豊かな水に恵まれた、古き良き街並みを堪能! 郡上おどりで有名な岐阜県・郡上八幡へ。3年ぶりの開催となる幻想的な夏の風物詩に注目!

LEARN 2022.08.23

徳島・阿波踊り、秋田・西馬音内盆踊りとともに、日本三大盆踊りの一つとして知られる岐阜・郡上おどり。今年は3年ぶりに開催されるとあって、街は活気に溢れていました。豊かな水に恵まれた、郡上八幡の地で約400年間踊り継がれる「郡上おどり」をメインに、古き良き街並みを取材してきたのでご紹介します。

地元の人も観光客も、みんながひとつに輪に!

名古屋駅から美濃太田駅へ向かい、長良川鉄道へ乗り換えると、郡上おどりの舞台・郡上八幡駅まで約90分で到着します。駅では、郡上おどりの提灯がお出迎え。風に吹かれて涼しそうに揺れています。

駅から少し歩くと、街中はどこもお祭りムード全開!至るところで「郡上おどり」の提灯を見つけることができるんです。昼と夜では違った印象になるので、明かりの灯った夜の幻想的な姿もお見逃しなく。

いよいよお祭り初日!20時が近づくと、旧庁舎記念館前に少しずつ人が集まってきました。9日はまず、日置敏明市長が郡上おどりの開幕を宣言!開幕と同時に、「郡上おどり」のスタートを告げる「古調かわさき」の音がなり始めました。

郡上おどりは、もともと江戸時代に「お盆の4日間は、身分の分け隔てなしにみんなで踊ろう」という当時の郡上八幡城の城主のお達しからスタートしたもの。誰でも気軽に参加できるのと、最近ではSNSを通じて知名度もグンと上がってきました。そのためか、普段は人口約4万人の郡上八幡の街に10万人もの人が集まることもあるそうです。

お祭りというと道の両端に屋台がありそうなイメージですが、郡上おどりの特徴は、道の両端に人々が向き合いながら並ぶこと。一方向に少しずつ前進して、皆で円を描くように踊ります。

そのため会場に屋台などはなく、人々が踊り巡る姿が、街全体にぐるりと大きな波のように描き出され、幻想的な雰囲気になるんです。

お盆期間中の4日間は、明け方まで踊り続ける「徹夜おどり」が有名ですが、今年は20時からスタートし深夜1時までと時間が縮小されています。

初参加の人も見よう見まねで踊っていると、いつの間にか周りの目も気にせず全身で楽しめてしまうから不思議。カランコロンという心地いい下駄の音とお囃子の音が一体となり夜の街に響き渡ります。他のお祭りにはない圧倒的な一体感!一度体験したらほとんどの人がリピーターになってしまうのも納得です。

「郡上おどり」でひと汗流したら、今晩のお宿〈ホテル郡上八幡〉へ。ロビーもお部屋もとても広々としていました。足を踏み入れた瞬間から、どこか懐かしさを感じてホッとできる歴史ある温泉旅館。朝はロビーにコーヒーを置いておいてくれるので、お出かけ前にコーヒーを飲みながらゆっくり過ごすのもおすすめですよ。

〈ホテル郡上八幡〉は郡上八幡で、唯一の湯元を持つ温泉旅館なので温泉は要チェック。ゆっくり足を伸ばして、カラダを温めてくださいね!眼下には清流長良川が流れているので、川の音に耳を傾けて露天風呂を楽しめる贅沢なひととき。サウナやラドン吸入室、超音波風呂など、お風呂も充実しています。ご飯は旬の食材を使ったメニューのほか、名物「岩魚のお刺身」なども並びます。

風情あふれる郡上八幡の街を満喫!

「郡上おどり」に欠かせない下駄の存在。そんな下駄をオリジナルでつくってくれるのが〈郡上木履〉です。店内には、約100種類の鼻緒がズラリ! 「メイドイン郡上」にとことんこだわり、郡上の山で育ったヒノキを活用し、 木の削り出しから鼻緒すげまで、一貫して郡上内で行っているんです。

郡上おどりに向けて下駄を新調する人も多く、「郡上おどり」初日の店内は賑わっていました。お気に入りの鼻緒を選べば、職人が足に合わせてその場で鼻緒をすげてくれます。それぞれの足に合うよう微調整してくれたり、アフターケアをしてくれたり、至れり尽くせりのお店です。郡上八幡に来たらまずここに立ち寄り、自分の下駄をつくってから街歩きするのもいいかも!

郡上おどりに欠かせないもう一つのアイテムは「手ぬぐい」。〈タカラギャラリーワークルーム〉では、郡上市が産業の発祥地と言われているシルクスクリーン印刷で手ぬぐいのプリント体験ができます。一般的な手ぬぐいの長さは90cmですが、郡上おどりで用いるのは100cm。こちらで手ぬぐいをつくるときは、生地の長さ、生地の色、絵柄の組み合わせ方、インクの色などを順番に決めていきます。

絵柄は30種類以上あり、どれも郡上八幡の良さが伝わってくるデザイン。季節ごとにデザインも入れ替わるそうですよ。生地の長さと色、絵柄を選んだら、そこに好きなインクの色をのせていきます。ひとつひとつ手作業でプリントしていくのですが、自分の手でデザインが出来上がっていく過程はワクワクすること間違いなし!世界にひとつだけの手ぬぐいを片手に、夜の「郡上おどり」を楽しむのも味わい深いもの。

ちょっと歩くだけでも風情溢れる街並みに心奪われる人も多いかと思いますが、そんな郡上八幡の街の歴史を知りたいなら〈郡上八幡博覧館〉がおすすめ。水の活かし方や職人技、伝統工芸、郡上おどりの実演など、街の魅力を一気に知ることができます。

あまり知られていませんが、実は郡上八幡は食品サンプルでも有名な街。〈さんぷる工房〉では、食品サンプルづくりのひとつとして、スマホスタンドづくりやスイーツタルトづくり体験ができます。

カップに特殊な粉を入れ、カラー剤を加えたあと、ゆっくりと混ぜ合わせると少しずつドロっとしてきます。それを倒して、アイスが溢れるようなカタチにしてからスプーンを固定すれば、スマホスタンドのできあがり!

店内には、レストランのショーケースで見るようなお肉やビール、ラーメンの他、可愛らしいアクセサリーサイズの食品サンプルなど、大小さまざまなものが並んでいて、目が釘付けになってしまいました。

郡上八幡の街全体を楽しみたいなら、〈長良川サイクルクルーズ〉もおすすめ!細い路地を走り抜ける爽快感は自転車ならでは。表に目立った看板を出していない素敵な一棟貸しホテルや井戸、雑貨屋、カフェ、お寺など、古き良き郡上八幡の街の魅力に出会えます。

食べ歩きだって大満足!絶品カフェやご飯どころが目白押し。

歩き疲れたらぜひ立ち寄ってほしいのが〈お抹茶処 宗祇庵〉。扉を開けると、茶香炉からほんのりいい香りが広がります。

抹茶パウダーで「郡上おどり」を描いた人気の「宗祗庵パフェ」は、ほうじ茶ゼリー、抹茶プリン、濃厚抹茶アイス、あんこ、白玉などを重ね合わせたもの。これだけでも贅沢ですよね!見て嬉しい、食べておいしい一品です。

豊かな郡上の水で淹れるお抹茶も、大人気なのでお見逃しなく!雲海にそびえ立つ郡上八幡城をイメージして「天空の城」と名付けられたかき氷は夏季限定。ふわふわのかき氷に自家製抹茶シロップと練乳をかけ、あんこと白玉で仕上げています。

「カフェもいいけど、しっかりご飯を食べたい」人は、郡上八幡自慢のお蕎麦やラーメンがおすすめ!水が豊かな街なので、お料理に雑味がなく、どれもおいしいんです。

このお蕎麦は〈平甚〉の「自然薯そば」。〈平甚〉のこだわりの自然薯は、粘りを出すために出汁はちょっとしか入れてないそう。お箸で持ち上げても全く切れないくらい、ねっとりとした粘りに驚きを隠せません。

〈松葉屋〉の「天ぷら中華」はどこか懐かしさを感じるロングセラーメニュー。天麩羅がたっぷりと纏った衣は、お箸を入れるとふわりと溶けていきます。スープはあっさりとした醤油味。程よい黒胡椒で仕上げていて、クセになる一品です。

小腹が空いたときはぜひ〈団子茶屋郡上八幡〉に立ち寄ってみてください。昭和の時代から親しまれた、郡上八幡自慢の五つ玉みたらし団子を、甘辛い特製のだれにつけて香ばしく焼き上げているんです。

見た目も可愛くてキュンとしてしまいますが、お味も期待を上回ります。ひと口食べたら最後まで止まらずに一気に完食してしまいました!きな粉を添えて出してくれるので、途中で味変しても楽しめますよ。夏は、紫蘇ジュース、梅ジュース、特製塩レモンスカッシュなど期間限定のドリンクもメニューに出ているのでぜひお試しあれ。

日中、カフェにも立ち寄りましたが、今回は「郡上おどり」がスタートする前に、〈新橋亭〉でお食事をいただきました。清流吉田川のせせらぎを聴きながら、ゆっくり食事を楽しめるのが魅力!

郡上の天然鮎にこだわった「郡上天然鮎定食」や、自家製タレをたっぷり染み込ませた若鶏肉と野菜を焼く郷土料理「鶏ちゃん」、「朴葉味噌定食」など、郡上八幡ならではのメニューが揃います。どれもボリューム満点ですが、ペロリと食べてしまえるから不思議。「郡上おどり」を思いっきり楽しみたい人は、〈新橋亭〉で腹ごしらえをしてから、夜の郡上おどりに挑むのもいいかも。

郡上おどり

豊かな水に囲まれた郡上八幡の夏の風物詩「郡上おどり」はいかがでしたか。今年の「郡上おどり」は9月3日まで続きます。お祭り期間中、どこか懐かしい郡上八幡の街が、たくさんの人で賑わうこと間違いなし!夜の「郡上おどり」だけでなく、日中の街歩きやサイクリング、食べ歩きも楽しめるので今年の夏はぜひ郡上八幡の素晴らしさを体験しにきてください!

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