本山順子の迷子のお守り〜お寺と神社、お散歩アラカルト〜 【京都】紅葉の名所〈禅林寺 (永観堂) 〉を参拝。夜にライトアップされた美しい景色にうっとり。
モデル・本山順子が神社仏閣、教会や寺院を国内外問わずご紹介する本連載。第62回目は京都市左京区を街詣で。紅葉シーズンということで、古今和歌集でも”もみじの永観堂”とうたわれるほど、京都屈指の名所である通称「永観堂」の〈禅林寺〉にお邪魔してまいりました。紅葉の季節は夜間特別拝観ライトアップも行われており、燃えるように美しい紅葉を楽しめますよ〜。それでは早速!詣でましょ〜う!
さすが”もみじの永観堂”さん!たくさんの人で大賑わいです。昼の風景とライトアップの様子も交えてご紹介してまいります。永観堂は浄土宗西山禅林寺派の総本山!空海の弟子である真紹僧都に公家・藤原関雄が自らの別荘を寄進したことが始まりとされています。
堂内の中庭の池には紅葉が散り、たくさんの人で賑わっているのにも関わらず不思議と心に静けさをもたらすような美しさ。永観堂と呼ばれるようになった由来は、永観(ようかん)律師が念仏を広め、さらに慈悲活動として梅の木や浴室を設けて病人救済に尽くし、その功績を讃えたことからなのだそう。
永観律師が植えられた「悲田梅」が写真右奥に見えます。”悲田”とは、苦難を受けている人への思いやりの心なのだそう。境内に薬王院という施療院を造り、育てた梅を健康食として貧困者や病人に分け与えました。現在、境内に残された梅は一本だけですが、900年経った今でも、まるで”悲田梅”が人を思いやる心を伝えているかのように、美しい花を咲かせ大きな梅を実らせています。
最近まで修繕が行われていた「唐門」も拝見することができました。天皇の使いが出入りする時に使われいていた勅使門で、門の手前の盛り砂を踏んで身を清めてから、中に進んでいたのだそう。
臥龍廊、水琴窟、三鈷の松を抜けて本堂(阿弥陀堂)へ。こちらには御本尊である”みかえり阿弥陀さま”が「永観、遅し」と待っていらっしゃいます。とても珍しいふり返ったお姿の阿弥陀さま。遅れるものを待つ姿勢、そして自分をかえりみ、人々とともに正しく前に進む姿勢。とても慈悲深いお姿です。
また本堂は2010年に修復が行われており、400年ぶりに当初の極彩色が蘇って絢爛豪華!堂内の撮影できませんが、痛みの少なかった1/4程度は修復されずに残されているので比較して見て回ることもできましたよ〜!
本堂を出ると目の前には真っ赤に色づいた紅葉のトンネルが!こちらの紅葉はちょうど見頃を迎えており、オレンジと赤のグラデーションはもう、ため息が出てしまうほどの美しさです。
さらに、紅葉がもっとも美しく色付いた特等席の放生池前には「みかえり茶屋」が。ぜんざいやお抹茶を嗜む方々で溢れていました。両親を連れていらしている方も多く見受けられ、素敵な親孝行だなぁ!となんだかほっこりいたしました。
永観堂ではなんと約3,000本のイロハモミジやオオモミジが池泉回遊式庭園を彩っているのだとか。そして、振り返ると境内の一番高いところには多宝塔が赤いもみじに囲まれて煌々と光って美しい!みかえり阿弥陀さまや永観律師の慈悲深い教えに触れ、自分の日頃の心持ちを振り返れるような良い参拝となりました。それでは皆様も良い参拝を〜!