義としてはないそう。
今田さん(以下、今田):日本酒は甘みや芳醇さがある反面、季節によってはもったりと感じてしまうことがあります。ビールのように飲んでもすかっとしないため、夏は日本酒が売れない時期と言われてきました。そんな中「夏でもおいしく飲める日本酒が造りたい」と酒蔵さんたちが立ち上がり、2005年に夏向けの日本酒が登場。これが最初の夏酒だと思われます。
伊藤さん(以下、伊藤):夏酒ってざっくりしているからよくわからない印象がありましたが、この2〜3年で変わった気がします。
今田:徐々に市場は大きくなり、いまでは夏に欠かせない存在です。夏酒はいままでの日本酒の印象とは逆。特徴的なのは酸味がありくっきりとした味で、レモンやみかんのように冷やすときゅっと締まるみたいな。
伊藤:頬がきゅんとするみたいな感じですよね。
夏酒について理解してきたところで、お待ちかねの試飲タイム。伊藤さん、今田さんにそれぞれおすすめの夏酒を2本ずつ選んでもらいました。まずは伊藤さんチョイスの「福祝 夏の純吟」から。
伊藤:「福祝」は後味がライトでさわやかに飲める“ザ・夏酒”な1本。千葉の酒蔵さんが、北海道のお米の品種「彗星」を使い造ったお酒です。
今田:とにかく軽いですよね。やさしい甘みで、酸味をあまり感じない印象です。
次に、今田さんチョイスの「刈穂 純米生酒 white label」を試飲。一口飲んだ瞬間、会場からは「(『福祝』と)全然違う…!」と驚きの声が。
今田:日本酒って見た目は同じなのに全然違うから飲み比べが楽しいですよね。こちらのお酒は「白麹」を使用しています。酸味があり、暑くても腐りづらいと南九州で使われることが多いとか。普通の日本酒の3倍、ワインと同じくらい酸味があります。続きまして「天上夢幻 夏吟 純米吟醸」は、穏やかな酒を造る宮城のお酒。「福祝」同様に王道の夏酒で、重たくないのが特徴です。
伊藤:最初はさわやかだけど、最後はトロピカルに感じます!
今田:「福祝」より少しそういう香りがするかもしれません。何を食べたらおいしいか想像しながら飲んでもらえると。夏酒はさっぱりしているので、軽めのカルパッチョやサラダがいいかも。日本酒=和食みたいな先入観があるかと思いますが、意外と色々な食べ物と合います。フルーツにもぴったりですしね。
伊藤:「刈穂」はいちご、「天上夢幻」は桃と合いそうです。
今田:最後に、伊藤さんが選んだ「讃岐くらうでぃ」を飲んでみましょう。
伊藤:イメージは、お酒バージョンのカルピス。「刈穂」と同じく白麹を使っているので酸味が印象的です。まずは一口飲み、ソーダを加えてアレンジしてみてください。
今田:いままで日本酒はそのまま飲むのが当たり前でしたが、最近はアレンジして自由に飲むのがトレンドですね。
伊藤:「1本購入したはいいけど、なかなか飲み切れない」という声をよく聞きますし、自由に楽しんでもらえればと思います。
宇都宮さんが「日本酒×チーズ」のペアリングについて解説
後半は、『最先端の日本酒ペアリング』の著者・宇都宮さんが日本酒とチーズについて紹介。チーズといえばワインのイメージがありますが、海外では日本酒と合わせる人が多いのだとか。
実はチーズって合わせるのがむずかしいんです。理由は乳たんぱく質が分解したアミノ酸(旨味)があることと、チーズの塩辛さに加え、ワインでは好ましくないとされる発酵の香りが含まれるから。
ここで〈特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター〉が作成した、旨味のもとであるグルタミン酸をチーズの種類ごとに分析したデータを確認。ほとんど熟成させていないモッツァレラに対し、熟成させたパルメジャーノレッジャーノ、コンテはグルタミン酸を多く含みます。
宇都宮:ビールやワインに比べて、日本酒はグルタミン酸が多いため、熟成させたチーズと相性がいいことがわかります。
宇都宮さんにも夏酒を2本用意してもらい、チーズとペアリング。
宇都宮:イワトビペンギンのラベルがかわいい「純米吟醸生原酒 RockHopper」は、コンテと合わせると口の中で旨味が広がり、持続性があります。一方、ブルーチーズはかなり塩辛くて少しくどいかも。「旭興 百 貴醸酒」は甘くて熟成したカラメルのようなお酒。ブルーチーズと合わせると、チーズにはちみつをかけて食べているような味になります。日本酒はワインより酸が少ないため、うま味の後味が強くチーズの味がよくわかります。また、チーズの乳酸菌、酵母やカビによる発酵の香りは、日本酒と似ており香の相性もいいんです。
日本酒とチーズのペアリングを楽しんだあとは、宇都宮さんおすすめのアレンジ「山椒の粉」の出番。
宇都宮:チーズに山椒の粉を少しつけて食べると、味は変わりませんが山椒のひりひりとした刺激と柑橘系の香りでさわやかに。香りが強いブルーチーズが苦手な人は食べやすくなると思います。また、先ほど飲んだ「讃岐くらうでぃ」に少し山椒を入れるとレモンやライムの皮をすったような香りが引き立ちます。にごり酒や甘酒の麹の香りが苦手な人はぜひトライしてみてください。
最後に、全員で記念撮影!
「夏酒の存在は初めて知りましたが、おいしくてびっくり。特に『讃岐くらうでぃ』は日本酒のイメージとは違い、飲みやすくて衝撃を受けました。日本酒ビギナーの人にすすめたいです」「チーズに合うなんて思ってもいなかったので、世界が広がりました。これから家や店で日本酒を飲むときは、チーズを用意しようと思います」など、夏酒や日本酒ペアリングにはまっている人が多数!ほろ酔い気分で記念撮影をし、本日のイベントは終了しました。イベントに参加できなかった人も、ぜひ日本酒の世界にとび込んでみては?
〈日本の酒情報館〉
展示館や試飲、専門家によるセミナーイベントなど、日本酒・本格焼酎・泡盛の魅力を「見て・触れて・体験する」ことを通じて、世界中の人に知ってもらうことを目的とした施設。酒類のほか、オリジナルグッズも販売。
〈日本の酒情報館〉
■東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル1F
■03-3519-2091
■10:00~18:00
■土日祝、年末年始休
■https://www.japansake.or.jp/sake/know/data/