旅行のお目当てはこの一皿! 本当においしい全国グルメ&スイーツ店18軒!グルメ通に聞く『MY BEST GOURMET 2019』
本誌で振り返った2019年のグルメは、ひとりでふらりと入れたり、店主の個性が光ったり、お財布にも人にも優しいことが際立っていました。グルメな皆さんの最高の幸せとは?Hanako『1000円の幸せと、6000円の悦びと。おいしい店!』「100人に聞いた、私の幸せ。」よりお届け。
相田幸二さんリコメンド〈米沢鯉六十里〉/山形
“こうちゃん”の愛称で、テレビ・イベントなど料理に関する分野で活動し、『こうちゃんの簡単料理レシピ』(宝島社)はシリーズで250万部の大ヒット。そんな料理への情熱がやまない幸せ料理研究家・相田さんは、出身の山形にある〈米沢鯉六十里〉の「鯉丼定食」2,100円の虜だ。「鯉料理のイメージを一新する素晴らしい料理。間違いなくファンになってしまう一品です。甘辛いタレが染みたテリヤキの鯉は香ばしく外はカリッと、中はふわっと。米沢産のお米ととても合います」
■0238-22-6051
泡☆盛子さんリコメンド〈きみや〉/京都
「店で、家で、野外で、おいしく飲んで食べるのが生きがい」というライターの泡さん。25年の京都暮らしで倍になった彼女の体重を、さらに増加させるのが西木屋町の人情派カウンター酒場〈きみや〉。「大鉢で並ぶお惣菜や黒板にびっしりの定番メニューは和洋中アジアと多彩でどれもおいしい。名物のハンバーグをタコさんウインナーやナポリタンなどと盛り合わせてもらい、満々と注がれたワインを飲むひと時が幸せすぎる」。食べて飲んで予算3,000円ほど。
■075-221-5824
池上桂一郎さんリコメンド〈OFF.Kinosaki〉/兵庫
「外湯めぐり後に浴衣で気軽に洋食とワインを味わう喜びを教えてくれる、世界でも珍しい有難いビストロ」と城崎の旅館〈西村屋〉の池上さん。「『但馬牛(たじまうし)の揚げ焼きステーキ』は、揚げてから焼いた赤身肉に岩塩と黒コショウのシンプルさ。だが、お店の雰囲気やオーナー夫妻セレクトのナチュラルワイン、付け合わせのポテトや地物野菜と味わうと、もはやここが城崎の温泉街なのかパリなのか分からなくなる」。
■0796-21-9083
いしいしんじさんリコメンド〈ツバクロ すっぽん食堂 京都店〉/京都
超絶品の腕を持つ料理人の奥様と息子さんと3人で、京都暮らしを楽しむ作家のいしいさん。「9歳の息子の好物はふぐと土瓶蒸し」(!)とあって、和食にもよく通う。そんな彼が最高の賞賛を送るのがこの店の丸鍋だ。すっぽんは長崎の奥山で2回の冬眠を重ねた無添加・極上品を使用。「最大の愛情を注いでさばかれたすっぽんのお鍋が1人前2,000円。野菜、お肉などの料理も最高。幸せを食材の形にしたら丸鍋になるのじゃないかと、ここに行くと思います」
■075-251-0234
魚田 南さんリコメンド〈SUGiTORA〉/京都
漫画家の魚田さんは「描くために食べ、食べるために描く」がモットー。『はらへりあらたの京都めし』シリーズや『カラスのいとし京都めし』など彼女の作品にも京都の美味が数多く登場する。そんな彼女の今年のイチオシはジェラート店。「口当たりふわふわのジェラートが〈スギトラ〉の魅力。ここがオープンしてから幾多のジェラート難民が救われたことでしょう。イートインなら見目麗しいパフェもおすすめ。特に私は秋冬メニューが好き」。ジェラート 400円~。
■075-741-8290
木寺紀雄さんリコメンド〈中華料理 驪山〉/長野
フォトグラファーとして食の取材や料理家との仕事をきっかけに、おいしいお店などをインスタにまとめているという木寺さん。そのなかでも、信州・松本で出会った〈中華料理 驪山〉の五目焼きソバ 1,350円には感銘を受けたそう。「おいしさとは、まさに盛りの美しさと味、丁寧さ。お店に立っているお母さまに元気をもらえます。家族の温かさや、生きる元気ももらえるお店です」。長野県の焼きそば文化の中でも、断トツのおいしさを誇る一品のようだ。
■0263-35-3515
早乙女茂樹さんリコメンド〈御食事処乃 福松〉/京都
早乙女さんはフランスやイタリアで修業。その経験をいかし「四月の魚 料理教室」を主催するほか、出張料理・イベント出店なども手がけている。教えてくれたのは、本格和食を気軽に楽しめる同店の「鰻のカツサンド」だ。「ウナギの甘さと香ばしさ、薬味を挟んだお酒に合うサンドです。土鍋で炊く、季節食材を使ったご飯も好きですね」。メニューは季節の一汁三菜を味わったのち、アラカルトで注文するスタイル。ぜひ、ともに味わってみて。
■075-741-7138
丹所千佳さんリコメンド〈al bacio CHINA〉/京都
「不本意な食事をするくらいなら空腹のほうがマシ」というほどの食い意地を見せる編集者・丹所さん。著書『京をあつめて』(ミシマ社)にも京都の食の話が多数登場する。そんな彼女に衝撃を与えたのが、この店のコース「おまかせ満漢全席」。豆皿の前菜12 品に始まり、旬の素材を使った中華が全30皿以上登場する。「時に滋味深く、時にパンチをきかせて。次から次へとお料理が運ばれてくる様子はまさに宴、もはや祭り。これで3,600円は驚異です!」
■075-361-8039
塚田亮一さんリコメンド〈GYOZA OHSHO 京都髙島屋店〉/京都
幼少時からの餃子好きが高じ、2010年に餃子専門サイト「東京餃子通信」を立ち上げた塚田さん。年間200~300店の餃子を食べ歩いた中でもお気に入りは、〈GYOZA OHSHO 京都髙島屋店〉の「プレミアム餃子」だ。「全国700店舗以上ある〈餃子の王将〉のなか、京都髙島屋店のみで販売されています。素材にこだわり和風だしで味付けされた、まさにプレミアムな餃子!」。今年の夏に、ひとくちサイズへとリニューアル。
■075-279-2894
中嶋一賀さんリコメンド〈中華晋香苑〉/札幌
バル〈FORK〉のオーナー・中嶋さんに普段の食生活について尋ねてみると、「麺とスープカレー、あとはジンギスカンばっかりですね」という北海道の人らしい回答が。そんな偏食の彼のお気に入りは、〈中華晋香苑〉の辣湯 1,030円と刀削麺 420円。「厨房で削られた麺は、形が不規則で、タレがよく絡むから最高。スープには唐辛子や山椒類などの食材がふんだんに使われているので、二日酔いの日の“解毒”にも最適です」
■011-776-6692
にしいあんこさんリコメンド〈菓子道楽 新野屋〉/新潟
物心つく頃からあんこ好きで、今でも365日食べるという、にしいさん。あんこのスペシャリストが幸せになるもの、それは〈菓子道楽 新野屋〉の「くろ羊かん」だ。「じっくり1週間ほどかけて食べます。舌を巻く黒糖の濃厚さと、モダンアートの彫刻のような漆黒が圧巻です。購入初日の夜か2日目から砂糖が吹き出てきてシャリシャリ感を味わえ、初日とは味も食感も異なり、時間をかけて羊羹のドラマを味わうことができます」。
■0257-22-2337
福田春美さんリコメンド〈六花亭 札幌本店〉/札幌
「例えば2時間に一度、庭に水打ちして埃が舞い上がらないように配慮したり、喫茶室ではスタッフの方3人が美しいコーラスでお誕生日を祝ってくれたり…。もう六花亭愛が止まりません」とブランディングディレクターの福田さん。最上の原料を使い、地域に根ざした物語や季節感を体現したお菓子は代表作「マルセイバターサンド」以外にも多数。「私は『大平原』が好きですが、喫茶室のデザートもおすすめです」。
■011-261-6666
牧野広志さんリコメンド〈龍鳳〉/京都
「手ごろな金額でこちらの想像を超えた味が宇宙であり、そこに魅力を感じますね。そういうお店を常に探し、食べ歩いています」と話す〈TRAVELING COFFEE〉店主の牧野さんがハマった「カラシ入そば」700円(税込)。「京都中華と呼ばれる〈鳳舞〉系の、最後の直弟子さんによるお店です。京都中華とは、京都人の口に合わせただしと食材を使った、京都に寄り添う中華料理。カラシを練り込んだ麺と野菜たっぷりのあんかけが絶妙です!」
■075-255-3966
松下早苗さんリコメンド〈Le depart〉/札幌
20代の頃から40代後半まで3食外食が日常だったと松下さん。現在は調理師、野菜ソムリエ、北海道フードマイスター、オリーブオイルソムリエの資格を取り、健康な体を作る食事を心掛ける。そんな彼女を癒しているのが、生クリーム、バター、牛乳不使用で素材の旨味を追求したここのフレンチ。「5~7種類の手間をかけた前菜の盛合せがわずか2,200円!豪快な日替わりのメインに加え、4~6種類も用意されたデザートが700~1,300円なのも感動的です」
■011-219-0916
抹茶きな子さんリコメンド〈ぎをん小森〉/京都
京都を拠点に抹茶メニューを食べ続け、その味を研究し続ける抹茶きな子さん。常にマイ抹茶ドリンクを携帯し、抹茶スイーツを摂取するなど、そのライフスタイルに抹茶はガッツリ組み込まれている。そんな彼女がこれぞと推すのがこの店の抹茶わらびもち 1,250円(税込)。「見た目も素晴らしく、抹茶をふんだんにまとわせたわらびもちは、頬張ると抹茶そのものを食べているようで幸せ。後からプルッ、トロッととろけるわらびもちの甘みが余韻を残します」
■075-561-0504
メアラシケンイチさんリコメンド〈第7ギョーザの店〉/金沢
アートディレクターのメアラシさんが「金沢に行った時にハマった、地元民に愛される“餃子の館”」と教えてくれたのがこちら。「そのストーリーやネーミングの秘密はもとより、店の大きさや、雰囲気すべてがいい感じ! 味は『ホワイト餃子』や蒸し、焼き、水餃子と種類も多く、1人もいいけど、やっぱり多人数で座敷に座りコンプリートしていただきたい。ちなみに第6餃子もあって、そのストーリーを紐解くのも楽しそう」。
■076-261-0825
大和まこさんリコメンド〈秋華〉/京都
本誌での執筆はもちろん、『&Premium』でも京都さんぽの連載を持つ京都在住ライターの大和さん。新店・名店に目ざとい彼女が「ここはブレイク間違いなし」と太鼓判を押すのは、9月にオープンしたばかりのチャイニーズ。京都屈指の人気店〈京静華〉のスーシェフが独立した店だ。「1,600円のランチで楽しめる海老チリはポーチドエッグが添えられていて、黄身を絡めて味わう上品な仕立て。開放的で居心地のいい店内の雰囲気も素敵です」。
■075-285-1140
弓削聞平さんリコメンド〈ニューえぶりお〉/福岡
元福岡のグルメ雑誌の編集長で、年間のべ1,000軒の食べ飲み歩き生活を18年ほど続けたという弓削さん。「最近福岡といえば「ひらお」(天ぷら定食)が有名で、インバウンドも含めて行列ができます。このお店は〈食堂えぶりお〉という居酒屋さんとして人気を博していたのですが、1階をうどん&天ぷら&居酒屋に業態変更。もともと料理もおいしく、サービスとホスピタリティにも優れた店でしたから、そりゃ間違いありません」。
■092-762-0001
Hanako『1000円の幸せと、6000円の悦びと。おいしい店!』特集では、おすすめグルメを多数ご紹介しています!
(Hanako1179号掲載/photo : Yoichiro Kikuchi, Tomo Ishiwatari text : Kimiko Yamada, Wako Kanashiro, Ami Hanashima, Yuya Uemura text & edit : Kahoko Nishimura)