木村ミサと本日のティータイム。 新しいお茶の世界へ!工芸茶専門店〈銀座クロイソス〉で、新しいお茶の世界に触れる。
みなさまこんにちは。木村ミサです。最近はおうちにいる時間が多くなり、さまざまな種類のお茶を飲んで好きなものをみつけるのにはまっています。日本茶が好きなのでそればかりになりがちですが、海外の茶葉もおもしろい。ということで、今回は銀座にある〈クロイソス〉という工芸茶専門店へ。ここで初めて「工芸茶」というジャンルを知ったのですが、これが目で見ても愛おしい!それではごゆるりと御覧ください。
みなさんは工芸茶を知っていますか?私も初耳だったのですが、工芸茶とは、1つ1つ職人さんが丹精込めて手作りした芸術品のこと。 手摘みの茶葉を手で揉んで1本の糸のように伸ばし、それを糸で束ねて中に漢方効果のあるお花を入れ、包み込むように略円形に整えます。こうして丁寧に作られた工芸茶をポットに入れてお湯を注げば、ゆっくりと茶葉が解きほぐれ、鮮やかな花が開いていく様子を楽しみながらお茶をいただく。そんなドラマチックな演出をしてくれるお茶なのです。〈クロイソス〉は、ストレスを感じることが多い生活のなかでひとときの安らぎと贅沢な時間、 自分へのご褒美としてお茶の時間「クロイソス・タイム」の演出をテーマとしてできた工芸茶専門店。さて、どんなドラマチックが待っているのだろう。
お店に入り、まず種類の多さに驚きます。華やかなシリーズから、緑茶ベース、紅茶ベースのものに、ジャスミン、バラなどの花の効用を活かしたものなどさまざま。カーネーションが開くものや動物の形シリーズなど、本当に幅広く揃っているので、茶葉を選ぶのに迷ってしまいます。選ぶ楽しさも〈クロイソス〉の魅力。基本的には茶葉を売っているお店ですが、日替わりの試飲ができるのも優柔不断な私には優しいポイント。
【本日の1杯目】「芳生緑牡丹(ほうせいりょくぼたん)」
〈クロイソス〉で取り扱う工芸茶は無香料で有機栽培されているカラダに優しいもの。工芸されている糸も手術などで使われているものが使用されています。今回の試飲は「芳生緑牡丹」というもの。康藝銘茶(こうげいめいちゃ)の発案者である汪芳生(おうほうせい)氏が1番初めに作り上げたのだそう。工芸茶を知るためには、まずはこちらをマストでいただきましょう。
茶葉は中国の安徽省(あんきしょう)で作られた特選茶葉だけを使用し、贅沢につくられています。お湯を入れて待つと牡丹の花のように茶葉が花開く。中国では牡丹は「花の王様」といわれているのだとか。ふわっと開く姿はとっても可憐でかわいいのに、王道なのはやはり王様の佇まいだからでしょうか。こちらを大阪の四天王寺にある創業100年以上の歴史を持つ老舗の和菓子屋さんから取り寄せた割氷と共にいただきます。
一口頂いたときにまず感じるすっきり感。全然渋みがないこの茶葉の特徴が一発で伝わる。とってもマイルドで穏やかな旨味は、背もたれが長いチェアで王様がお茶を飲んでいる、あの優越感たっぷりの全肯定な空間と似た空気感を纏っています。そして、クリアガラスの急須からふわふわと浮遊しているクラゲのような茶葉が癒やしを運んでくれて視界も幸せです。
【本日の2杯目】「紅錦上花(こうきんじょうか)」
麦わら帽子の形をした茶葉から、菊のお花が三連咲き誇る工芸茶。こちらは世界三大紅茶といわれ、初めてイギリスに渡ったとされる歴史のあるキーマン紅茶をベースにしています。〈クロイソス〉は基本的に緑茶ベースと紅茶ベースがあり、そこからさまざまな種類の花種をあわせてつくられています。「紅錦上花」は、“喜びと輝かしい未来を”というメッセージが込められています。
やわらかく甘い味が喉を通る。そして、フローラルな香りもずっとやわらかく飲みやすい。紅茶って一煎注ぎ切らないと苦味が残るイメージがあったのですが、こちらの茶葉は、30分経っても全く苦味が残らない。アバウトに淹れてもおいしいという、私のようなズボラ人間にはありがたすぎるポイント。色々飲んできて気づいたのですが、ずっとおいしいって、もうそれだけで最高なのです。
【本日の3杯目】「紅五星(べにごせい)」
試飲を踏まえて、目で見て楽しい工芸茶をお持ち帰り。工芸茶それぞれの茶葉にメッセージが込められているので贈り物にも最適です。こちらは、星のかたちをした紅茶ベースの工芸茶で、夜空に煌めく星々は幸せのメッセージが込められています。
家では熱湯で2〜3分蒸らしてから、一煎目を淹れてみました。お湯をそそぐと星が解き放たれ、緑梅の花が咲く様子がまるで夜空に浮かぶ星空のようにロマンチック。そのままもう2、3分待つと本格的に花が開きます。この様子を見ているだけでうっとりします。自宅でアバウトに淹れてみても最後の3煎目までおいしくいただけました。コロッとしたかわいらしい見た目なのに、しっかりおいしさを発揮してくれます。
【本日の4杯目】「オーバーザレインボー」
目で見て華やかな1番人気の「オーバーザレインボー」。緑茶ベースに美肌効果、喉に良いとされる百日紅、滋養強壮のジャスミン、消化促進や皮膚の炎症に効果があるとされる金盞花(きんせんか)。“ジャスミンの虹の向こうに素晴らしい人生が開けますように”というメッセージが込められているので、色々な方へのお土産に最適な工芸茶なのだそう。丸っこい茶葉がどんな姿を見せてくれるんだろう…物語の次のページをめくるような、わくわくとした気持ちが高まります。
熱湯でしっかり5分蒸らしていくと、2分経った頃からどんどん鮮やかな千日紅が私を見て!とばかりに可憐な顔をのぞかせます。ジャスミンと金盞花がぷかぷかと浮かび上がってあっという間に5分。ふわっと香るほのかな花の香りがとってもかわいらしい。金盞花は“乙女の美しい姿”という花言葉なんですって。ぴったりすぎる。恋する乙女の頬の赤らみのような、愛おしくて素直な気持ちにしてくれる工芸茶。もうたまらない魅力に惹かれてしまう。
工芸茶というジャンルは、本場・中国でもまだまだ知らない人がいるらしく、もっと工芸茶の魅力を広めたいという想いでこのお店を始めたそう。海外の方にも人気で、このお店をきっかけに工芸茶の魅力に気づく中国の方もいるのだとか。私もまだまだ知らない世界がたくさんあるなぁ…お茶ってやっぱり深いです。工芸茶は飲んだ茶葉をそのまま水中花として楽しむなど、一般的なお茶より楽しみ方が豊富。値段もお手頃なものからあるので、トライしやすいのもうれしいですよね。これからも、さらに魅力が広がっていってほしい工芸茶の世界。ぜひみなさんにも触れて、体験してみてほしいです。それでは本日の一杯、召し上がれ!
〈銀座クロイソス〉
■東京都中央区銀座7-10-10
■03-5568-2200
■11:00~20:00 不定休
■https://www.mercure.jp/index.html