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秘密の台湾【REPORT #14】 【台北】伝統市場で見つけた、この道46年の味。〈羅媽媽米粉湯 (ルーママミーファンタン) 〉
台湾の暮らしを見てみたいなら、伝統市場に行こう。台北の中心地にある東門市場内の〈羅媽媽米粉湯〉秘伝のビーフンスープは台北必食のメニューの一つだ。本誌連載『秘密の台湾』よりお届け。

味にうるさい台北人でも、台北でおいしいものは?との問いに「東門市場の〈羅媽媽〉のビーフンスープが台北のごちそう」と答える人は多いだろう。創業者である羅媽媽さんは今年90歳。経営は孫に任せているが、体が許す限り厨房に立つ。
「シンプルなメニューだけではお客さんが飽きるのでは?」と心配で、豊富なメニューを用意する。一方、常連さんのお目当てはビーフンスープ。皆、ビーフンを食べて、羅さんとひとしきり世間話ができれば満足なのだ。彼女の出身は台湾でビーフンが有名な新竹県。漢方薬局を営む兄を訪ねて台北に行った時、隣の店が閉店していたことがきっかけとなり、「その店を改装してビーフンのお店を始めたの。あれからもう46年が経ったのね」と羅さん。
ビーフンスープのほかに、豚の内臓、油揚げなどの小皿料理もある。「豚の内臓はとにかく下処理が大切。きれいに洗っておくことが重要です」。そんな彼女の説明を聞いているだけで、もうお腹が空いてくる。まずはクリアな豚のだしのあつあつスープにビーフンをくぐらせてお椀に盛る。次に刻んで油を絡ませた香ネギをぱっとかければ出来上がり。ふわっとした香ばしさと豊かなスープの香りが店に広がる。羅媽媽さんのスープは台北一のご馳走だ。
〈羅媽媽米粉湯(ルーママミーファンタン)〉/信義路
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食品から日用雑貨まで、東門市場には台北の暮らしの必需品がそろっている。地下鉄の東門が最寄駅。
■台北市中正區信義路二段81號
■02-2351-3352
■7:00~15:00 無休
■40席
Navigator…Janet Yin(ジャネット・イン)
Hanako Taiwanの編集者。おいしいものに目がない。台北人だからこそ知るおすすめスポットをご案内。