5棟を気ままに行き来。 京都で初めての“分散型ホテル”。5棟でひとつのホテル〈ENSO ANGO〉で、新しいステイを。
京都はこの数年、宿泊施設のオープンラッシュを迎えている。しつらえだけでなく、滞在方法までも工夫するなど、新しさに敏感な京都だから実現した宿のカタチを見てみましょう。今回は、5棟を相互利用できる“分散型”が新しいホテル〈ENSO ANGO〉をご紹介。
5棟を相互利用できる“分散型”が新しい。
次々とホテルがオープンしている京都で最近増えているのは、アーティストがコンセプトやデザインを手がけるホテル。なかでも、規模とクオリティがずば抜けていたのが、昨年秋にオープンした〈ENSO ANGO〉だ。
京都で初めての〝分散型ホテル〞として、四条通と五条通の間のもっともにぎわう中心市街地に5棟同時に開業して人々を驚かせた。
一般的なホテルで宿泊者が過ごす場所といえば、客室と少しの共用スペースに限られていることが多いが、「5棟でひとつのホテル」と考えるこの宿では、宿泊者が各ホテルのラウンジなどを相互利用できるシステム。好きなホテルでくつろげ、ラウンジの軽朝食は別棟でも食べられる。
京都のクラフトやカルチャーに触れる。
棟のデザインを手がけたのは、陶作家の安藤雅信、現代美術家の日比野克彦、スイスのデザイン事務所アトリエ・オイ、建築家の寺田尚樹、内田デザイン研究所と、豪華メンバーたち。伝統工芸を用いたインスタレーションや、ホテルのために制作した新作など、見どころが満載で一度の滞在では見尽くせないほど。
各棟のラウンジにはお菓子や飲み物を常備されて、ホテルに仕事を持ち込むノマドワーカーたちにも好評だ。
ほかにも様々な分野の講師を招き、お茶や坐禅といったアクティビティも開催。個人ではなかなかアクセスできない京都のカルチャーに触れられることから、京都を何度も訪れているリピーターにもおすすめだ。
〈ENSO ANGO〉
富小路通 Ⅱ(京都府京都市下京区富小路通高辻下ル恵美須屋町187)ほか下京区中心に5棟からなる。富小路通 Ⅱにはスペイン・バスク地方の料理が楽しめる〈La Rotonda〉併設。
■075-585-5790(予約直通)
■全16~86室
■1室2名22,500円~
(Hanako1176号掲載/photo : Norio Kidera text : Ai Kiyabu)