連載「拝啓、〈星〉へいらっしゃいませんか?」 【シンガポール】予約必須のスイーツカフェ〈Kki Sweets〉へ。注文を事前に決めるサステナブルなスイーツカフェの形。

LEARN 2020.10.27

結婚を機にシンガポールへ移住することになった元Hanako編集者女子による、星(=シンガポール)通信。第29回は、ニューオープンのスイーツカフェ。席はもちろん、ケーキすらも完全事前予約制というユニークなスタイルです。常にできたてスイーツがいただけるので、フレッシュな香りや味わいが楽しめます。

こんにちは。日本は秋が深まってきたころでしょうか。こちらは雨季にさしかかりつつあり、暑さやわらぎ、お出かけがしやすくなってきました。新型コロナウイルスによる外出制限措置は続いていますが、マスク着用や、建物への入館・お店への入店時のID登録、集会の人数制限さえ遵守すれば、さほど気負うことなく出かけられています(そろそろ段階別緩和政策の第三段階に入るのではとの噂※2020年10月12日現在)。

7月末にオープンした新しいスイーツカフェ〈Kki Sweets〉へ

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というわけで、先日、7月末にオープンした新しいスイーツカフェ〈Kki Sweets〉を訪れました。店名は日本語のように「ケーキ」と読みます。というのも、オーナー夫妻のケネス・シーさんとデルフィン・リウさんが作るケーキは、日本の「イデミスギノ」や「サダハルアオキ」にインスパイアされているんです。口当たりなめらかで、層をなし、複雑な味わいを見せるムースに、特に感銘を受けたそう。

このお店のユニークな点は、カフェでありながら、完全予約制であるということ。しかも席だけでなく、ケーキも予約時にオーダーします。選択しやすいよう、ケーキのビジュアルがウェブサイトに載っているのかというとそんなこともなく、ウェブサイトのメニューページで見られるのは、ケーキ名・主要素材・色のみ。たとえば「ARATA」という名前の「チーズ・マンゴー・バジル」を使ったケーキで、黄色・オレンジ・緑らしい、という具合。想像が膨らみ、わくわく感が高まります。

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事前予約を済ませ、いざ、お店へ。看板がなく、お店の前をうろうろ。よ〜〜く見たら、ガラス窓にさりげなく店名が書かれていました(ホッ)。ちなみに店名の右にあるQRコードこそ、冒頭に書いた入店時のID登録用のもの。サイトにアクセスし、ID番号を記載し、チェックイン登録をしてから入店を。

店内にケーキを飾るショーケースはなく、ゲストが着席してから1つずつ仕上げます。「ショーケースに飾っておくためには、形状や風味が長時間維持できる素材しか使えないんです。トゥイルのような薄いウェハースを使おうものなら、すぐ柔らかくなってしまうし。デリケートな素材も使用したく、できたてが提供できるスタイルをとっています」とケネスさん。

今回オーダーしたARATAは、マンゴーの果実とムースを、バジル入りの生地で包み、上にチーズムースを配したものでした。マンゴーの甘みとチーズのまったりとした感じが絡み合いつつ、バジルの爽やかさが印象的。上に乗っている小さなキューブは何かの果実かと思いきや、なんとオリーブオイルを固めたもの。風味のアクセントになっていました。この作り置きを用意しないスタイルは、廃棄物の軽減にもつながるのだそう。「ショーケースを置く場合、中にたくさん並べておくほうが見栄えがいい。でも、全部売れればいいけれど、売れ残ってしまったら捨てるしかありませんから」とケネスさん。なるほど、サステナブルでもあるわけです。

ちなみにふと耳をBGMに傾けてみたら、かかっていたのは日本の音楽。デルフィンさんにお尋ねしたところ、「日本を訪れたとき、ラーメン店に入ったら、レゲエがかかってたんです。店主の好みだったとか。そのときに、『なるほど、別に◯◯の店だから◯◯らしくなくてはならないってことはないんだな』と気づいたので、この店にも、自分たちの好きなものをそろえました」とのこと。ケネスさんとデルフィンさんの「好き」とこだわりが集まったお店。予約は時間帯を選ばなければ比較的取りやすいものの、コロナ禍による制限で席数が少なめゆえ、お茶の時間帯は争奪戦。早めの予約がおすすめです。

〈Kki Sweets(ケーキ・スウィーツ)〉

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MRT・Circle Line(黄)「Esplanade」駅、またはMRT・East West Line・North South Line「City Hall」駅からそれぞれ徒歩約4分
■3 Seah Street, #01-01, Singapore 188379
www.kki-sweets.com

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