「好き」が一番の原動力。その道のプロに聞く。 茶道師範・ルー大柴さんから学ぶ“ティー道”。茶道ビギナーのための初級編から上級編
興味はあるけれど、敷居が高く感じられたり、何から始めればいいか分からなかったり。知的好奇心を刺激する5ジャンルの沼にどっぷりハマった皆様に「入り方」を聞きました。今回は、茶道師範のルー大柴さんに“ティー道”を教えていただきました。2月26日(土)発売Hanako1206号「自分を高める、学びの教科書。」よりお届けします。
【上級編】公園やベランダ、キャンプでも!野点を楽しもう。
野点の道具があればその場が茶室になる。
茶道には、空の下でティー・ピクニックを楽しむ「野点(のだて)」という習慣があります。桜や紅葉など季節の花々を愛でながら、ティーをドリンクする風流な茶会です。この時に活躍するのが、持ち運びしやすいようコンパクトに作られた野点の道具たち。茶筅や茶杓、茶碗がひとまわりスモールになっていて、かわいらしいんです。
最近はアウトドアブームの影響もあってか、野点に興味を持つ人が増えてきたようです。自然の中で味わうティーはまた格別。ぜひ多くの人に楽しんでもらいたいですね。そういえば以前、仕事でアラスカに行った時、オーロラを待っている時間に現地のスタッフにティーを振る舞ったことがあります。この時活躍したのが日本から持参した野点の道具でした。茶道具さえあれば、その空間が“茶室”になります。そしてティーをドリンクしたら、一気に心の距離が縮まり、フレンドリーに接してくれるようになったんです。ティーってすごいですよね。
もちろん遠出しなくてもいいですよ。近所の公園でもベランダでも、招待されたお宅で野点の道具を使ってティーを振る舞うのも素敵です。僕は好きが高じて、夏はアイスを入れたグラスにティーを注いでドリンクしたり、夜は焼酎を抹茶割りにしたり。自由にアレンジして楽しんでいます。こういう風に自分らしくティーに親しむうちに「もっと深めたい!」と興味を持ったら、正式に茶道に入門されるといいと思います。稽古場では国宝級のお道具が出てきて緊張することもありますが、こんなレアなエクスペリエンスはないですよね。おもてなしの心だけでなく、集中力が高まったり、センスが磨かれたり。茶道には豊かに生きるヒントがたくさん詰まっていますよ。
Teacher…茶道師範 ルー大柴(るー・おおしば)
俳優、タレント。日本語と英語をトゥギャザーした話術を使う独自のキャラクターで活躍。2006年に茶道・遠州流に入門。2010年、準師範として茶人名“大柴宗徹”を授かり、2013年、師範に。