ウィリアム・モリスの壁紙の客室も魅力。 有形文化財に泊まる。【長崎・雲仙温泉】レトロクラシカルなホテル〈雲仙観光ホテル〉へ。
国立公園の中にある長崎・雲仙は、新緑や紅葉、四季それぞれの自然の魅力にあふれる温泉街。今回は、そんな人気温泉地で泊まりたい〈雲仙観光ホテル〉をご紹介します。
国立公園の自然と調和したクラシカルな温泉ホテルへ。
長崎、熊本、鹿児島の3県にまたがる雲仙天草国立公園は、1934年、日本で初めて指定を受けた国立公園だ。約2万5000ヘクタールもの広大な国立公園内に雲仙温泉がある。標高約700メートルという美しい自然環境の中の温泉地として、明治・大正の時代には欧米人の避暑地として栄えたことでも知られている。
両側に並木が続く美しい石畳のアプローチの先、大自然にとけこむように立つ〈雲仙観光ホテル〉が誕生したのは、国立公園指定の翌年のこと。日本で最初の〝観光〞を冠する歴史あるホテルであり、有形文化財にも登録されている。赤い三角屋根と木材を組み合わせたスイス・シャレー様式の外観に導かれて中へ入れば、職人が手斧で削った階段の立派な手すりや、80年以上時を刻むクラシカルな振り子時計など、創業当時の建築細部や調度が残る重厚な雰囲気に息を呑む。
ダンスホールとしても活躍した天井高5メートルのメインダイニングや、手焼きのデザインタイルを敷き詰めたバーも、古き良き時を彷彿させる非日常空間。
ホテル近くの自噴泉〝雲仙地獄〞から引く源泉掛け流しの硫黄泉は、なめらかでやわらかな肌触り。開業時の姿に改修したドーム天井やステンドグラスをあしらった浴室の雰囲気も往時のエレガントな時間を今に伝える。
〈雲仙観光ホテル〉
■長崎県雲仙市小浜町雲仙320
■0957-73-3263
■全39室
■1室2名利用(1泊2食付き)の場合、1名37,800円~(税サ込、入湯税別)。
夕食はフレンチまたは和懐石、朝食は和洋を選べる。
雲仙温泉のメインスポットはココ!〈雲仙地獄〉
雲仙温泉の源泉で、温泉街の宿はここから湯を引く。噴気が激しい“大叫喚”ほか、“お糸”、“清七”、“雀”など、最高温度98℃の温泉と噴気が約30カ所から噴出し、湯けむりが立ち上る様が地獄を連想させる。回遊式で展望台もある。地熱を足で感じる“足蒸し”体験も。
〈雲仙地獄〉
■長崎県雲仙市小浜町雲仙320
■0957-73-3434(雲仙温泉観光協会)
■24時間見学可能(夜間のライトアップなし)
■無料
(Hanako特別編集『心なごむ、日本の宿へ。』掲載/photo : Tomoyo Yamazaki text : Yumiko Ikeda edit : Chiyo Sagae)
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