「未知の駅」大阪・梅田を舞台にした刺激的な10日間! 大阪・梅田の魅力を発信する複合イベント『CREATIVE OCTOBER UMEDA』とは?
大阪で繁華街といえばキタとミナミ。ミナミは道頓堀のある心斎橋や難波一帯ですが、キタと呼ばれるのはJR大阪駅や私鉄や地下鉄のターミナル、梅田駅周辺です。その梅田で10月末から5つのイベントが開催され『CREATIVE OCTOBER UMEDA』として情報発信されました。ファッションからグルメ、アートまでさまざまなジャンルのクリエイターらが参加した『CREATIVE OCTOBER UMEDA』について、開催の背景を含めて2回に渡ってレポートします。
クリエイティブな才能と人情が交錯する、まだ知られていない大阪・梅田。
今回情報発信された『CREATIVE OCTOBER UMEDA』は、ファッション、クリエイティブ、アート、グルメが溶けあう街、梅田とその周辺の魅力を伝える5つのイベントが組み合わさったプロジェクトです。これまで別々に開催されていた3つのイベントと今回初めて開催される2つのイベントが梅田周辺で同時に開催されました。
どうして今、『CREATIVE OCTOBER UMEDA』が開催されたのでしょうか?
大阪の玄関口でもある梅田は、ショッピングやグルメはもちろん、ビジネス街としても賑わいが絶えない街。中でも梅田駅北側の「うめきた」と呼ばれる場所は、2025年に開催が決定した大阪・関西万博をめがけて大規模な再開発が進行中です。一方、梅田駅から5分も歩くと、昭和の面影を色濃く残したのんびりとした空気が流れる商店街や長屋が軒を連ねるエリアもあります。
今、梅田で進行しているのは「うめきた2期再開発」という再開発プロジェクトです。2013年には「うめきた1期」の象徴ともいえる〈グランフロント大阪〉が誕生しました。〈グランフロント大阪〉はおしゃれなショップやレストラン、イベントホールなどがある複合施設として、いつもたくさんの人が訪れます。
『CREATIVE OCTOBER UMEDA』の1つ、アジアからのアーティストも多く参加するアートフェア『UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2019』は〈グランフロント大阪〉で開催されました。
そんな〈グランフロント大阪〉のすぐそばでは、2024年に大阪の新しい憩いの場として広い都市公園を作る計画が進んでいます。『CREATIVE OCTOBER UMEDA』のイベントのひとつ、『BECASUSE This is it OSAKA』はこの場所の一角で行われました。
梅田をワールドワイドにおもしろくする新旧ミックス。
『CREATIVE OCTOBER UMEDA』の仕掛け人のひとりで、長年梅田の再開発に関わってきた阪急阪神不動産株式会社開発事業本部うめきた事業部長の谷口丹彦さんは言います。
「世界を見てもパリやロンドン、ニューヨークといった魅力ある都市は、周辺に職住接近の小さなお店や会社が入り乱れているゾーンがあるものです。これからの梅田も開発する企業と付近の住民、小規模の商店などが混然一体となった魅力を発信したい。『CREATIVE OCTOBER UMEDA』はそのきっかけづくりのひとつです」
谷口さんがいう梅田付近の小さなお店や住居がある場所とは、梅田から徒歩圏内にある中崎町や中津という地区のこと。この2つの地区は昭和の面影懐かしい町並みが残り、古くから住む人びとの暮らしが自然と目に入るエリアです。
「海外から梅田に来る人にとっても、未知のライフスタイルを見ることになるでしょう。日本の大阪がおもしろいと感じてもらいたいです」(谷口さん)
中津がこれまで開発されず、のんびりとした趣ある姿を残してきた理由は、梅田との間に線路が走っていることにも原因がありました。この線路が近々地下化され、さらに梅田駅との間は大きな公園となって、梅田と中津はこれまで以上に地続きになっていきます。『CREATIVE OCTOBER UMEDA』では、この中津地区で地元商店街も参加する「THE CITY. –社会を彫刻せよ-『2119』」と名付けられたコンセプチュアルアートのプロジェクトが開催されました。
食のクリエイターが試験的にお店を出せる〈OSAKA FOOD LAB/阪急中津スクエア〉では今年で3回目のフードマーケットイベント『SMORGASBURG OSAKA』が開催され、『CREATIVE OCTOBER UMEDA』に参加しました。
もうひとつある昭和の町並み、中崎町は第二次世界大戦の戦火を逃れたエリア。木造の格子戸がある長屋のような古い建物が残ります。20年ほど前からは、若い経営者たちが個性的な古着店やカフェ、美容室を次々とオープン。韓国ドラマの舞台になり、海外からもたくさんの人が集まる注目の町です。
この中崎町で開催されたのは今年が3回目となる『EQUAL FESTIVAL in Nakazakicho 2019』。このイベントの仕掛け人は、東京原宿にあるPR会社、株式会社ワンオー代表取締役の松井智則さんです。大阪には、外の街からくるから見える、いいところがあると松井さんは言います。
「中崎町は梅田から徒歩5分の距離の場所なのにほっこりした町並みが広がっています。細い路地の奥に個性的な古着屋や雑貨屋、喫茶店がたくさん。こんなおもしろい場所をマニアの人しか知らないなんてもったいない。国内外の人たちに発信して、ギャップや雑多感ごと町を味わってほしい。そう思って立ち上げたのが『EQUAL FESTIVAL in Nakazakicho 2019』です」
中崎町を歩いてみると、細い路地や古いビルの中など、溶け込むように個性的なお店が並んでいます。
大きな再開発プロジェクトと古い町並みの中で自然発生した変化、そして人情溢れる人たち。多様な個性がかけ合わさったおもしろさをたっぷり感じられるのが『CREATIVE OCTOBER UMEDA』です。
次のレポートでは『CREATIVE OCTOBER UMEDA』を構成する5つイベントの様子をご紹介します。