まちをつなげるパン屋さん by Hanako1185 【関西】名ベーカリーのお取り寄せパンを実食!パンラボ・池田浩明さんが選ぶおすすめベーカリー
パンラボ・池田浩明さんによる、Hanako本誌連載「まちをつなげるパン屋さん」を掲載。今回はおうちでも楽しめる、お取り寄せパン関西編をご紹介します。
1.小麦の良さをまっすぐ届ける食事パンのセット。〈BAKING GARAGE HARiMAYA〉/和歌山県和歌山市
箱を開ければ、がつんとくる濃厚な香り。〈ベーキング・ガレージ・ハリマヤ〉旅田勇人(たびたはやと)さん渾身の「カントリーブレッド」。かつて飛ぶように売れた名物のメロンパン。だが、旅田さんの心に虚しさは募るばかりだった。「疲弊感が残って、やりたいことと開きがあった」そんなときYouTubeで見た、アメリカ西海岸〈タルティンベーカリー〉のPV。「自然体やのにかっこいい。このパン焼いてみたい」とメロンパンを作るのをやめた。同じ頃、国産小麦と出会う。
石臼を買い、北海道の中川農場から麦を取り寄せ、挽きはじめた。納得のいくものを焼くのに3年。いま、まるまるふくらんで、麦の香りを120%開花させている。
完成までに3年を要した、西海岸スタイルの「カントリーブレッド」、自家製粉の小麦粉を使った「全粒粉100%」など、小麦のおいしさをまっすぐに表現した食事パンは、焼きこんでいるので日持ちし、数日かけて食べられる。「このパンといっしょに何食べようかな」と、料理欲を刺激する。通販の告知はInstagram(@hayatotabita)で。
〈BAKING GARAGE HARiMAYA(ベーキング・ガレージ・ハリマヤ)〉
■和歌山県和歌山市塩屋5-7-58
■073-460-7825
■11:00〜19:00 日月休
2.行列の先にある、珠玉のパンをお取り寄せ。〈PANE PORCINI〉/大阪府大阪市
大阪キタで深夜まで行列ができる〈パネ・ポルチーニ〉。母体のはたレストランでパンを焼いていた旗てかずお手一夫さん。高加水、米粉を入れた常識外のぷにゅぷにゅ食感が料理を凌ぐ人気に。「パン屋出したらええやん」という客の声に後押しされ、開店したところ大行列。お客さんにおいしいパンを食べてよろこんでもらいたい。そんな心意気がびんびん伝わる。食感は、もっちもちだったり、とろっとろだったり、これでもかと。送られてくる箱にも惣菜パンあり、菓子パンありとオールスター。コロナ禍を機にはじめた通販サイトにも「行列」ができている。
大阪キタの路地にある“ポルチーニ村”。イタリアンからはじまり、ベーカリー、パン飲みバー、シャルキュトリーと系列店が連なる。塩フォカッチャ、もちパン、クリームパンなど、食欲をそそる“ずるいパン”がずらり。通販サイト(porcini.thebase.in)でパンも自家製シャルキュトリーも取り寄せられる。
〈PANE PORCINI(パネ・ポルチーニ)〉
■大阪府大阪市福島区福島5-10-22
■06-6451-800
■18:00〜21:00(金土〜24:00)日休、ほか不定休あり
池田浩明 いけだ・ひろあき/パンラボ主宰。パンについてのエッセイ、イベントなどを柱に活動する「パンギーク」。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』『日本全国 このパンがすごい!』など。 パンラボblog
(Hanako1185号掲載/photo:Kenya Abe)